勇者になれなかった俺は異世界で

倉田フラト

ポチの淫行

「ポチさんやい、怒ってるのか?」

「さぁな……」

「……」

 これは怒っていると捉えてもよろしいだろう。
 別に好きで遅くなった訳では無いが、
 理由が何であれポチを待たせたと言う事実は変わりないのだから
 やはり此処は素直に謝っておいた方が良いだろう。

「その、ごめんなさい」

「何がだ?」

「帰るのが遅くなった事?」

「ふっ、そうか」

「……」

 あれぇ~可笑しいなぁ何故かもっと不機嫌になった様な気がするぞ。
 ポチは鼻で笑いふんとそっぽを向いてしまった。
 どうやら帰りが遅くて怒っている訳ではなさそうだ。
 なら、何が原因でポチは怒っているのだろうか……全く分からない。

 服を買いに行くのは今日ではないし、ポチがお土産を期待していたとも考えにくい。
 俺は怒りの原因が全く分からず頭を抱え込みながらベットの上でゴロゴロする。
 その際にチラリと横目でポチの事を見てみると、先ほどはそっぽを向いてしまったポチだが、
 何故だか此方の事をジーとみていた。睨みつけているとかではなく寧ろ熱い視線を感じる。

 正直に言おう、滅茶苦茶怖い。
 まだ睨まれたり獲物を捕らえたような眼つきになっているのならば納得できるのだが、
 何故、熱い視線を送ってきているのか。一体何を企んでいるのか。

「と、といれ……」

 取り敢えずその視線から逃れる為にトイレに逃げ込む。
 移動する際も熱い視線を感じていた。
 トイレの中に入り直ぐに鍵を閉める。

 ポチ、どうしたんだろう……なんか変な物でも食べたのかな?
 原因が分からない以上どうする事も出来ないし、此処は時間が解決してくれるのを待とう。
 何時も以上にゆっくりとトイレを済ませてから恐る恐る出て行くと、
 やはりポチの視線がジーと付きまとって来る。

 非常に恐ろしいのだが、手を出してくる様子は無いので今のところは問題ないだろう。
 だが、万が一の為に何時でも身体強化を発動できる心構えだけはしておく。
 ……構えていたのだが、数時間たっても何の進展も無かった。
 このポチの視線は単なる嫌がらせの一種なのかと疑い始める。

「なぁ、ポチさんやい」

「なんだ」

「なんか言いたい事あったら言っておくれよ」

 流石に数時間もこの状態が続いては非常に居心地が悪い。
 まさか明日もこんな状況が続くのではないかと考えただけで震えてしまうので
 取り敢えず言いたいことがあったら言ってもらいたいと思いそう声を掛けてみた。

「そうだな、ではさっさと風呂に入ってくるが良い」

「ん?風呂……ああ、もうそんな時間なんだ」

 いきなり風呂に入れと言われてしまい、一瞬、そんなに臭いのかと思ったのだが、
 時間を見てみると結構良い時間になっていた。
 何時もなら風呂に入っている時間なのでそれをわざわざ知らせてくれたポチ。
 やはり怒ってはいないのだろう。そう思いながら着替えとバスタオルを持って風呂場に向かう。

 ささっと服を脱ぎ捨てお風呂に入る。
 既にポチさんが準備してくれていた様で温かいお湯がはられている。

「ふぃ~」

 久しぶりのお風呂に身体が物凄く喜んでいる様に感じ、
 ゆっくりと浸かり、洗うところは全て洗ってから風呂場から出る。

「あら?」

 タオルは置いてあるのだが、何故か着替えの執事服が無くなっていた。
 あれ?確かに此処に置いたはずなんだけどな……気のせいだったのかな。
 そんな事を思いながら身体を拭いて髪の毛の水を拭きながら着替えを探しに行く。
 当然、その先にはポチがいるのだが何度も互いに裸を見合っている為別に恥ずかしくは無い。

「んん?」

 堂々と向かったのは良いのだが、何故だか二つのベットが一つになっていた。
 正確には二つのベットをくっつけて一つにしているのだ。
 目の前に広がるのは巨大なベットだが、そこにはポチの姿は無かった。
 周りを見渡してみてもポチの姿は見えない。

「ポチさん?」

 まさか、嫌気が指して逃げてしまったのだろうか。と言う不安が一瞬過ったのだが、
 直ぐに背後からポチの気配を感じ、その不安は消え去った。

「驚かせるなよポ――っ!?」

 ポチの手によって口が塞がれ言葉が遮られてしまった。
 もう片方で身体を包みこまれ、軽く拘束されている状態だ。
 それもかなりの力で抑えられている為抜け出すにも抜け出せない。

「んんん!?(ポチ何してるの!?)」

 当然言葉を発することなど不可能であり、
 俺はそのままベットのある方向へと押されて行きやがて押し倒されてしまった。

「おい、ポチ何をす――っ!!」

 拘束が解かれポチに言葉を投げかけるがそれは無意味であり
 次は身体をグルリと回されてしまい仰向けの状態になってしまった。
 そしてポチの勢いは留まることなくそのまま俺の両手をベットに押し付け両手首が拘束された。

「ポチ?」

「なぁ、ソラよ。確か状態異常系の魔法は効かないのだろう?」

「え、ああ、そうだけど、それが?」

「そうか、ならばこれならどうだ?」

「ん――うわっ!?」

 ポチがそう言い俺の事を放してくれたと思ったら次の瞬間、俺の身体は軽く浮いていた。
 そしてゆっくりと高度を上げて不思議な力によって両手両足が開かれてしまい、
 そのまま降下していき、ベットのど真ん中に拘束されてしまった。

