異世界支配のスキルテイカー ~ ゼロから始める奴隷ハーレム ~
フォレスティ姉妹
「あ! ユウトか。よく来てくれたな」
リリナ・フォレスティ
種族:ケットシー
職業:家政婦
固有能力:なし
フォレスティ姉妹の家に到着するなり悠斗たちの目に飛び込んできたのは――。
刃渡り40センチを超える巨大包丁を持ちながらもニッコリと微笑むリリナの姿であった。
その全身には、赤黒い血が付着しており――。
ついさっき人を殺して来たと言っても信じてしまうような雰囲気であった。
「……リ、リリナさん!? その血は一体どうしたのですか!?」
大変なものを見てしまった。
と言った面持ちでガタガタと恐怖で震えながらもスピカは質問する。
「おぉ。悪い悪い! ついさっきユウトたちの歓迎にということで、近所の人たちから森豚を1頭丸ごと貰ったんだ。この赤いのはその解体作業をしていたときに付いていたんだよ」
「……なるほど。そうだったのか」
リリナの言葉を聞いた3人はホッと胸を撫で下ろした。
悠斗は思う。
包丁を持ちながらも返り血を浴びた美少女というのはヤンデレ的な魅力があると考えていたが、それは2次元に限るのだろう。
現実で目の当たりにすると、不気味以外の言葉が出てこなかった。
「それにしても驚いたよ。その歳で豚を丸ごと1体解体しちまうなんて。リリナは意外に逞しいんだな」
「別に。褒められるようなモノでもないぜ。オレは妹と違って昔から……料理とか家事くらいしか取り柄がなかったからな」
「…………」
(こいつ……オレッ娘の癖に家事万能スキル持ちだと!?)
等と疑問に思う悠斗であったが、冷静に考えると失礼極まりなかったので喉まで出かかったツッコミをグッと押し殺すことにした。
「……? どうして冒険者さんがウチにいるのですか……?」
サーニャ・フォレスティ
種族:ケットシー
職業:魔物使い
固有能力:懐柔
ブレアドラゴン 脅威LV32 状態 (テイミング)
声のした方に目をやるとそこには見覚えのある1人の幼女と1匹の竜がいた。
「あれ。どうしてキミが……?」
疑問を口に出した途端、悠斗はその理由に気付く。
リリナとサーニャのファミリーネームが『フォレスティ』で共通している。
つまりそれは、彼女たちが姉妹であることを意味していた。
「……おいおい。もしかしてユウトはウチのサーニャと既に知り合いだったのか!?」
「えーっと……。話すと長くなるんだけど。これには色々と事情があって」
何処から話せば良いものやら。
悠斗はサーニャと出会った時のことについて1から事情を説明することにした。
~~~~~~~~~~~~
それから2時間後。
悠斗たち一向はフォレスティ姉妹の自宅にて夕食を御馳走になっていた。
「……しかし、驚いたな。皆がウチの妹と面識があったなんて」
「まあ。知り合いと言っても偶然1回会っただけなんだけどな」
暖かいスープを口に運びながらも悠斗は答える。
「ところで、ご主人さま。こうしてテーブルを囲んでみると、随分と女性の比率が高い食事になりましたね」
パンを齧りながらもジト目で追及するのはスピカである。
スピカの浮気を疑う恋人のようなトゲトゲしい口調は悠斗の耳にやけに残った。
それから。
4人の美少女に囲まれて、ハーレム気分を味わいながらも食事は進んで行った。
本日の夕食は、ライ麦のパン。キノコのスープ。山菜のサラダ。
そしてメインデュッシュに森豚の姿焼きであった。
(こんなに美味い飯を食べたのは何時以来かな……)
素材が良いというのもあるのだろうが、それだけでは此処までの味を出すことは出来ないだろう。
家事が得意と自称するだけの料理の腕前がリリナにはあった。
これまで悠斗は、他のことで手一杯で食事にまで気を回していなかった。
けれども。
毎日の食事も体作りの鍛練の一環である。
栄養バランスのことを考えると、リリナのような優秀な家政婦になってくれそうな人材は早めに雇っておいた方が良いのかもしれない。
思い掛けない御馳走に舌鼓を打ちながら――。
悠斗はそんなことを考えるのであった。
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よき