天下界の無信仰者(イレギュラー)
デュエット・モード神愛VS天羽長ミカエル!
お待たせしました。慈愛連立編再開していきます。
  元号の令和が発表され新しい時代が始まりました。令和になってからもよろしくお願いします。
  またコメントやいいねもぜひぜひお願いします。作者のモチベーションにも繋がりますし数が多いと見栄えがよくなり他の読者にも見てもらえるようになります。「コメントを書くのはちょっとな〜」ていう人はいいねだけでもいいのでぜひ押していってください。
  それではこれからもよろしくお願いします!
・・・・・・・・・・・・・・・・
  二千年の時を経て、孤高なる想いが今、結実する。
巨大な闇が広がっていた。
果てのない宇宙の中にあって、ここは数万光年という範囲においてなにもない場所だった。あるのは虚無だけであり物音一つしない静寂がここのすべてだ。
ただ、そんな場所にも光はある。闇を穿つ星光の煌きがある。見渡せば数えきれないほどの光点が闇を照らしている。数々の神秘的な輝きは宝石のようで、白く、赤く、中には青いものもある。この過酷な環境の中にあって輝き続ける無数の光たちだ。
その光はどれほどの距離を経てここにたどり着いたのか。数十万年、中には数億年を経たものもあるだろう。
それだけの距離と時間をかけてそれは届いた。彼方の光は暗闇を突き進み、長い旅路の果てに観測点にたどり着いた。
その壮大なドラマに、人はしばし想いを重ねる。
届かないものなどない。輝けないものなどない。
どれだけ時間がかかっても。どれほど広大な闇に覆われても。
かれらの光は美しい。冷酷なる闇の中で光を発する者は美しい。無限の闇に包まれてなお主張する活動の鼓動には万人を魅了する強さがある。
世界とは、宇宙とは、そも初めから過酷なものだ。
だがそれでも、そこで輝くものがある。そしてそれは人も同じだ。
宇宙空間に神愛とミカエルはいた。三次元たる空間を一瞬で跳躍し、彼らは原初の空間へと転移していた。
数多の星屑の輝きに混じり二人は対峙している。ミカエルは八枚の翼を広げた。その神々しさ。彼の服装は普段のそれではなく鎧をまとっている。白銀を身にまとい腰には剣が差してある。純白の羽が広がる姿は神話のように輝き存在感は天体と比べてもまるで劣っていない。
「ようやく前に出てきたな。初めて会った時からお前はぶちのめしたくて仕方がなかったよ」
「ふっ、言いよる」
神愛からの挑発にミカエルは邪悪な笑みを浮かべた。星々を背景にミカエルは立ち神愛を見下ろしている。
「イレギュラー。君は出会ったときから目障りだったよ。ああ、まったく残念だ。私の計画を、よりにもよってこのような子供に邪魔されるとはね。なるほど、蟻の一穴というやつか。私としたことが見落としていたよ。残念残念、あまりに小さくて目に入らくてね。だがそれも止む無しだろ? しょせんは虫けら、いちいち気に留めておくことはしない」
「言ってくれるぜ」
返される罵声に神愛は不敵に笑う。神愛も自身の口が悪いという自覚はあるがミカエルには及ばない。まるで詐欺師と批評家の子供みたいだ。
「お前にとって、みなが虫けらか?」
「進歩しない、という意味ではそうなるのかな」
まるではるか高見からの物言いだ。人の歴史を二千年見続けてきたかのような言いぐさだ。
「お前たちは変わらない。いったいどれだけの時間を無駄に消費すれば気が済むんだ? 繰り返される争いと悲劇に涙を流し、積み上げる屍でなにを買った? 一時の平穏と新たな戦いか? よくも飽きもせず続けられるものだ。それともアホなのか? どれほどの痛みを刻もうと時間が経てば忘れてしまう。認知機能に支障をきたした老人だな。ようはお前らは死にかけなんだよ。誰かが介護しなければならない。そういうことさ」
人では望む世界を作れない。自分たちで求めようとも自分たちで崩してしまう。愚かしいにもほどがある。だが、だからこそ助けがいるのだ。それがミカエルが抱く人類の評価だった。
「お前たちでは自立できない。人類だけでは無理なんだ」
誰かが手を差し伸べなければならない。誰かがやらねばならない。
