東方龍人譚 ~龍神を統べる少年~

ko-suke

23話 消エユク龍人ノ頼ミ




ゴードとレミリアは、神社のうらにまわった。

ゴード「・・・で、話って?」

レミィ「・・・ゴード。」

レミリアは重々おもおもしく口を開き、言った。











レミィ「なんでそんなに無茶するの!?」

ゴード「っ!!」

レミィ「もう・・・無茶しないでって言ったでしょ・・・?なんでそんな・・・。」

ゴード「お、おいおい、なんの話だよ?」

ゴードはさとられないよう注意しつつ、否定の文をべた。

が、レミリアには無意味だった。

レミィ「あなたが・・・あなたが死ぬ運命うんめいを見た。」

ゴード「・・・。」

レミィ「一体どんなことしたらそうなるのよ!?こんなの、今まで1度も見たことないのに!」

ゴード「・・・ごめん。」

レミィ「ごめんじゃない!なんで、なんで助けを呼ばなかったの!!」

ゴード「・・・俺が引き起こしたことだから、俺がやらなきゃ」

レミィ「そんなの、ただの言い訳。」

ゴード「い・・・」

レミィ「あなたの嘘なんか、見え見えなのよ。さとりじゃなくても分かるわ。」

ゴード「・・・。」

レミィ「・・・あなたは・・・ゴードは・・・」








レミィ「死んでもいいと思った。そのほうが幻想郷ここのためだと思った。」




ゴード「・・・はは、嘘は無理・・・か。」

レミィ「バレバレなのよ。」

ゴード「・・・元々、俺はここの人間じゃねぇ。」

レミィ「そんなのわかってる。でも死ぬ理由にはならない。」

ゴード「なるんだよ、十分な。・・・そこまで知ってるなら・・・お前にひとつ、頼みたいことがある。」

レミィ「・・・なによ?」

ゴード「・・・もし、俺が死んだら」



















ゴード「みんなの記憶きおくから、俺が消える運命うんめいにしてくれないか?」






レミィ「な・・・!?」

レミィは驚愕きょうがくした。まさか、ゴードからそんな言葉を聞くとは思わなかったから。

レミィ「何を言って・・・!!」

ゴード「俺はここの人間じゃない。だから、死んでもいい。それは本当だ。でも、俺が死んで、誰かが悲しむのはいやだ。だから・・・みんなから記憶を」

レミィ「ふざけてるの!?そんなことして、何になるっていうのよ!」

レミリアがそういうと、ゴードは淡々たんたんと告げた。











ゴード「何になるかって?何にもならないさ。ただ、戻るだけ。」





レミィ「・・・え?」

ゴード「元に戻るだけ。俺が、ここに来る前の状態じょうたいに。」

レミィ「っ!!!」

ゴード「たのめるか?」

レミィ「嫌よ。」

ゴード「頼む、このとおり。」

レミィ「嫌!!」

ゴード「・・・俺の、最初で最後のわがままだ。頼むよ・・・。」

レミィ「そんなこと、言ったって・・・!」

紫「レミリア。」

紫が音を立てずに、スキマからでてくる。

レミィ「・・・なによ」

紫「ゴードの願いを聞いてあげなさい。」

レミィ「紫まで・・・!」

紫「・・・ゴードが言った意味、わかってる?」

レミィ「なに、がよ!」

紫「最初で最後のわがまま・・・これのしんの意味がわかる?」

レミィ「わかるも何も・・・そのままの」

意味、と言おうとしてとどまった。

最後の、はわかる。では、‘最初で’とは?

紫「・・・ゴード、話せる?」

ゴード「・・・あぁ。」

ゴードはある決心けっしんをし、レミリアの前に立った。

レミィ「・・・ゴード?」













ゴード「昔話むかしばなしをしてあげるよ。とある、‘生きることを望まれなかった’人間の、な。」





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