女神様の告白を承諾したら異世界転移しました。

年中眠休

女性って女神でも変わらない

俺らは冒険者ギルドの前で待ち合わせする事になった。

と書き置きがあったから。

俺は服を防具スーツしかないのでそれを着た。
使徒になったお陰か3年間寝ていたはずなのに身体が軽い。それでも鈍っているらしいからもっと身体が軽くなるらしい。

えげつない(笑)

俺は家から出た。そして、唖然とした。

「俺の家、デカ!!」

俺の家は屋敷だった。庭も中々広い。

「てか、ここ何処だよ!!」

屋敷の周りには柵があり、その更に外は森が広がっている。俺は門に向かって歩き出した。

ーーーーーーーー
仁さんが中々来ません。まだ寝てるのでしょうか?

「あれ?小雪ちゃんどうしたの私服で」
「フーマさん」

赤い髪に赤い目のお姉さんみたいな人。A級の冒険者で私とのお友達です。この3年間、私は1人で冒険者をしていました。その間に沢山の人に助けられました。彼女はその1人です。

「実は仁さんが目を覚まして今日はその…で、デート」
「えっ!!あの『ジャイアントキリング』が?」
「はい!!」

仁さんの二つ名『ジャイアントキリング』
オーガ単体ではC級の魔獣、つまりはC級の冒険者パーティが相手する魔獣です。それをたった1人で何百体も倒しました。

「悪い遅れた」
「仁さん!!」

ーーーーーーーー
俺がつくと、小雪が年上の女と話してた。

「仁さん、このかたは…」
「そうか。小雪がいつもお世話になってる。俺は一ノ瀬 仁。最近まで寝たきりだったものだ」
「知ってるわ?ジャイアントキリングさん」
「……はっ?!!」
「貴方の二つ名だわ。じゃあね」

フーマさんは小雪に何かを呟いた後、人混みに消えていった。

「もう、フーマさんの意地悪!!」

小雪は真っ赤な顔をして叫んだ

「じゃあ、いくか」
「はい」

俺らも町を歩く事にした。

ーーーー

来たのは、服屋だった。

「似合いますか…仁さん」
「ああ、赤いドレスも合ってるな」
「えへへ、そうですか」

似たような会話をかなりやった。
そして、毎回あの嬉しそうな顔を見ているので全然退屈とは思わない。





と思ってた時期もあった。

かれこれ2時間ほど続いた。
地球の友人が女の買い物は長いと言っていた。こういう事か。

でも、あの嬉しそうな顔に水をさしたくない。
平和的解決方法が分からない。

「仁さん、これはどうですか?」
「えっ?」

俺が小雪の方を振り向くと

「………。」
「仁さん?」
「可愛い」


俺は小雪以外、何も視界に入らなくなった。彼女が着ていたのは白と水色のグラレーションの着物だった。
そして、髪飾りに雪の結晶。

俺はその言葉しか言えなかった。

見惚れること三分ほどでやっと口が開いた。
小雪は心配そうに俺を見つめていた。

「よく似合ってるよ。さっきの物よりも何倍も」
「そうですか!!」 

俺はすぐ着物を買った。

ここでは貴重なものらしく、いい値段がしたが仕方がない。店を出て、人が賑わう場所に向かった。

「仁さん?」
「迷子になったら困るだろ」

俺は小雪の手を握った。

まるで騎士が姫の手を取るように。

小雪は俯くことしかしなかった。




夜になった。

綺麗な満月が見える。

「いっらしゃいませ。2名様でよろしいでしょうか」
「ああ」

俺は和風料亭みたいな場所に入った。

縁側に襖、まさに古き良き日本の屋敷としか思えなかった。庭には唐竹がコトンと音を鳴らしている。

「小雪は何を食べる?」

小雪は着物ままでこことよくあっている。

「私は仁さんと同じもので」
「分かったこの刺身定食の梅か」

お品書きには値段は書いていないが確実に高いだろう。

運ばれてきた梅は魚の活け造りだった。

「まさか」

ここは松竹梅で梅の方が高いパターンでは無いだろうか?

「まぁいいか」

俺は3年前のオーガ退治での貢献で屋敷と100万エルの金を手に入れた。

俺は刺身定食を食べた。醤油もあり、わさびもありすごく嬉しかった。1番は小雪の幸せそうな顔を見た事だ。

「仁さん?」
「なんだ?」
「私は仁さんは私の事は好きですか?」
「どうしたんだ急に」
「仁さんは私に可愛いいとか褒めてはくれますがまだ一言も好きと言ってくれてません」

小雪は悲しい顔をしていた。

彼女も一介の女性なんだな。

男は言わなくても相手に伝わると思っているとよく言ったものだ。まさに今の俺じゃないか。言わなくちゃ相手には伝わらない。

「好きだ。俺は君の事が好きだ」
「何処が好きですか?」
「全部」
「もっと具体的に言ってください」

小雪の顔はまだ晴れない。

「強いて言うなら、小雪だから。まるで雪の結晶の様に繊細で触れば溶けていなくなってしまいそうな。自然と守りたくなる。

    君の可愛らしい笑顔といつものクールな顔を
だから、小雪…。いま、涙を流さないでくれ。」
「むりでず。うれじくて涙がとまらないっっ!!!」

俺は机越しに小雪の唇を奪った。




読んでくださった方ありがとうございます。

好きという言葉を仁に言わせない為に苦労しました。
この場面の為に残せたー。

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コメント

  • 伊予二名

    この三年で小雪さんに懸想しているかませ犬共が一杯出てきそうで+(0゚・∀・) + ワクテカ + が止まりませんね

    1
  • ペンギン

    そこは計算されてたんですね...w

    1
  • 火野目 燐助

    ファーストキスはわさび醤油の味

    10
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