静寂のなかのストレイドッグス

猫山 春太郎

無始無終


  それほどのことは怒らないと相場は決まっている
 しかし何もしらぬ無垢な少女はただ怯えた

 生きていれば苦しみがある
 
 壊れてしまえばそれだけのこと

 自分は知らないどこか宇宙の片隅に置き去りにされてしまった
 ここがどこだか少女にはとんとけんとうもつかぬ
 
  少女は世間を知らぬ無垢な存在だった
 だから少女は不安に駆られるようになる

 少女はこの世とはいかなるものかを知りたいと思うようになる

  少女は淡々とただ長く生きている
 少女の時間的感覚は宇宙的スケールで行われる

 全てのことは長く長く続いて始まりも無ければ終わりもない

 この遍満した世に何も見いだすことができずうずくまることしかできはしない

 少女は自分が無力であると気づいた

 その瞬間から恐れがくる
 今まで感じたことのない無力感

 今まで通りに生きてさえいれば感じることもなかった薄暗い光

  自分は羊になってしまった、、

 ただただ宇宙に取り残されたストレイドッグスに、

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