不器用プラトニックラブ
33話 穢星那依の劇場 ー中編ー
付き合ってから、2年も経った。
僕達は高校3年。
受験生ということで、お互い会うこともなくなった。
せめて、同じクラスだったら良いのにな…なんて、今更思う事じゃないけど。
放課後-
一通のメールの着信があった。
「今、校門で待ってるの。
  久しぶりに一緒に帰ろ。
                                        祈莱」
彼女からだ。
僕は迷わず、校門へ走った。
校門-
息切れをしている僕を見て、彼女は心配そうに見つめていた。
「那依さん、そんなに急ぐ事じゃないから大丈夫よ。」
「ぼ、僕は…君に会いたくて、待ちきれなかったんだ。」
「…那依さんって、平気でそんな事言うんだから。」
「だって、本当の事を言っただけだよ。」
「さらっと言う所が惚れるポイントなのかな?」
「い、祈莱さん…恥ずかしくなってきた。」
「そんな事言われたら、更に火照ってきたわ。」
「僕達って、不器用なのかな?」
「そう、なのかな?」
僕達は、照れくさくなり、顔を赤らめた。
高校卒業後-
高校生活が終わり、僕達はそれぞれの道を歩んだ。
僕は医師、彼女は教師。
卒業式に、彼女とある約束をした。
「那依さん。」
「祈莱さん?」
「最後に、私と約束してくれないかな。
  7年後に再会するって。」
「うん、約束するよ。」
21歳-
あの時のことを、彼女は覚えているのだろうか。
懐かしい想い出を思い出している内に、いつの間にか時間が経っていた。
彼女との約束が果たすまで、4年後。
元気にしてるといいなぁ。
4年後-
僕は25歳。
つい先程、高校の同級生からメールが届いていた。
来週の週末に、高校の同窓会があるらしい。
行きたいのは山々なんだが、病院の経営が忙しくなってきている。
僕が務めている病院は、有名と言ってもいい程、エリートが沢山いる。
僕は新人外科医だが、手術をする機会が増えていき、更には朝から晩の勤務時間になっている。
休みを取りたいのだが、院長が中々の手強い人だった。
君を頼りにしていると圧をかけに来ているのだ。
これは降参だと思い、今に至る。
他の人達は、どうやって休みを取っているのだろう。
先輩にでも聞いてみるか。
赤福総合病院 休憩所-
僕は何時も、食堂に通っている。
料理下手っていうのもあるけど、おばちゃんが作る手料理が絶品なのだ。
何時もの唐揚げ定食を頼む。
何時もの席に座り、先輩を待つ。
「すまん穢星!
  って、先に食べとけって何時も言っとるやろ?」
「先に食べると、失礼だし…」
「んなこと、気にせんでええねん!
  それより、相談って何や?
  お前が俺に相談って珍しいなぁ。」
「はい、先輩って、どうやって休みを取っているんですか?」
「は?」
「だから、どうやって」
「んなこと分かっとるわ!
  じゃあ逆に聞くけど、なんで休み取れへんねん。」
「それは、院長が…」
「あのエロじじいは、お前のこと気に入ってんねん。
  だからお前の仕事が一方的に増えてる。
  そういうことやろ?」
「…仰る通りです。」
「俺はエロじじいと長い付き合いやから、説得してみるわ。」
「えっ、いいですよ!」
「ご馳走さん!
  じゃあ俺、行ってくるわ。」
「えっ、先輩、待ってくださーい!
  にしても、食べるの早…。」
あれから先輩、院長の所に行ったのかな。
何か、心配だな…
「おう、穢星!」
「先輩!」
「あれからエロじじいと話したけどな、来週の週末、休み取ってもらったから。」
「本当ですか…?」
「あぁ。」
「先輩…有難うございますー!」
「ちょっ、穢星!?」
「そっかぁ。
  その日に高校の同窓会があんねんや。」
「そうなんです。
  7年振りに、再会する人と会えるんです。」
「それって、彼女とか?」
「はい。」
「えっ…。
お前、彼女居ったん!?」
「はい。」
「嘘やん!?
