血染めの館

天邪鬼

かなめ編第4話

 先程の謎の人物の言葉に疑問を抱きながらも、部屋の探索を再開する。
「この日記が館の謎を解く鍵になるはずなんだ。どこかに切れ端は…」
目を皿にしてそこらじゅうを探す。しかしながら見当たらない。
「う~ん、この部屋にはないのか?ていうか、どのくらい時間が経ったんだ?」
気になって腕時計を見る。館の中に入ってから既に1時間は経過しているはずだ。しかし、時計は0時を指したまま動いていなかった。
「ん?電池切れか?」
そう思いケータイを取り出す。
「え…なんで」
ケータイに表示されている時間も0時のままだった。
「嘘だろ…と、とりあえずにも達に連絡しないと…!」
にものケータイに発信するも繋がらない。
「クソっなんで繋がらないんだ!!」
ケータイには「圏外」と表示されていた。時間は止まり、連絡も繋がらない。
「これが、あいつが言っていた主人の呪いなのか?」
その時、暖炉の中から何かが光って見えた。近づき、中を覗くと、小さな鍵が出てきた。大きさからして、扉の鍵ではなさそうだ。
「どこの鍵だ?てか、なんで気づかなかったんだろう。」
もしかしたら、部屋にまだ見落としがあるかもしれない。そう思い部屋をさらに見回す。
「ん?あれは…オルゴールか?」
扉の横に小さな棚のようなものがあった。その中にオルゴールのような小箱が入っている。近づいて箱を開けると、やっぱりオルゴールだった。
「しかしネジがないな。」
ここにはもう何もなさそうなので、再びキッチンに戻る。何か手がかりがないか。見落としがないか。
この先で見つかるものが絶望とも知らずに。

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