異世界支配のスキルテイカー ~ ゼロから始める奴隷ハーレム ~

柑橘ゆすら

エピローグ ~ 暫定的ハッピーエンド ~



 それから程なくして。
 エクスペインの街で騒がせた連続誘拐事件は予想外の形で解決することになる。

 街の大貴族であるアンドレア・スコット・マルニッシュの屋敷から男女合わせ100名を超える遺体が発見されたのであった。

 その大半が女性のものであり1滴残らず血液が存在しないミイラのように干からびた状態で発見されたことから、今回の騒動が吸血鬼の犯行であることが明白であった。

 だがしかし。
 騎士団のメンバーがアンドレア卿の屋敷に入ったときには既に吸血鬼は絶命していた。

 そこで1つの謎が残る。

 それは……果たしてこの吸血鬼は誰が倒したのか?

 ということだった。

 吸血鬼の死因と思われる傷跡は前代未聞のものであった。
 脇腹に槌で殴られたかのような打撃痕がある他は、目立った外傷がないのだが、奇妙なことに内部の骨格と臓器は激しい損傷があった。

 事件の重要参考人として悠斗の元にも王国の騎士団が取調べにきた。

 けれども。
 悠斗は何も知らないという一点張りで彼らを追い返すことに成功した。

 騎士団の側も元より吸血鬼という生物が1人の冒険者の手に負えるものではないと考えていた。

 そのため。
 悠斗の容疑は存外直ぐに晴れることになったのである。

 結局。
 魔族同士の内部抗争に巻き込まれたのではないか?

 という曖昧な憶測以上の結論を出すことが出来ず――。

 今回の出来事は、謎が謎を呼ぶ怪事件として後世に末永く語り継がれることになったという。


 ~~~~~~~~~~~~


 宿舎に戻るとスピカが悠斗とシルフィアを出迎えた。

 悠斗の衣服は多量の返り血に染まっており、只事ではない事態が起きていたことは明白であったが、スピカはその件に関して何も追及をしなかった。

 悠斗が無事に戻ってきてくれたこと。

 只それだけでスピカにとっては満足であったのであった。

「おかえりなさいませ。ご主人さま」

「ああ。ただいま。スピカ」

 待ちわびていた主人の帰りを目の当りにして――。
 スピカはとびきりの笑顔を浮かべていた。


 ~~~~~~~~~~~~


 それから数時間後。

「ユ、ユウト殿……。この格好は何処か……変ではないだろうか?」

 シルフィアはホテルの備品であるのセクシーなネグリジェに身を包んでいた。

 紆余曲折を経たものの――。
 シルフィアのことは無事に奴隷商館にて購入することができた。

 悠斗は吸血鬼に攫われた後、自力で脱出しようとしたところを見つけられたということでシルフィアと口裏を合わせていた。


(この光景を拝めただけでも……異世界に召喚された甲斐があった気がするな)


 セクシーなネグリジェを着用したシルフィアは、その見事な胸を惜しげもなく露わにしていた。

「いいや。そんなことはないぞ。スゲー可愛いと思う」

「か、可愛い!? もしかするとそれは……私を形容する言葉として使っているのか!?」

「お、おう。そうだけど」

「……可愛い。そんな……私が可愛いだなんて……っ」

 瞬間、シルフィアの頬はカァァァッと熱くなる。


(……気のせいだろうか。以前にも同じようなリアクションを見たような気がするぞ)


 幼少期より厳格な騎士の家庭で育ち英才教育を受けていたシルフィアは、色恋沙汰とは無縁の生活を送っていた。

 そのため。
 男性から褒められることに対する耐性が全くと言って良いほどないのであった。

 二人のやり取りを見て焦りを覚えたのはスピカである。

「ご、ご主人さま! 私は!? 実は私も今回新しいネグリジェを着てみたのですが……」

「ああ。うん。スピカの方も……まあまあ可愛いと思うぞ」

「まあまあ!?」

 予想外に微妙な評価を受けたスピカの面持ちはズーンと沈んだものとなる。

 実のところ。
 悠斗としては、スピカとシルフィア。

 それぞれに甲乙付けがたい魅力があると考えていた。

 シルフィアが誰もが憧れる高嶺の花であるとすれば、スピカには野に咲くヒマワリのように親しみやすい美しさがあった。

 悠斗が微妙な評価を付けたのは、単純に嗜虐心を起こした結果。
 スピカの落ち込んだリアクションが見たかっただけであったのである。


(う~。シルフィアさん。負けませんよ!)


 だがしかし。
 そんな事情があったとはツユ知らず――。

 この日の悠斗の発言を境にして。
 スピカは同じ女としてシルフィアに対して密かな対抗心を燃やすのであった。


(さて。明日からはどうしようかな……)


 悠斗にとって当面の目標は、現代日本に戻る方法を探すことである。

 けれども、慌てる必要はない。
 せっかくこれだけ可愛い二人の奴隷と暮らせることになったのだ。

 だから、もう暫くの間は――。
 悠々自適に異世界ライフを楽しむことにしよう。

 二人の美少女と同じベッドの上で眠れる幸せを噛みしめながらも、悠斗はそんなことを考えるのであった。


 

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