こんな俺でも恋をする

白葉南瓜

新しい力

ドーンドーンと空の上で花が咲く様に光る花火が見えた。それは今日、祭りで花火が打ち上がって居るからだ。
「そうか、今日からか」
俺は花火大会の日の事を思い出して一言そう漏らした。
ニュースでは毎晩不可解な死を遂げている死体があると報道されていた。その原因は紛れもなく俺の仕業である。
「早く、来いよ。鈴」
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私は、椿さんの真実を知った後、家路について歩いていた。その時、不意に空を見上げると爆音と共に向こうの空が赤色やオレンジ色に光っていた。
「あ、今日、花火大会か…」
私は昔の思い出を懐かしく振り返ってそのまま歩いて家に帰った。
家に着くと、いつも通りに鍵を開けて部屋に入っていった。
今日は色々あったから何時もは少し涼んでからお風呂に入るが今日は涼む前にそそくさと脱衣所へ向かった。
何時も私は、頭、顔、身体という順番で洗って湯船に浸かっているのだが今日はシャワーで流してからすぐに湯船に浸かった。
「ふー、疲れた」
私はさっき起きていたことについて頭の中で処理していた。
椿さんは昔の英雄で、信くんの事を知っている。
「はぁー」
ザバァ〜と湯船からお湯が出て行く音が響いた。


お風呂から出て携帯を見ると一件のメッセージが届いていた。
『こんばんわ、さっきぶりだね。明日から君のことを特訓しろと言われちゃってね、て言うことで明日から長期休暇でしょ?暇な時だけでいいから来てねー』
椿さんからメッセージが来ていた。
私は長期休暇中は大抵暇なので全部行くはめになるな。


椿さんに、言われた通りにゼロに来て白い部屋で待っててと言われたので行ったらスク水の様なピチッとした服に着替えさせられた。
「お待たせー、早速始めようか」
そう言うと椿さんは刀を帯びて白い部屋に入っていった。
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「じゃー、初めにどこまでいけるか見してくれる?」
そう言われてから利き手である左手に能力を集中させた。
そうすると少しだけ違和感を感じたがすぐに引いていった。
「ありがとう、そこまででいいよ」
「何かわかりましたか?」
椿さんは刀を抜刀して刃をこちらに向けて来た。
「これを折るように殴ってくれるかな?」
指示があったように左手を振りかぶって殴った。
刀は粉砕しなかったがへし曲がった。
「何で、完璧に折れないんですか!」
「それは、君は手加減してたからだよ?少し違和感があった?」
「はい、少し肩に違和感が…」
「あー、そっかー。色々と調べる必要があるね」
椿さんは私の肩を触って調べていたが、困った顔をして俯いていた。
「左肩に能力を回さずに拳だけに力を込めて」
言われた通りにやると左手に何か変な籠手の様なものが出来た。
「へー、それが鈴ちゃんの派生能力か。それでやっとこ信と戦えるスタートラインに立てたな」
私は派生能力と言われて話についていけてないので頭の上にハテナを三つ浮かばしていた。
「あ、派生能力ってのは、能力の真の姿みたいなものだよ」
椿さんは喜んでいる表情で言っていた。

これでやっとこ戦える。

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