神様はチートはくれないけど元々俺のステータスはチートだった

おねむねむねむのきょう

大会編 二章 大会予選11

「落ちこぼれ?どういうことだ?」
魔術は魔力の消費コストも少なく、詠唱も式を唱えるだけ、魔術より魔法の方が発展しているのが不思議なくらいだ。
「魔術はな、何十年か前にいた預言者プロフェットってしゆう部族が作ったんだ。預言者プロフェットまたの名を落ちこぼれ。そいつらは謎だらけの部族なんだが魔法適正がなかったらしいんだ。だから戦争で真っ先に犠牲になった。そこから落ちこぼれがなる魔術士って呼ばれた。他にも魔術士は早死にするとか、とにかく嫌われてるんだ」
「なるほど、だから魔術師はあんまり見かけなかったのか」
実際Aクラスには魔術師がカルラしかいない。
すると、グリッグが少し俯いた。
「まだ、引きずってんのかよ。いい加減立ち直れよ」
グリッグがボソッと呟いた。
「何か言ったか?」
「いや、こっちの話だ」
グリッグは誤魔化したがこれはカルラの過去に何かあったな。
色々面倒な事に繋がりそうだが、今は試合だ。
「ふん、あなたがいくら力を出したところで私には勝てない」
1時は退いたサヴァンだったが、再び魔法の詠唱を始めようと口を開いた。
その刹那
さっきまでカルラがいたはずの場所には彼女はおらず、右手に光の刀を握った状態でサヴァンの目の前にいた。
「な!」
慌てて一歩下がりナイフを取り出そうとしたがそれより早くサヴァンの腕は切りつけられていた。
サヴァンの腕は繋がってはいるものの、深く傷が付いており、赤い血が溢れ出している。
もしサヴァンが躱そうとしなければ腕が飛んでいっただろう。
「くっ!闇結界ダークシールド
サヴァンが無詠唱で魔法を発動する。直後黒い壁がカルラとサヴァンを隔てる様に現れた。
回復ヒール
サヴァンは切られた腕を抑えながら回復魔法を発動する。
傷付いたところが輝き、少しづつ傷を癒していった。
「カルラ、あんなに強かったのか」
今のは魔術を無詠唱で発動したのか?そんな技聴いたことないぞ。
だが、必ず何か使っている。でないとあの速さと力、光の刀。刀?
何故刀がここにあるんだ。
謎すぎる。
「ヤバイな。流石に今のカルラは敵を殺しかけない。はやく中止させた方がいい」
グリッグはやけに冷静だな。何か対処法があるのか?
フォッグ
サヴァンが呟いた。
直後会場は霧に包まれ、サヴァンは霧に隠れる。ハズだった。
霧が姿を現し始めた瞬間霧が消えた。
「何をした!」
サヴァンがカルラを睨みつける。
対するカルラは冷ややかに笑う。
「魔術でかき消した。と言ったら?」
何を言っているのか理解できずサヴァンは固まった。
「馬鹿な。そんな事できるハズない。魔法どうしの相殺でさえできないと言われていた。それを魔術でだと!」
先程までの冷静な顔が嘘のように冷や汗をダラダラと垂らし、驚きと恐怖に染まっており、生まれたての子鹿のようにガクガクと体を震えさせている。
これには、流石のグリッグも驚いたようで隣で口をパクパクと動かしている。
「魔術を馬鹿にする奴は許さない。でも、私は争いは嫌いな方。だから負けを認めたら?」
サヴァンは腰を床につけ、怯えた瞳でカルラを見つめた。
しかし、数秒経っても何も言わないため、どんどんと殺気を強めていく。
もし、魔法を使おうものならカルラの持つ光の刀がサヴァンを襲うだろう。
殺気に耐えられず遂にサヴァンが口を開いた。
「こ、降参よ」
「カルラ選手の勝利!」
ウェンデルがカルラの勝利を言い渡すとカルラは殺気を解き、こちらへゆっくりと戻ってきた。
「す、凄かったな」
グリッグがカルラに恥ずかしいそうに伝える。
すると先程までの殺気が嘘のように穏やかな顔で笑った。
「ありがとな」
しかし、グリッグはハッと息をもらし、明らかに煽るようにこう言った。
「でも…何が争いは嫌いな方だ?いつも殴ってくるくせに!」
 ゴフッ!
カルラは眉間にしわを寄せると、グリッグに一発ぶち込んだ。
「何しゃがんだコラ!」
いつも通り喧嘩が始まった。






どうも、作者です。
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皆さまありがとうございます。
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