ビアンカ嬢の波瀾万丈異世界生活っ!!

葵里

お稽古と束の間の安らぎ

あれから、ハロルドもトールも来ていない。少し感情が高ぶって疲れてしまったのか体調を崩してしまったので食事も自室で取っていたためにマーサ以外の人と会っていない。

私も変な期待はやめようと心を落ち着かせるいい期間になったと思う。前世の家族仲も良くなかったので今世は改善したいと思っていたけどダメだったな〜
ついつい、溜息が漏れてしまう。

ハンカチもマーサに頼みに其々それぞれに渡して貰った。また本を読もう。帝国の本も我が国、アネルリアン王国の本も読み、歴史、交易、政治、社交界の本など貴族として身に付けて行かなければならない本は殆ど読んでしまった。

日本でいう18畳ほどもある私の部屋の3分の1は本で埋め尽くされている。現在は外国語の本を読みたいので字の練習をしている。

この国の言語は英語に文法が似ているから、まだ理解しやすい。帝国の言語は、日本語と同じ文法なのだと初めは驚きましたわ。ただ、字がミミズみたいな字で書きづらい事が難点かしら?
もう少し歳を重ねたら身体も少しは強くなると思うのよ!そしたら、ゆっくりでいいから世界を回ってみたいわ。

今日は体調がいいのでマナーレッスンがあるだろう。公爵家の恥にならぬよう身に付けねば。

「お嬢様、先生がいらっしゃいました。」
「ええ、お連れして。」

今日も天気がいいわね。外に出られるかしら…


「お嬢様、本日はレッスンは終了でございます。次回はお茶会のマナーを学びましょう。お嬢様は覚えが早いので教えがいがありますわ。」
「先生、御指導、御鞭撻ごべんたつの程ありがとうございます。次回もよろしくお願い致しますわ。」

授業で習った美しいカーテシーをとると、先生は満足そうに頷かれてお帰りになられました。
少しだけ、少しだけならお外に出ても大丈夫ですわよね?

外はまだ明るく、庭には薔薇の花を中心に美しい花園が形成されている。黄色と緑の薔薇のアーチを潜り抜けアンティーク調の長椅子に座り、背もたれにもたれかかる。手に持っていた茶色い分厚い本は自分の横に置く。

「ふぅっ、ふっ、私は想像以上に身体が鈍っていますわね。少し歩いただけで息が切れてしまうなんて。はぁ、はっ、あの頃の私ではあり得ないわ。」

色取り取りの花を眺め花言葉の本を見ながら調べていく。外が暗くなり冷えるまで彼女は、思う存分久し振りな外の世界を満喫していた。



次回はほかの家族視点から書いていきます。

毎日一頁は更新するよう努めますが、滞りそうな場合は次回更新する日を書いておきますね!

それではadieu ~♪───O(≧∇≦)O────♪

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