人類の救済を。
平和の実現を。
そのために、これまでを突き進んできた。
「夢の終わり? 俺の未来だと?」
たとえどのような困難であろうとも。どれだけ深い闇であろうとも、彼の信念は迷うことなく歩み続けていた。多くの時間が流れても風化することなく、情熱は、未だ消えていない。
その想いが叫ぶのだ。実現すべきだと。それが今だと。
歓喜せよ。歓喜せよ。二千年前の使命と名誉を果たす時だ。
それを邪魔するものは何者であろうとも認めない。
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巨大な闇が広がっていた。
果てのない宇宙の中にあって、ここは数万光年という範囲においてなにもない場所だった。あるのは虚無だけであり物音一つしない静寂がここのすべてだ。
ただ、そんな場所にも光はある。闇を穿つ星光の煌きがある。見渡せば数えきれないほどの光点が闇を照らしている。数々の神秘的な輝きは宝石のようで、白く、赤く、中には青いものもある。この過酷な環境の中にあって輝き続ける無数の光たちだ。
その光はどれほどの距離を経てここにたどり着いたのか。数十万年、中には数億年を経たものもあるだろう。
それだけの距離と時間をかけてそれは届いた。彼方の光は暗闇を突き進み、長い旅路の果てに観測点にたどり着いた。
その壮大なドラマに、人はしばし想いを重ねる。
届かないものなどない。輝けないものなどない。
どれだけ時間がかかっても。どれほど広大な闇に覆われても。
かれらの光は美しい。冷酷なる闇の中で光を発する者は美しい。無限の闇に包まれてなお主張する活動の鼓動には万人を魅了する強さがある。
世界とは、宇宙とは、そも初めから過酷なものだ。
だがそれでも、そこで輝くものがある。そしてそれは人も同じだ。
宇宙空間に神愛とミカエルはいた。三次元たる空間を一瞬で跳躍し、彼らは原初の空間へと転移していた。
数多の星屑の輝きに混じり二人は対峙している。ミカエルは八枚の翼を広げた。その神々しさ。彼の服装は普段のそれではなく鎧をまとっている。白銀を身にまとい腰には剣が差してある。純白の羽が広がる姿は神話のように輝き存在感は天体と比べてもまるで劣っていない。
「ようやく前に出てきたな。初めて会った時からお前はぶちのめしたくて仕方がなかったよ」
「ふっ、言いよる」
神愛からの挑発にミカエルは邪悪な笑みを浮かべた。星々を背景にミカエルは立ち神愛を見下ろしている。
「イレギュラー。君は出会ったときから目障りだったよ。ああ、まったく残念だ。私の計画を、よりにもよってこのような子供に邪魔されるとはね。なるほど、蟻の一穴というやつか。私としたことが見落としていたよ。残念残念、あまりに小さくて目に入らくてね。だがそれも止む無しだろ? しょせんは虫けら、いちいち気に留めておくことはしない」
「言ってくれるぜ」
返される罵声に神愛は不敵に笑う。神愛も自身の口が悪いという自覚はあるがミカエルには及ばない。まるで詐欺師と批評家の子供みたいだ。
「お前にとって、みなが虫けらか?」
「進歩しない、という意味ではそうなるのかな」
まるではるか高見からの物言いだ。人の歴史を二千年見続けてきたかのような言いぐさだ。
「お前たちは変わらない。いったいどれだけの時間を無駄に消費すれば気が済むんだ? 繰り返される争いと悲劇に涙を流し、積み上げる屍でなにを買った? 一時の平穏と新たな戦いか? よくも飽きもせず続けられるものだ。それともアホなのか? どれほどの痛みを刻もうと時間が経てば忘れてしまう。認知機能に支障をきたした老人だな。ようはお前らは死にかけなんだよ。誰かが介護しなければならない。そういうことさ」
人では望む世界を作れない。自分たちで求めようとも自分たちで崩してしまう。愚かしいにもほどがある。だが、だからこそ助けがいるのだ。それがミカエルが抱く人類の評価だった。
「お前たちでは自立できない。人類だけでは無理なんだ」
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