勇者になれなかった俺は異世界で

倉田フラト

頭の可笑しい子

 昨日なんとなくだが計画を考えたのにも関わらず、それは無駄になってしまった。
 本当は嬉しい事なのだがポチの一緒に依頼を受けれる日が遠くなってしまうのだ。
 まぁ、こっちも早く解決した方がポチの為にもなるから良いのだが……
 つまり、何が起きたのかと言うと依頼を受けてくれる人が現れたのだ。

 依頼主ソラ

 依頼内容
 高位の状態異常を解くことが出来る者を募集

 報酬
 働きに応じて
 最低でも金貨は保証

 こんな簡単に書かれている依頼でも受けてくれる人はいるのだ。優しい世界!
 冒険者ギルドのカウンターの奥にある待合室で自分で出した依頼の紙を見ながらそんな事を思った。

「ユリさんユリさん」

「なんですか?」

 待合室には俺とユリさんがいる。もう少ししたら依頼を受けてくれた人が来るらしい。
 高位の状態異常を解く事が出来るのかどうか確かめる為にポチが必要なのだが、
 残念ながらポチはお留守番なのだ。出来るのならば場所を変えて宿にしたいのだが。

「ポチがちょっと宿から出れない状態なんだよね
 だから、出来たら場所を移動したいなって思うんだけど」

「ん~そうですか。一応可能ですが相手の返事を聞かないといけないですよ。
 それと、依頼関係はギルド関係者がいないとダメなので私も同伴しますがよろしいですか?」

「うん、大丈夫!」

 無事怒ったら恐ろしいユリさんの許可を取る事が出来た。
 後は依頼を受けてくれた人を待つのみだ。

「そういえば、昨日アサフさんの様子がおかしかったのですが、
 ソラ君何か知っていたりしませんよね?」

「おかしかったの?」

 そういえば昨日アサフさんが俺を探していたのに放置してしまったんだった……

「はい、勇者さん達を連れてきたのにも驚きましたが、
 その後に高難易度の依頼を受けようとしたんですよ。幾ら勇者とはいえ、
 冒険者ギルドに登録もせずに最低ランクSの依頼を受けるのは許されない事です。
 そんなことぐらい分かっているはずなのですが……昨日は諦めて帰っていきましたけど、
 何かアサフさんなのに彼ではない様に感じたんです」

 おいおいおい、幾ら勇者とはいえ大した戦術も覚えてないのに
 そんな高難易度依頼に連れて行こうとするなんてアサフさんは何を考えているんだ!
 と、前までの俺ならそう思っていただろう。だが、今の俺はそんな事思うことは無い。
 恐らくだが、洗脳されているから、だからだ。

「何か焦ってるのかな?」

「そう見えましたね。急いでレベルを上げたいとも言ってましたし」

「そっか、きっと魔王を倒したくて仕方ないんだよ」

 (神様が)魔王を倒したくて仕方がないんだよ。

「そうなんでしょうか……なんか嫌な予感がします」

 その嫌な予感は当たっている。流石受付嬢だ。
 冒険者のそういった変化が分かると言う事は日ごろからしっかりと
 相手の事を思って接していると言う事だ。

――コンコンコン

「あっ、来ましたね。入っていいですよー」

 やっと到着した様だ。どんな人なのかワクワクしながら扉が開かれるのを待ち、
 ついに開かれその容姿が明らかになる――

「なんだよ、依頼主って子どもかよ。折角良い仕事だと思ったのにがっかりだぜ」

 見た目は俺よりも身長は高く、割とガッチリとした身体。
 それでもやはり幼い。綺麗な瞳をして幼い顔つきとか声変わりしていないところとか。
 こんな子供が高位の状態異常を解けるのだろうか。
 不安になった俺は魔眼を発動させる。

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ギル

Lv24
体力:50
魔力:10,500
攻撃力:1
防御力:3
素早さ:100
運:30

回復ヒールLvMAX

状態異常耐性LvMAX

解毒LvMAX

状態異常回復LvMAX

魔力回復LvMAX

攻撃力上昇LvMAX

防御力上昇LvMAX

説明はいらないでしょう。頭の可笑しい子です。
恐らく親か師匠が凄い方なのでしょうね。この若さでこれほどのスキルは凄いです。
頭の可笑しい子が頭の可笑しい子の依頼を受けちゃいました。
ははははあははぁ、どうなることやら
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 かなり偏っているが、かなりの力があるようだ。

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