チートなはぐれ魔王の規格外な学園生活

つくつく

8実力差

「ゴロス!グチャグチャにきる。オデェはつよイィィ」
もうほとんどまともに話せていない。指に付いている鉄の武器がチャキチャキと不気味な音を立てていた。
その様子を見ていたマオは、突然背を向けて走り出した。
え!?嘘?私は?見捨てるのねぇ。
そんな思いが溜まっていく。
しかし、相手はもう私に興味などなく、
「オニィィ、オニィゴッコ!たのじぃぃ」
と言ってマオを追いかけて行った。そのスピードは、とても早いもので生身の人間が出せるスピードではなかった。
そして、一人トイレに取り残されていると、テクテクと言う音が近づいてきた。その音の正体は金色の髪をしたベルと言う名の少女だった。
ベル「今の内に逃げる」
そう言うと、私の手を取り一緒に走ってくれた。

その頃
「アハ、アハハハハハ」
笑い声が後ろから聴こえてくる。とにかく人の少ない場所ならどこでもいい。そう思い、空き教室に入っていく。本当はこんな狭い場所ではなく、地下に行きたかったのだが、今は放課後。
マオ「なんとか試験があるんじゃ人がいるかもしれないしな」
と独り言を呟く。
そのまま中央に行き、後ろを振り返る。
「つギィは、つギィは、き、切る。キッテあソブ」
マオ「悪りぃけど速攻で終わらせる。人が集まってきたら困るしな」
そう言って、指をくいくいっとする。お前から来いと言う意味だが今の状態で伝わるかなと思う。
「アハ。アハハハハハ。ソッコウ?オレェはジャック!つよい。つよい!」
そう言って突っ込んで来る。それはかなりのスピードで人間の中でもかなりの実力者でしか反応できないだろう。しかし、今お前の目の前にいる相手は、人間ではない。魔族だ。それも魔族のトップだ。その自分からしたらお前は。
マオ「遅いな、止まって見えるぞ」
そう言って、足に力を込めて床を蹴る。その際、床が凹みあたりにヒビのようなものが入る。そして、手を伸ばす。
マオ「燃えろ」
そう言うと黒い炎が彼を飲み込む。
「ギャアァァァァァ!!!!」
と叫ぶがそれも一瞬だ。普通の炎などではなく、黒い炎なのだ。火力が桁外れだ。
全てを燃やさないように、すぐに火を消す。それでも丸焦げは免れない。
マオは、その死体を見下ろした。
ーつまらないー
ずっとこれだ。どんな強者でも自分の前では彼と大差ない。自分が本気で戦える相手は一体どれほどいるのだろう。
そう思っていると
ベル「マオー。行くよ」
そう言ってベルが教室に入ってくる。
燃やした犯人をある程度分からなくてするためだろう。それに従い二人は窓から飛び降り脱出した。







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