東方龍人譚 ~龍神を統べる少年~

ko-suke

13話 鬼ト龍人




??「おい!お前ら!」

という声が聞こえた。
振り返ると、大柄おおがらな女性が立っていた。

魔理沙「勇儀ゆうぎじゃないか。またここで酒盛りでもしてんのか?」

勇儀「まぁね♪ここの酒は美味いんだ。」

よく見ると、その手には大きな酒器さけきがあった。

勇儀「ところで、隣のそいつは誰だい?」

勇儀が少年を指さす。

霊夢「この子は、幻想郷に新しくきた住人よ。今は挨拶周り。」

ゴード「郷戸です。ゴードって呼ばれています。」

勇儀「ゴードか。よろしくな!」

ゴード「はい!よろしくお願いします!」

勇儀「ゴード。お前、呑み比べは得意か?」

ゴード「い、いえ、俺はまだ成人じゃないんで・・・お酒は飲めないんですよ。」

勇儀「ふーん。ま、いいや。じゃあ、質問を変えるが・・・お前、強いか?」

霊夢「強いわよ」魔理沙「強いんだぜ」

ゴード「いやちょ、なんで御二方おふたかたが返事してんですか。」

勇儀「へぇ・・・こんなへろへろがねぇ・・・。」

ゴード「・・・へろへろで悪かったですね。」

勇儀「とりあえず、手合わせしろよ。おにのあたしがあんたの力を測ってやるよ。」

ゴード「やっぱ鬼だったんですね・・・。わかりました、お願いします。」

ゴード「おうよ。ほら、力出してみな。」

ゴード「はい。・・・暴風。」

風龍(僕の出番でっさ!)

ゴードを竜巻が包み込み、髪と目が緑と化したゴードが現れた。

勇儀「へぇ。それがあんたの力かい。」  

ゴード「えぇ。力の一部です。」

勇儀「一部ぅ?まさか、手加減てかげんしてるのかい?」

ゴード「まぁ、そうなりますね。」  

勇儀「あたしはそういうのが嫌いなんだ。本気で来な。」   

ゴード「・・・わかりました。」

ゴードは変身を解く。そして

ゴード「合体スペルカード、二神合体 『天災人災』」

ゴードの体から、緑と黄色のオーラが飛び出し、ゴードを包み込んだ。そして、それが晴れた先には。

黄緑の髪、緑と黄色のオッドアイ。雷と風の龍人と化したゴードがいた。

勇儀「おおぅ・・・ビリビリくるね。こいつはすごい。」

ゴード「・・・それじゃ、やりましょうか。」

勇儀「おう、来い!」




ゴードと勇儀の手合わせは、もはや決闘けっとうのような戦いだった。

勇儀がなぐり掛かると、ゴードが強い風を出し、無効化むこうかする。

ゴードが出した弾幕は、勇儀の剛腕ごうわんによってはらわれる。

見ているだけでもクラっときそうな、そんな戦いだった。  

だが、そんな長くは続かなかった。

勇儀「はぁ、はぁ・・・はは、すごいな、あんた。」

ゴード「勇儀さんこそ。この力を出して、ここまでやりあえたのは初めてですよ。」

勇儀「バケモンだな・・・」  

ゴード「龍人です。」

勇儀「そう。」

ゴード「そうだ。お互い、スペルカードで決着つけません?」

勇儀「そうね・・・耐えた方の勝利ってことでいいかい?」

ゴード「はい。」

勇儀「じゃあ、早速行くよ!スペルカード発動!」

勇儀「四天王奥義 『三歩必殺』」

ゴードは1歩も動かずに、勇儀のスペカを受けた。







勇儀「ははっ、どうだ」

ゴードを煙が包み込んでいる。

霊夢「・・・。」

魔理沙「ゴード・・・。」

そのとき






「これで終わりですか?」

勇儀「・・・え?」

勇儀は目を見張った。煙の晴れた先には

ゴード「じゃあ次は僕ですね。」

さっきと何も変わらないゴードの姿があった。

勇儀「はっ・・・ほんと、バケモンだ。」

ゴード「じゃ、行きますよ。」

勇儀「・・・へっ、来い。」

ゴード「スペルカード発動。」

ゴード「風雷術 『雷を包みし風よかみなりをつつみしかぜよ』」


煙の先には、目を回して倒れている、勇儀の姿があった。


風雷術 「雷を包みし風よ」→雷をまとった風が、特定の相手に超高速ちょうこうそくで突っ込み、爆発。

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