異世界支配のスキルテイカー ~ ゼロから始める奴隷ハーレム ~

柑橘ゆすら

狩りを効率化してみよう



 1匹目の魔物を討伐してから5分後のこと。


「ご主人さま。ここから西北に60メートルの地点にレッドスライムの群れがいます。数はたぶん……5体くらいだと思います」


 突如としてスピカはそんな言葉を口にする。

 悠斗は咄嗟に西北の方向に視線を向ける。
 けれども。
 周囲は木々に囲まれており、先が見通せない様子であった。

「全く見えないけど……どうしてそんなことが分かるんだ?」


「はい。先程の戦闘でレッドスライムの『臭い』を覚えたので間違いないと思います。私たちライカンという種族は生まれつき嗅覚に優れていますから。目では分からなくても臭いで分かるのです」


「おいおい。マジかよ……」

 訝しりながらもスピカの言う方向に歩みを進める。
 と。
 たしかにそこにはレッドスライムが群れを成していた。

 数も5体。
 スピカの言っていた通りである。

(もしかしたらこれは……とんでもなく効率的に狩りが出来るようになるかもしれないな)


 ~~~~~~~~~~~~


 悠斗の予想はそのものズバリ的中していた。
 元々、悠斗の能力はここら一帯の魔物を相手にするにはオーバースペックとも呼べるものであり、戦闘そのものは常に一瞬で終了していたのである。

 だがしかし。
 見通しの悪い山では思うように魔物を見つけることが出来ないため、悪戯に時間を浪費することが多かった。

 スピカの嗅覚は、最大で半径100メートルまでの魔物を探知するほど優れたものである。
 これにより魔物とのエンカウント時間を劇的に短縮することに成功したのだった。


 レッドスライム×18体
 ブルースライム×23体
 バット ×32体


 今日一日で倒した魔物の数である。

「いやー。それにしても今日は凄い収穫だったな。偉いぞ。スピカ。全部お前のおかげだよ」

 スピカが魔物の群れを見つけ、悠斗がそれを倒す。
 倒した魔物からスピカが素材を剥いでいる最中、悠斗が別の魔物を倒す。
 二人の間にはいつしかそんな暗黙のルールが成立していた。


「と、とんでも御座いません! ご主人さまが凄すぎるのです! ハッキリ言ってご主人さまの強さは異常です。私はこれまで沢山の冒険者の方々の話を聞いてきましたが……たった一日で60匹の魔物を倒した人なんて聞いたことがありません!」


 その言葉はスピカにとって嘘偽りのない本音であった。

 ひたすら、桁違い。
 ただただ、規格外。

 職業柄、これまで多くの冒険者たちを目の当りにしてきたスピカであったが、悠斗の『強さ』は、比較対象が見当たらないほど常軌を逸したものであった。
 特に悠斗が単身でバットの巣である洞窟の中に突入し、殲滅させた時は、自らの眼を疑わずにはいられなかった。

 バットという魔物は強力な風魔法を有し、集団で行動することが多いことから冒険者の中では『初心者殺し』として悪名高い存在であった。

 スピカは単身でバットの巣の中に入って行く悠斗を引き留めようと必死になったのだが、悠斗は「大丈夫だから」の一点張りで聞く耳を持とうとしなかった。


 ~~~~~~~~~~~~


 しかし、その5分後。
 スピカは自らの心配が杞憂であったことに気付く。

 何食わぬ顔で洞窟の中から出た悠斗は、『暗闇の中では解体できないから』という理由で、バッグの中から戦利品である、20体近くのバットの死骸を並べて見せたのであった。

 武術だけに止まらず戦闘に役に立ちそうなスポーツがあれば、何でも吸収してきた悠斗は《ブラインドサッカー》の技術にも精通していた。

 ブラインドサッカーとは、世にも珍しい『視覚を遮断して行うスポーツ』であった。
 元々は視覚に障がいを持つ人のために考案された経緯を持ったブラインドサッカーであるが、アイマスクを着用することで幅広い層の人間がプレイすることが可能になっている。

 人間は普段、日常生活の中での情報の8割を視覚から得ていると言われているが、ブラインドサッカーを極めた悠斗であれば、聴覚のみを頼りに暗闇の中で戦闘を行うことが可能であった。

 そのため。
 洞窟の中にいても悠斗は、一騎当千の戦闘能力を誇っていた。

 視界の利かない暗がりの中であるにも関わらず――。
 オーバーヘッドキックやボレーシュートの技術を応用した蹴撃を炸裂させた悠斗は、バットたちをまるでサッカーボールのように扱い、蹴散らしたのであった。


「ご主人さまは本当に……何から何まで凄すぎます……」


 今回の出来事により悠斗に向けるスピカの視線は、更にその熱っぽさを増していた。


 近衛悠斗
 魔法  : 風魔法 LV3(12/30)
 特性  : 火耐性 LV2(15/20)
       水耐性 LV2(15/20)


 悠斗はそこでおもむろにステータス画面を確認。
 当然のことながら《能力スキル略奪テイカー》の能力により全体的にスキルレベルがアップしている。

 特に風魔法のLVが3に上がっているのが気になるところであった。

 どの程度威力が上がったのかを調べるために早く検証作業に入りたい気持ちはあるが、魔法を使用すると異様に疲れが溜まってしまうことは確認済みである。

 魔法の検証作業は、時間と体力のある時に行えば良い。
 悠斗はそう判断すると足取りを軽くして街に戻るのであった。


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