異世界支配のスキルテイカー ~ ゼロから始める奴隷ハーレム ~

柑橘ゆすら

水着鑑賞



 ピカピカと輝く日差しが、揺らめく水面を眩しく照らしている。
 太陽の光によって彩られたエメラルドグリーンの海は、より一層と魅力を増しているかのようだった。


「……おお! 良い雰囲気の海岸じゃないか!」


 一足早くに海に到着した悠斗はテンションを上げていた。
 白色の貝殻に覆われていたビーチは、ほとんど悠斗たちの貸し切り状態だったのである。


「……妙だな。いくら何でも人が少なすぎる。このあたりに泊められていた漁船は何処に行ったのだ?」


 シルフィアの記憶では、この海岸一帯は一年中、沖の方角に漁船が泊められていたエリアである。
 いくら戦争で人が減ったからと言って、こうも極端に人が減ったりするものなのだろうか?

 ナルビアの街で取れる海産物は有名で、隣国の商人たちが大挙として買い付けにくるほどのブランド力を誇っていたのである。


「なぁ。もしかしてサクラは何か事情を知っているんじゃないか?」


 ルーメルの内情に詳しいサクラであれば、海が閑散としている理由についても知っているかもしれない。
 そう判断した悠斗は何気なく尋ねてみることにした。


「簡単なことです。出たのですよ。海の悪魔が……」


 それから。
 サクラはナルビアの海から人が消えた経緯を事細かくに説明した。

 曰く。
 ナルビアの街から人がいなくなった理由は、ロードランドとの戦争だけではなかった

 暖流と寒流がぶつかり、魚の餌となるプランクトンが豊富に発生するナルビアの漁港は、他国の漁師から見ると宝の山である。

 戦争が終わった後もナルビアの漁港だけは、以前までと変わらない賑わいを見せていたらしい。

 だがしかし。
 地元の漁師から『海の悪魔』と呼ばれる怪物が漁港に居つくようになってから、事態は急変することになる。

 非常に好戦的で、食欲旺盛な『海の悪魔』は、次々と漁船を沈めて、乗り合わせていた漁師たちを帰らぬ人とした。

 恐怖に駆られた漁師たちは漁業権を放棄して、次々と街から立ち去っていくことになり――。
 今となっては海で魚を取ろうとするのは、戦争で親を亡くした子供たちだけになっていた。


「そんな状況で海に入っても大丈夫なのか?」

「はい。この海岸は水深も浅いですし、浅瀬で遊ぶ分には問題ないでしょう。ただし、用心をして沖の方に泳ぎに行くのだけは、止めておいた方が賢明かと思われます」


 地元漁師たちの推測によると、海の悪魔は最低でも10メートル以上の体高を誇る怪物である。
 それだけの生物が水深1メートルに満たない浅瀬にまで上がってくるとは考えにくい。


(まぁ、逆に考えるとこの状況はラッキーだったかもしれないな……)


 自分が囲っている美少女たちの水着姿を他の男たちに見せるのは、少しだけ気乗りのしないものがある。
 悠斗にとっては『海の悪魔』の出現は、ビーチを貸し切りにできる絶好のチャンスとして映っていた。


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 目を凝らせば小さなカニたちが、砂浜を歩いているのを確認することができる。
 さっそくサクラの用意した水着に着替えた悠斗は、設置したビーチパラソルの下で女の子たちの到着を待っていた。


(……2人とも。どんな水着で来るのかなぁ)


 異世界に召喚されてから様々なプレイに興じてきた悠斗であったが、女の子の水着姿だけは未だに見たことがなかった。
 それというのも王都エクスペインは港町からは遠く離れた内陸に位置しており、水着を売っている店が少なかったからである。


(俺的には断然、露出度の高いビキニが嬉しいけど……。真面目なシルフィアにはあまり期待できないかもな……)


 どんな水着であっても、女の子が自分に見せるために選んでくれたものであれば不満はない。
女の子たちの水着姿を想像した悠斗が、期待で胸を膨らませていた直後だった。


「主君。着替えてきたのだが、どうだろうか」


 岩場の影で水着に着替えたシルフィアが、悠斗の背後から声をかける。


「マ、マジか……!」


 悠斗は絶句していた。
 何故ならば、シルフィアの選択した水着は、悠斗が想像していたものより100倍くらい大胆なものだったからである。


「シルフィア……。その水着は流石に大胆過ぎないか?」

「そ、そうか? 別にこれくらいの露出なら普通だと思うが……」


 世界が変われば常識も変わるということなのだろう。
 この時、悠斗にとって知る由もなかったのだが、異世界トライワイドにおける女性用水着は、現代日本のものと比べて過激なデザインのものが多かった。

 それというのも地球と違ってモンスターが出現するトライワイドにおいて、『海で遊ぶ』という文化が根付き始めたのは、ごくごく最近のことだったのである。

 元々この世界の水着はというと、酔っぱらいの男性客から酒をかけられても大丈夫なようにと踊り子たちの間で好んで使用されていたものだった。

 故にこの世界の水着は、実用性よりも『男性を喜ばせるためのサービス衣装』という側面が強かったのである。


「……主君。もしかして私の水着、何処か変なところがあるのだろうか?」


 そう言って尋ねるシルフィアの眼差しには不安の色が滲んでいた。
 シルフィアが選んだアイテムはレイヤード水着と呼ばれている代物であった。

 この水着の魅力はなんと言っても『Tバックのチラ見せ』にある。

 通常の水着の下にセクシーなTバックのインナーを重ね着することによって、なんとも形容しがたい背徳的なエロスを醸し出している。


「いや。スゲー似合っていると思うぞ……。ただ……」

「ただ……?」

「俺以外の男の前ではその姿を見せるのは絶対禁止! 禁止だからな!」

「……う、うむ。心得た」


 主人に仕える奴隷として、騎士として、これ以上に嬉しい言葉があるだろうか。
 悠斗に褒められたシルフィアは頬を赤らめて、天にも昇るような幸せな気持ちを噛み締めていた。


「何ですか。騒々しいですね」


 そうこうしているうちに遅れてやってきたサクラが現れる。


(な、名前は分からないけど……。エロ漫画とかでよく見る水着だ……!)


 サクラが身に着けている水着は、所謂Vストリングと呼ばれる種類のものだった。

 股の間からVの字に伸びた布地が両胸を隠しているこの水着は、シルフィアの身に着けている水着と比べても数段上を行くほどの、過激なデザインのものであった。


「……して。サクラ。水着に着替えたはいいが、何をして遊ぶのだ?」

「そうですね。まずは定番ですが、これで遊びましょうか」


 身を屈めたサクラは、パラソルの下に置かれたバッグの中からビーチボールを取り出した。
 その際、悠斗は剥き出しになったサクラの真っ白なお尻に視線を釘付けにされてしまう。


「行きますよ! お嬢さま!」


 サクラの掛け声と共にビーチボールは、青空の中に吸い込まれるかのようにして宙を舞う。


(ボ、ボールが5つある……だと!?)


 だがしかし。
 巨乳美少女たちの水着姿に気を取られた悠斗は、瞬く間の内にビーチボールを見失ってしまうことになる。


「主君! そっちにボールが行ったぞ!」


 シルフィアの忠告も別のボールに気を取られている悠斗の耳には入らない。


「ふごっ!?」


 落下するボールが、ものの見事に悠斗の頭に直撃する。
 結局、その日の悠斗は、持ち前の運動神経を全く発揮することができず、情けない姿を晒すことになるのだった。 
 

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