  先越された…」
「とは言っても、僕も彼女に先越されたんですよね…。」
「地味に俺のと掛けんなよ!」
「先輩だからやっていいかと。」
「ちゃうわ!」
「でも、有難うございます。」
「おう。
  楽しんで来いよ。」
僕達は高校3年。
受験生ということで、お互い会うこともなくなった。
せめて、同じクラスだったら良いのにな…なんて、今更思う事じゃないけど。
放課後-
一通のメールの着信があった。
「今、校門で待ってるの。
  久しぶりに一緒に帰ろ。
                                        祈莱」
彼女からだ。
僕は迷わず、校門へ走った。
校門-
息切れをしている僕を見て、彼女は心配そうに見つめていた。
「那依さん、そんなに急ぐ事じゃないから大丈夫よ。」
「ぼ、僕は…君に会いたくて、待ちきれなかったんだ。」
「…那依さんって、平気でそんな事言うんだから。」
「だって、本当の事を言っただけだよ。」
「さらっと言う所が惚れるポイントなのかな?」
「い、祈莱さん…恥ずかしくなってきた。」
「そんな事言われたら、更に火照ってきたわ。」
「僕達って、不器用なのかな?」
「そう、なのかな?」
僕達は、照れくさくなり、顔を赤らめた。
高校卒業後-
高校生活が終わり、僕達はそれぞれの道を歩んだ。
僕は医師、彼女は教師。
卒業式に、彼女とある約束をした。
「那依さん。」
「祈莱さん?」
「最後に、私と約束してくれないかな。
  7年後に再会するって。」
「うん、約束するよ。」
21歳-
あの時のことを、彼女は覚えているのだろうか。
懐かしい想い出を思い出している内に、いつの間にか時間が経っていた。
彼女との約束が果たすまで、4年後。
元気にしてるといいなぁ。
4年後-
僕は25歳。
つい先程、高校の同級生からメールが届いていた。
来週の週末に、高校の同窓会があるらしい。
行きたいのは山々なんだが、病院の経営が忙しくなってきている。
僕が務めている病院は、有名と言ってもいい程、エリートが沢山いる。
僕は新人外科医だが、手術をする機会が増えていき、更には朝から晩の勤務時間になっている。
休みを取りたいのだが、院長が中々の手強い人だった。
君を頼りにしていると圧をかけに来ているのだ。
これは降参だと思い、今に至る。
他の人達は、どうやって休みを取っているのだろう。
先輩にでも聞いてみるか。
赤福総合病院 休憩所-
僕は何時も、食堂に通っている。
料理下手っていうのもあるけど、おばちゃんが作る手料理が絶品なのだ。
何時もの唐揚げ定食を頼む。
何時もの席に座り、先輩を待つ。
「すまん穢星!
  って、先に食べとけって何時も言っとるやろ?」
「先に食べると、失礼だし…」
「んなこと、気にせんでええねん!
  それより、相談って何や?
  お前が俺に相談って珍しいなぁ。」
「はい、先輩って、どうやって休みを取っているんですか?」
「は?」
「だから、どうやって」
「んなこと分かっとるわ!
  じゃあ逆に聞くけど、なんで休み取れへんねん。」
「それは、院長が…」
「あのエロじじいは、お前のこと気に入ってんねん。
  だからお前の仕事が一方的に増えてる。
  そういうことやろ?」
「…仰る通りです。」
「俺はエロじじいと長い付き合いやから、説得してみるわ。」
「えっ、いいですよ!」
「ご馳走さん!
  じゃあ俺、行ってくるわ。」
「えっ、先輩、待ってくださーい!
  にしても、食べるの早…。」
あれから先輩、院長の所に行ったのかな。
何か、心配だな…
「おう、穢星!」
「先輩!」
「あれからエロじじいと話したけどな、来週の週末、休み取ってもらったから。」
「本当ですか…?」
「あぁ。」
「先輩…有難うございますー!」
「ちょっ、穢星!?」
「そっかぁ。
  その日に高校の同窓会があんねんや。」
「そうなんです。
  7年振りに、再会する人と会えるんです。」
「それって、彼女とか?」
「はい。」
「えっ…。
お前、彼女居ったん!?」
「はい。」
「嘘やん!?
  先越された…」
「とは言っても、僕も彼女に先越されたんですよね…。」
「地味に俺のと掛けんなよ!」
「先輩だからやっていいかと。」
「ちゃうわ!」
「でも、有難うございます。」
「おう。
  楽しんで来いよ。」
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