異世界支配のスキルテイカー ~ ゼロから始める奴隷ハーレム ~

柑橘ゆすら

狩猟エリア



 調子に乗って風魔法を使い過ぎたからだろうか?

 長時間遠泳をしたかのように悠斗は、全身に疲労を感じていた。

 目的地に到着する前から体力を使い果たしては本末転倒である。
 次からはもう少しペース配分を考えることにしよう。

 バイクのレバーを下げた悠斗は、ゆっくりと地面に着地する。

「おー。ここがローナス平原か」

 平原という言葉から見渡す限り一面の草原と言った光景をイメージしていたが、実際には湖や林と言った地域も含んでいるようであった。

 地図を見る限り、その敷地面積はこれまで探索をしてきた地域の中でも最大である。

「ローナス平原はロードランド領の最南端にある地域で、出現する魔物の種類も多いみたいです」

 ギルドから渡された小冊子を眺めながらもスピカは説明を始める。

 ローナス平原に生息する魔物は今回追加されたワイルドベアー、ホワイトバードに加えて、リザードマン、スケルトン、レッドスライム、ブルースライム、グリーンスライムの合計7種類であるらしい。

「ローナス平原に生息するワイルドベアーとホワイトバードは、個体数が少なく見つけることが困難な魔物であるそうです」

「なるほど。だから成功条件が2匹に設定されているわけか」

「はい。ちなみにこの2匹の魔物は解体して、お肉にしてしまっても絶品です。冒険者ギルドに持ち帰れば、高値で買い取ってくれるみたいです」

「なんだとっ!?」

 スピカの言葉を受けた悠斗は、途端にそのモチベーションを上げて行く。

 リリナと二人で市場を見て回って分かったことなのだが、この国では肉と魚の値段がやたらと高い。

 今回の討伐クエストで肉を調達することが出来れば、食卓は一気に贅沢なものになるだろう。

 本日の夕食のメインディッシュを獲得するべく――。
 悠斗たちはさっそく探索を始めることにした。


 ~~~~~~~~~~~~


 それから4時間後。
 思うように討伐クエストを進めることが出来ないことに焦りを感じた悠斗は、大きな溜息を吐く。

「う~ん。まさかこんなに苦戦することになるとはな……」

 これまでに倒した魔物は、リザードマンが10匹にスケルトンが7匹。
 3種のスライムに関しては、倒しても大したカネにならないので発見しても無視をしている。

 成果だけを見れば悪くない数字ではあるのだが、今回のメインターゲットであるワイルドベアーとホワイトバードを1匹も討伐できていない。

 ワイルドベアーは普段、地中の奥深くに身を潜めている習性を有しているらしく、発見事態が困難である。

 1度、見つけさえしてしまえばスピカの嗅覚レーダーに頼ることが出来るので討伐は容易だろうが、そこに至るまでが問題であった。

 ホワイトバードに関しては逆に、見つけることは容易だが、討伐することの難しい魔物と言える。

 空高くを飛行するホワイドバードに対しては、どんなに武術を極めた人間であろうとも無力であった。

 水魔法を利用して作成した氷の塊を使って撃ち落とす作戦も考えたが、距離が離れすぎていて簡単に避けられてしまう。

 こちらはなまじ見つけることが容易なだけに、歯がゆい想いを強いられる結果になってしまっている。

「主君。そろそろ日も落ちてくる。夜になると魔物の動きも活発になり危険が増す。今日はもう、屋敷に戻った方が良いだろう」

「……そうだな。仕方がない。ここは1度、屋敷に戻って対策を考えるとするか」

 そう判断した悠斗が、諦めて踵を返そうとしたそのときであった。


「「「……!?」」」


 突如として、視界が揺れる。
 体のバランスを崩したスピカとシルフィアは地面に立っていることが困難になり、反射的に身を屈める。

(もしかしてこれは……地震か!?)

 それもかなり強い。
 悠斗がこれまでに経験したことのない強い地震であった。

 更にそこで、不運は続く。


 ワイルドベアー 脅威LV 13


 地震に驚いて、巣穴から出てきたのだろうか?

 スピカの背後には、体長2メートルを超える巨大熊が敵意をむき出しにした状態で立っていた。



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