村人が世界最強だと嫌われるらしい
理不尽な戦争 6
翌朝、念の為警戒を怠らずに防御結界陣を発動させたままいると、ようやく目が覚めたルノ達が起き上がる。
彼女らは、宿が壊されている事に最初は驚き、何があったのかを聞かれたため、烈毅は大雑把に説明した。
「じゃあ、もしかしたらベルム国と戦争が起こるってこと?」
「まだ分からん。奴らは俺を殺すのがメインだと思うから、ベルム国対メルクリア国っていうのは多分無い」
「そう……。このままっ……てわけにはいかないわよね」
「このままは絶対にない。何かしらちょっかいをかけてくると思う。それに、今は大人しくしてるけど、他の国も俺を狙って来るかもしれない。一番最悪なのは、他の国が共同して攻めてくることだ」
「烈毅なら平気でしょ!」
「限度がある。俺だって体力が無限にあるわけじゃない。もしかしたら死ぬかもしれない」
いくらユニークスキルの"不滅"があるとは言え、内容は『消えない』の四文字だけ。この意味をどう捉えていいかは、烈毅には分かりかねていた。
「ま、そうなったら私も一緒に戦うわ。だって、仲間だものね?」
「ナーシェ……」
「私もよ? それに、ルノも、レーナもね?」
ルノとレーナは力強く頷く。
「お前ら……俺は本当にいい弟子を持った」
本当に最悪の状況に陥った時は、四人を連れてファイアの所まで逃げるつもりだ。理由は簡単で、まずはドラゴンが敵、いうだけで相手の動きを抑えることができる。もう一つは、もしその場が占領されたとしても、ファイアの背中に乗って空を飛んで逃げられる。
これだけの利点があると理解しているため、今はそこまで焦ってはいない。ただ、もしもベルム国が烈毅ではなく、メルクリア国事態を攻めてくるとなると話は変わる。
メルクリア国は一人で守るには広すぎる。というより、一人で守りきるという考え方事態が間違っている。しかも、相手の戦力は、予想ではあるが把握している。
烈毅も馬鹿ではないし、自分の力を過信もしていない。どこまでできて何が出来ないのかは分かっている。
さらに、ここに魔族という存在も加わるとなると、滅茶苦茶めんどくさいことになる。
烈毅は、先を見通しながらため息をつく。これだけの難関が待っているとなると、考えるだけで目眩がしてくる。
烈毅は、壊された宿を早急に立て直し、真新しい宿が完成する。少し古い建物ばかりが立ち並ぶこの町では、少し目立ちすぎてしまう。が、それはそれで良いだろう。
烈毅は、もうこれ以上ここには迷惑をかけられないため、すぐに町を抜け、新たな町を探しに行く。
だが、ここまで転々としながらも、何故位置が割れたのかは烈毅にはわからなかった。
もしかしたら、次に行くところも見られているのでは。そんな疑念が烈毅の頭を圧迫する。
すると、難しい顔をしていた烈毅に、レーナが方を揺さぶって話しかけてくる。
「ちょっと、難しい顔しながら歩いてると、なんだか心配になるんだけど?」
嫌味ったらしくレーナは言う。
「……すまん。少し考え事をな」
「はぁ……あんたの人生って、考えてばかりで楽しくなさそうね」
「そう? 俺は楽しいけど……」
「そうじゃなくて、私達がいる前では、あまり難しい顔をしないでって言ってるの。みんな心配しちゃって話しかけられないでしょ」
「いや、俺のことなんてほっといても……」
「あんたほんっとに馬鹿ね。みんなあんたと話したくても話せないって言ってるの! だけど、あんたが他の事を考えて、少し薄暗い雰囲気でいると、私達が何か悪かったのかなとか思っちゃうの!」
レーナの言ってることは、実はみんな思っていた事なのだ。長年一緒にいるルノでさえも、そう感じていた。
「…………そうだな。今回は、いや、今までは俺が悪かった。許してくれ。次からは気をつける」
「言ったからね! 絶対嘘は付かないでよね!」
「ああ、約束するよ」
烈毅はニッコリ微笑む。すると、レーナは何故か顔を赤くしながら視線を逸らし、正面を向いてドスドス歩いて行く。
「や、約束だからね!」
「なんで怒ってるんだ?」
レーナ以外の三人は口を抑えて笑いを堪える。それを見たレーナは、さらに顔が赤くなり、頭から湯気が出そう程になる。
「まぁいっか! よし! ほいじゃ、次に行くところを決めますか! どこがいい?」
「はーいはーい! 私、デーク町行きたい!」
「デーク!? あそこ寒いから嫌なんだけど……それに遠いし」
「烈毅に拒否権なーし! 行くぞぉー!」
「「「おぉー!」」」
「はぁ……こいつら絶対デーク入った瞬間帰りたいとか言いそう」
