異世界支配のスキルテイカー ~ ゼロから始める奴隷ハーレム ~

柑橘ゆすら

VS 白虎



 それから。
 悠斗たちパーティーは白虎の潜んでいる洞窟の探索を順調に進んで行くことになる。

 道中には白虎の使い魔であるインプたちが大量に待ち伏せていた。


「フハハハ! オレ様の魔法に挑もうなんて100億万年早いっつーの!」

「「「ピギャッ!?」」」


 白虎を守るために果敢に攻め込んでくるインプたちなのだが――。
 調子を取り戻したミカエルの魔法が付け入る隙を与えない。


(クソッ。ミカエルのやつ……余計な真似をしやがって……)


 悠斗としては≪能力略奪≫のスキルを発動させるためにも率先してインプ討伐したいところだったのだが――。

 あまり不自然に戦闘を望もうとすると、理由について詮索されかねない。

 夜の営みを充実させるための好機を逃してしまった悠斗は、心の中で悪態を吐く。


 ~~~~~~~~~~~~


 更に暫く進んで行くと、インプたちは姿を現さなくなる代わりに、大きく開かれた空間が見えてくる。

 その中心部分に目的の魔族はいた。


「テメェらか。オレの塒を荒らしている不届きものの人間たちは……!」


 白虎
 種族:魔獣
 職業:なし
 固有能力:魔眼 不眠 再生 免疫 巨大化

 魔眼 レア度@☆☆☆☆☆☆☆
(森羅万象の本質を見通す力。ただし、他人が所持するレア度が詳細不明の能力に対しては効果を発揮しない)

 再生 レア度@☆☆☆☆☆☆☆☆
(自身の心臓が残る限り、傷付いた体を瞬時に再生する力)

 不眠 レア度@☆☆☆☆☆☆☆
(睡眠を取らずに活動することを可能にする力)

 免疫 レア度@☆☆☆☆☆
(あらゆる毒を無効化する力)

 巨大化 レア度@☆☆☆☆
(自身の体を大きくするスキル)


 白虎という魔族は、悠斗が名前から抱いていたイメージとは全く異なる外見をしていた。

 全身の毛が綺麗サッパリ抜け落ちてしまっているからだろう。

 そこには野生動物から感じられるような力強さは何処にもない。
 薄ピンク色の肌を晒している白虎の様子は何処か情けないものがあった。


「予知夢のスキルで見た通り! やはり白虎は弱っているようです」


 何かストレスのかかる出来事があったのだろうか?

 ソフィアは思う。
 詳しい事情は分からないが、叩くなら今が最大のチャンスであることは間違いないだろう。


「さぁ。ミカエル。当初の予定通り最大威力のエクスプローションを白虎にぶち込んで下さい」

「おうよ!」

「…………」

「…………」

「どうしたのです!?」

「すまん。どうやらイージスの魔法を維持しすぎて魔力切れらしい」

「~~~~ッ! この……ポンコツラーメン!」

「ハハハッ。可愛い女の子たちが見てると思うと、ついつい張り切ってしまっていけねぇな」


 どうやら戦力ダウンしていたのは敵サイドだけではなかったらしい。

 白虎討伐の切り札を失ったソフィアの顔色は、みるみると蒼白になっていく。



「死に晒せぇぇぇええええええええええええ!」



 そうこうしている内に白虎の攻撃が始まった。

 白虎は《巨大化》のスキルを使用して、己の体格を5メートル近くにまで拡大すると、勢いよく地面を蹴った。

  狙いはメンバーの中で最も動揺の激しかったソフィアである。


「しまっ……」


 この時、ソフィアは自らの死を覚悟した。

 何故ならば――。
 戦闘時におけるソフィアの役割は聖属性魔法とスキルによるサポートが中心で、攻撃魔法の類を全く使うことができないからである。

 数少ない攻撃手段である体術の稽古は詰んでいたので、武闘家としても一流の技術を身に付けてはいたのだが――。

 格下相手には通用しても人外同士の戦闘においては、気休め程度にしかならないのである。


「させるかよ」


 だがしかし。
 白虎の巨大な拳がソフィアに命中する寸前。

 悠斗の攻撃が白虎の脇腹を捉えた。


 破拳。


 人体の《内》と《外》を同時に破壊することをコンセプトに作ったこの技を悠斗は、そう呼んでいた。

 高速で拳を打ち出しながらも、インパクトの瞬間に腕全体に対してスクリューのように回転を加えるこの攻撃は、近衛流體術の中でも悠斗が主力としている使用している技である。

 標的の体内にその衝撃を拡散させるこの技は、生物の骨格・臓器・筋肉の全てを同時に破壊することを可能にしていた。



「ぐばあああああああああああああああっ!」



 悠斗の全力の《破拳》を受けた白虎は、大量の粉塵を巻き上げながら体を岩壁に激突させる。

 ドガガガガッ! と。
 地震が起きたかのように洞窟全体が振動する。


「き、貴様ァ……!」


 だがしかし。
 本来であれば即死級のダメージを受けたにも拘わらず――。

 白虎はピンピンとした様子で立ちあがって見せた。

 魔眼のスキルから得た情報により悠斗はそこで今回、白虎に止めを刺しきれなかった原因が相手が保有する《再生》のスキルにあることを理解する。

 このスキルを保有する相手を倒すには心臓を狙わなければならない。

 けれども、厄介なことに巨大化のスキルを使用した白虎の体格は優に5メートルを超えている。

 あの分厚い胸板を貫いて心臓にダメージを与えるのは、一筋縄ではいかなそうである。


(う~ん。思ったよりもこいつは持久戦になりそうだな)


 意外なシナジ―効果を発揮する《巨大化》+《再生》を前にした悠斗は、思わず頭を悩ませるのであった。

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