東方龍人譚 ~龍神を統べる少年~

ko-suke

5話 強サヲ求メル者




レミリアは非常に怒っていた。何故なら、

フラン「すー・・・すー・・・」

ゴード「スピー・・・スピー・・・」

妹であるフランと、外の世界から来たゴードが、一緒のベッドで寝ていたからである。しかも、抱き合った状態で。姉の怒りなどよそに、とても幸せそうに寝ている2人を見て、さらに怒りが湧いてきた。

レミィ「起・き・な・さ・い!!フラン!!!」

フラン「ん~・・・おはよう、おねーさま・・・今日も朝から元気だね~・・・ふわぁ・・・」

ゴード「んん・・・おはようございま・・・す・・・」サーッ(血の気の引く音)

レミィ「ゴード?ナンデフラントネテイルノ?」

ゴード「いや、その、昨日の夜、フランから一緒に寝ようって・・・」

レミィ「フラン?」ゴゴゴゴゴ

フラン「だって、お兄ちゃんといると楽しくて・・・ずっと一緒に居たいなって思って。」

レミィ「へぇ?じゃあ、邪な感情はなかったってこと?ことは済ませてないのね?」

フラン「邪な感情?なぁにそれ?ことを済ませるってなに?」

レミィ「そ、それは・・・///と、とにかく!一緒に寝ただけなのね!?」

フラン「うん」ゴード「はい」

レミィ「・・・ならいいわ。朝ごはんが出来てるから、早く行きなさい。ゴードも朝食、食べて行きなさい。」

フラン「うん!」

ゴード「ありがとうございます。」

殺されるんじゃないか、と終始とてもヒヤヒヤしていたゴードだった。


レミィパチェフラン美齢こあゴード「ご馳走様でした」

咲夜「お粗末さまでした。」

朝食を食べ終え、咲夜が皿を片付けていく。

ゴード「・・・」

ゴードは、あることを昨日からずっと迷っていた。これを言うべきなのか、言わないべきなのか。もうどうすればいいのかわからなくなっていた。

レミィ「・・・ド、ゴード!」

ゴード「・・・っは、はい!何でしょうか。」

レミィ「さっきからどうしたの?ずっと下を向いて・・・。何か悩み事でもあるの?」

しまった。とゴードは思った。考えすぎて、周りに気づかなかったのだ。もうどうしようもない、言わなくては。とゴードは腹をくくった。

ゴード「・・・あの、実は折り入ってご相談が・・・」

レミィ「相談?何かしら?」

ゴード「・・・俺を、強くして貰えないでしょうか。」

レミィ「・・・は?」

レミリアは訝しげな顔になった。突然、何を言い出すのだ、この男は。と思った。

ゴード「・・・昨日、フランと遊んで気づいたんです。俺にはまだ・・・その、秘めた力というか、何か強くなれるものがあるんじゃないか、って。でも、それがなんなのか、全く分からなくて・・・もうどうしようもないんです。ですから・・・お願いします。俺に、稽古みたいなものをつけて欲しいんです。」

ゴード「・・・皆を助けられる力がほしいんです。もう、誰も傷つけたくないから・・・」ボソッ

ゴードの言葉の最後は、自分に言い聞かせるような、そんな言葉だった。が、レミリアにはちゃんと聞こえていた。

レミィ「(誰も傷つけたくない・・・ね。こいつ、本当に・・・。)・・・はぁ、分かったわ。少しはこっちにも責任があるからね。フラン、ゴードと遊んであげなさい。もちろん、弾幕ごっこよ。」

フラン「もっとお兄ちゃんと遊べるの!?やったー!」

ゴード「いいんですか!?ありがとうございます!」

レミィ「ええ。フランも望んでいるしね。」

レミィ「・・・ゴードは最初から、幻想郷に来る運命だったのかもね。」ボソッ

ゴード「え?」

レミィ「何でもないわ。」

ゴード「・・・?そうですか。」

レミィ「それと・・・フランだけじゃなくて、私達にも敬語を使わなくていいわよ。」

ゴード「え、あ・・・あぁ、分かった。」

パチェ「あ、ちょっといい?妹様とゴード。弾幕ごっこするのはいいけど、図書館でやるのはやめてちょうだいね。本にホコリがかかるから。」

ゴード「あ、ごめんなさ・・・ごめん、この前は。」

フラン「うん!地下の元私の部屋でやるよ!あそこなら、強くなるにはうってつけでしょ!」

レミィ「それもそうね。」

ゴード「どういうことです?」

フラン「後でわかるよ!じゃ、早く行こ!」

ゴード「わ、ちょフラン、分かったから腕を引っ張るな!痛い痛い!」

ゴードとフランは走って行ってしまった。フランは遊ぶために。ゴードは強くなるために。

パチェ「にしても、レミィ?よく了承したわね。」

レミィ「なんのこと?」

パチェ「ゴードが強くなりたいって言った時に、すぐにOK出したじゃない。いつもはこういう厄介事は無視するのに。なになに、ゴードに一目惚れでもした?」

レミィ「なっ、なんでそうなるのよ!私はただ、フランの遊び相手ができれば、私が楽になると思ったから・・・!それに、厄介事を無視するのは霊夢でしょうが!私じゃないわよ!」

パチェ「ふふ、なにヤケになってんのよ。ちょっとからかっただけじゃない。」

レミィ「ぐっ・・・このぉ!」

パチェ「はいはい、どうどう」

レミィ「・・・それに」

パチェ「ん?」

レミィ「あの子には・・・どこか、全てにおいて寂しさというか、悲しい感じがするのよ。心に闇でも抱えてるみたいに・・・。きっと、外の世界でなにかあったんだろうけど・・・。」

パチェ「・・・そうね。でも、いつか分かるわ。とりあえず、あの子が強くなるまで、気長に待ちましょう?」

レミィ「・・・今の状態でも、かなりチートだと思うのだけど・・・。」

パチェ「・・・まぁ、神の龍だからね・・・。」

苦笑いしながらも、どこまで強くなれるのか、とても興味がある2人なのだった。


先に言っておきます。トレーニングの様子は
全カットです。戦いの間に、回想が入るかもねって所です。by作者

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