「ポチ、何をした!」

「なに、これも加護の一種だ」

 そう言ってポチは自らのフードも脱ぎ捨て小さな俺の身体の上に乗って来た。

「ポチ?何をして――っ……」

 ポチの顔が目に入った瞬間、思わず言葉を失ってしまった。
 何時もの凛々しいポチは存在しておらず、そこには頬を赤くしトロリと目を蕩けさせ
 息を荒げている淫靡なポチの姿があった。

「なぁ、ソラよ……」

 はぁはぁ、と息を切らしながらそう声を掛けてきた。

「な、なんだよ」

「我との、契約は、覚えているか?」

 ポチとの契約、それは、毎日ポチに肉を上げるという事だ。
 そしてその肉とは俺の事を指している。
 確かにこういう契約をしたのだが、最近ポチが俺の事を喰らう事は少なくなっていた。

「ポチが俺の事を喰うってこと?」

「ああ、そうだ……だが、我は最近、ソラの事を、喰っていないだろ?」

「ああ、良い子過ぎて不気味な位だったな」

 このままではポチの放つ淫靡なムードに呑まれそうなので俺は何時もの様に強気で会話を進める。
 確かに最近のポチは一切俺の事を喰らう素振りを見せなかった。
 きっと新鮮な事ばかりで忘れているのだろうと思っていたのだが、
 どうやらそれは意識的な事だったようだ。

「砂漠でも、ほかの人間は、喰わなかった」

 息を荒げながら途切れ途切れ言葉を発している。

「確かにそうだったな」

「なぜか、わかるか?」

 ポチが俺を含め肉を喰らっていない訳とは。
 正直に言って見当もつかない。お腹がいっぱいと言う阿保の様な答えは此処では命取りになる。
 だから、此処は素直に答えて行く。

「すまないな、全くわからない」

「そうか、それはだな、我は思ったんだ、親友を喰らうのは、良くない、と……」

 どうやらポチは親友と俺の事を認めてくれており、
 餌の様に喰らうのは流石にどうかと考え直したらしい。

「我慢していた、我は我慢、していた、
 それなのにソラよ、どうしてだ、どうして――っ!」

 何かを思い出して感情が高ぶって来たのだろう、声を荒げだした。
 それに連なって身体に伸し掛かる重みも徐々に増えてゆく。

「どうして!!ソラは、我を、挑発するのだ!!」

「挑発……」

 そんな事全くに身に覚えがない。俺が何時ポチの事を挑発したと言うのだろうか。

「ああ、そうだ、あんなに、他の女の匂いを、付けて来やがって!!
 ソラは我の獲物なんだ、我のものなんだ!エキサラやヘリムは別に良い。
 だが、それ以外の女と、何をしているんだ」

「別に何も――」

「あれだけ!濃厚な匂いを、付けていたのにか?」

 ポチが言うには俺にエキサラやヘリム以外の匂いが濃厚についていたらしい。
 ポチの機嫌が悪くなったのもこの理由なのだろう。
 俺の頭にはエリルスとユリの顔が浮かんでいた。
 それ以外、此方に濃厚なにおいを付けられる存在は居なかったはずだ。

「それは、仲間に再開したからだよ」

「仲間……それならば良い、だが、何故あの受付嬢の、匂いがあんなについていたんだ!」

 てっきりエリルスの事も怒られてしまうのかと思ったのだが、仲間は例外の様だ。
 エリルス達の事は伝えてある為、そこは分かってくれているのだろう。
 それにしてもユリの匂いがそんなについているのか……どのタイミングで付いたのか。

「ちょっと今日は色々あったからな……仕方ない事だ」

「ほう……反省は、しないのだな」

 ポチの声色が一気に変わり明らかに不機嫌になったのが伝わってくる。
 急いで反省していると言おうとするのだが――

「ごめん、反省して――んんっんんん!!」

 ポチの両手が俺の頭を固定し逃げられない様にしてから口を口でふさがれてしまった。
 突然の行為に頭が真っ白になったのだが、一瞬で我に返り必死に抵抗しようとするが、
 加護によって拘束されている為何もすることが出来ずに只々口内を蹂躙されて行く。
 歯でポチの下の侵入を拒もうとするのだが、あり得ない位の力で突破され無残にも絡まれていく。

 獲物を貪る様に激しく行われる熱いキス。
 吸われようが絡まれようが只々何も出来ずにされるがままだ。

「――!」

 数分後やっと解放され倒れは新鮮な空気を急いで取り入れる。
 危うく空気が全て吸い出されてしまうところだった。

「ぽ、ぽち、お前何を……」

「ソラは、我のものだ。行動で示さないと、わからない様だからな、
 だから、こうやって身体に教え込んで、やる!」

 そう言い、ポチは不意の濃厚なキスによって膨らんでしまったモノを握り
 グチョグチョに濡れている部分に押し当てカクカクと腰を動かし始めた。

「ポチ、それだけはやめ――」

 経験が0人の俺でもこれから何が起きるのかは予想できる。
 こんな感じで迎えるのだけは回避しなくてはいけない――
 だが、俺の叫びは興奮しているポチに届くことは無く――

「――っ!!」

 無残にも腰が下ろされてしまった。

「勇者になれなかった俺は異世界で」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

  • ユーノ

    ポチって生殖器付いてるんでしたっけ???
    なんか無性だから何も付いてないってどこかで書いてあったような・・・

    勘違いだったらすいません

    5
  • ノベルバユーザー52797

    何時も楽しみにしています、これからも頑張って下さい。

    8
コメントを書く