彼女らは、宿が壊されている事に最初は驚き、何があったのかを聞かれたため、烈毅は大雑把に説明した。
「じゃあ、もしかしたらベルム国と戦争が起こるってこと?」
「まだ分からん。奴らは俺を殺すのがメインだと思うから、ベルム国対メルクリア国っていうのは多分無い」
「そう……。このままっ……てわけにはいかないわよね」
「このままは絶対にない。何かしらちょっかいをかけてくると思う。それに、今は大人しくしてるけど、他の国も俺を狙って来るかもしれない。一番最悪なのは、他の国が共同して攻めてくることだ」
「烈毅なら平気でしょ!」
「限度がある。俺だって体力が無限にあるわけじゃない。もしかしたら死ぬかもしれない」
いくらユニークスキルの"不滅"があるとは言え、内容は『消えない』の四文字だけ。この意味をどう捉えていいかは、烈毅には分かりかねていた。
「ま、そうなったら私も一緒に戦うわ。だって、仲間だものね?」
「ナーシェ……」
「私もよ? それに、ルノも、レーナもね?」
ルノとレーナは力強く頷く。
「お前ら……俺は本当にいい弟子を持った」
本当に最悪の状況に陥った時は、四人を連れてファイアの所まで逃げるつもりだ。理由は簡単で、まずはドラゴンが敵、いうだけで相手の動きを抑えることができる。もう一つは、もしその場が占領されたとしても、ファイアの背中に乗って空を飛んで逃げられる。
これだけの利点があると理解しているため、今はそこまで焦ってはいない。ただ、もしもベルム国が烈毅ではなく、メルクリア国事態を攻めてくるとなると話は変わる。
メルクリア国は一人で守るには広すぎる。というより、一人で守りきるという考え方事態が間違っている。しかも、相手の戦力は、予想ではあるが把握している。
烈毅も馬鹿ではないし、自分の力を過信もしていない。どこまでできて何が出来ないのかは分かっている。
さらに、ここに魔族という存在も加わるとなると、滅茶苦茶めんどくさいことになる。
烈毅は、先を見通しながらため息をつく。これだけの難関が待っているとなると、考えるだけで目眩がしてくる。
烈毅は、壊された宿を早急に立て直し、真新しい宿が完成する。少し古い建物ばかりが立ち並ぶこの町では、少し目立ちすぎてしまう。が、それはそれで良いだろう。
烈毅は、もうこれ以上ここには迷惑をかけられないため、すぐに町を抜け、新たな町を探しに行く。
だが、ここまで転々としながらも、何故位置が割れたのかは烈毅にはわからなかった。
もしかしたら、次に行くところも見られているのでは。そんな疑念が烈毅の頭を圧迫する。
すると、難しい顔をしていた烈毅に、レーナが方を揺さぶって話しかけてくる。
「ちょっと、難しい顔しながら歩いてると、なんだか心配になるんだけど?」
嫌味ったらしくレーナは言う。
「……すまん。少し考え事をな」
「はぁ……あんたの人生って、考えてばかりで楽しくなさそうね」
「そう? 俺は楽しいけど……」
「そうじゃなくて、私達がいる前では、あまり難しい顔をしないでって言ってるの。みんな心配しちゃって話しかけられないでしょ」
「いや、俺のことなんてほっといても……」
「あんたほんっとに馬鹿ね。みんなあんたと話したくても話せないって言ってるの! だけど、あんたが他の事を考えて、少し薄暗い雰囲気でいると、私達が何か悪かったのかなとか思っちゃうの!」
レーナの言ってることは、実はみんな思っていた事なのだ。長年一緒にいるルノでさえも、そう感じていた。
「…………そうだな。今回は、いや、今までは俺が悪かった。許してくれ。次からは気をつける」
「言ったからね! 絶対嘘は付かないでよね!」
「ああ、約束するよ」
烈毅はニッコリ微笑む。すると、レーナは何故か顔を赤くしながら視線を逸らし、正面を向いてドスドス歩いて行く。
「や、約束だからね!」
「なんで怒ってるんだ?」
レーナ以外の三人は口を抑えて笑いを堪える。それを見たレーナは、さらに顔が赤くなり、頭から湯気が出そう程になる。
「まぁいっか! よし! ほいじゃ、次に行くところを決めますか! どこがいい?」
「はーいはーい! 私、デーク町行きたい!」
「デーク!? あそこ寒いから嫌なんだけど……それに遠いし」
「烈毅に拒否権なーし! 行くぞぉー!」
「「「おぉー!」」」
「はぁ……こいつら絶対デーク入った瞬間帰りたいとか言いそう」
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