選ばれし100年の最弱剣士~100年前まで最強でしたが今や最弱採取係です~
第11話 旧友は不死身なようです。
また新たな疑問が浮かんでしまったのはイールである。
「アスフィ、お前アルフアを襲ったヘルヘイムに殺されたんじゃ…?」
目が点になるほど驚いている。
それに対してアスフィは呆れた感じだ。
「イール。エルフをナメるでない。あれしきの事で死ぬのなら、魔法最強種族などとは言われんじゃろう。」
「えーっと、イールさん。こちらは?」
イール以外の四人はアスフィとの面識は無いようで、代表してハルが尋ねた。
それが耳に入ると、イールは落ち着いてハルへ返す。
「コイツはアスフィ。えと、だいたい100年ぶりになるか?」
「……そうじゃな。」
確認されたアスフィは指を折り折り答えた。
「お前らも130年前のフェンリル討伐は知ってるだろ?その時に知り合ってな。」
「フェンリル討伐って…。人類とエルフが協力して行ったアレですか!私たちも参加しましたよ!」
他の三人も思い出したような顔をして頷いている。
フェンリル討伐とは、約130年前に初めて人類とエルフが協力した討伐作戦だ。
勇者の世界「アズルカス」からかつて召喚された勇者「ロキ」が身に付けていたとされる指輪に施されていた封印が解けたことによって、巨大な魔狼「フェンリル」が現れた。
いつ、そしてなぜ勇者ロキがこの世界に指輪を置いていったのかは不明だが、結果として大きな被害が出たため、現在ではロキは勇者ではなく愚者として伝えられるようになっている。
「なんだ、ハルたちもいたのかよ。もしかしたら会ってたかもな。俺はエルフ達と組んでいたんだけど、その時一緒にフェンリルに魔法を打ち込んだのがアスフィなんだ。」
それを聞いて、さっきからプルプル震えていた金髪青年エルフの背筋がピーンと伸びた。そして腰を90度曲げて腹から声を出す。背筋が伸びているため、綺麗な直角だ。
「師匠のお知り合いでしたか!これは失礼しました!」
さっきまでとは打って変わって丁寧な口調。
後ろでは師匠と言われたであろうアスフィが腕を組んでニヤつきながら歩いてきている。
師匠の足音が大きくなるのが分かるのか、直角は徐々に角度をキツくしていく。師匠の威圧、恐るべし。
「頭あげろ金髪。別に怒っちゃいねえよ。」
イールが金髪をワシャワシャすると、金髪は頭を振って面を上げた。まだ背筋は伸びており、肩も上がっている。緊張してるのがよく分かる。
「自分、ヴィアナっていいます!齢83とまだまだガキですが、よろしくお願いします!」
少々唾が飛んできたが、真面目なので目を瞑ろう。
エルフには寿命がなく、若い容姿のまま生き続ける。故に83歳はまだまだガキなのだ。
ちなみに人間の平均寿命は70歳。普通の人間から見たらヴィアナも立派な大人なのに、なんだかかわいそう。
「師匠。今回はゲートのミスではないんですね?」
肩を下ろし、振り向いて師匠に確認する弟子。
「そうじゃな。そちらは皆『不老』。つまり、エルフの血を継ぐものたちなのじゃからな。」
もう一万年以上も前になるだろうか。ある夫婦が存在した。夫はエルフ、妻は人間。当時、というか現在も他の種族との婚姻は反対派が多いため、彼らは多くの罵声を浴びせられた。非国民、裏切り者、魂を売ったバカ、そんな安っぽくも辛辣な言葉に彼らは耐え、そして子供を産んだ。
人間とエルフのハーフ、エルフのような尖った耳は無いが、人間の寿命という運命から解放された一人の子供だ。
彼らが今何をしているのかは分からない。だが、彼ら三人の勇気は1000年に五人という形で、今もなお存在している。それが異特性『不老』なのだ。
イールたちは先祖返りのようなもので、他の子孫たちよりもエルフの血が強い。そして、ヴィアナいわくゲートにはエルフに反応してここに繋がる仕組みが施されているらしい。今回はイールたちもエルフ認定されたようだ。
「待ってくださいヴィアナ。『今回は』と言うことは、前に何かあったんですか?」
自分達を狙ったヴィアナに対しては、初対面でもガッツリ呼び捨てのハルだ。かなり珍しい。
ヴィアナはその問に少し驚きつつも答える。
「はい。昨日ここで倒れてる人間を発見しました。気を失っていたため攻撃はせず、今は師匠の家で預かってます。」
恐らく駆け出し冒険者だろう。何の話し合いもなく、突然攻撃を仕掛けてきたヴィアナが何もしていないというのは、五人にとって意外だったが安堵を与えた。
「よかったです。すぐにアスフィさんの家に行きましょう。」
「そうだな、それが妥当だ。アスフィ、何もしてないだろうな?」
イールの確認に少し怒ったように頬を膨らませて、組んだ腕を少し持ち上げる。腕に乗っていた豊乳も持ち上げられ、より大きさが際立つ。
ハルが俯いている気がするが、まあ置いておこう。
「ワシだって常識くらいわきまえておる。寝たきりで無抵抗の女の子がどれだけそそるとしても、襲うなどせんわ。」
アスフィにはちょっと百合っ気があるんだ。
ていうか冒険者女の子だったんだ。
五人ともそう思った。
「では、ワシの家に案内しよう。皆疑問はあるじゃろうが、まあ行きながら答えるとしようじゃないか。」
七人はアスフィの家に向けて階段を下りた。
話進まなくてすみません…
「アスフィ、お前アルフアを襲ったヘルヘイムに殺されたんじゃ…?」
目が点になるほど驚いている。
それに対してアスフィは呆れた感じだ。
「イール。エルフをナメるでない。あれしきの事で死ぬのなら、魔法最強種族などとは言われんじゃろう。」
「えーっと、イールさん。こちらは?」
イール以外の四人はアスフィとの面識は無いようで、代表してハルが尋ねた。
それが耳に入ると、イールは落ち着いてハルへ返す。
「コイツはアスフィ。えと、だいたい100年ぶりになるか?」
「……そうじゃな。」
確認されたアスフィは指を折り折り答えた。
「お前らも130年前のフェンリル討伐は知ってるだろ?その時に知り合ってな。」
「フェンリル討伐って…。人類とエルフが協力して行ったアレですか!私たちも参加しましたよ!」
他の三人も思い出したような顔をして頷いている。
フェンリル討伐とは、約130年前に初めて人類とエルフが協力した討伐作戦だ。
勇者の世界「アズルカス」からかつて召喚された勇者「ロキ」が身に付けていたとされる指輪に施されていた封印が解けたことによって、巨大な魔狼「フェンリル」が現れた。
いつ、そしてなぜ勇者ロキがこの世界に指輪を置いていったのかは不明だが、結果として大きな被害が出たため、現在ではロキは勇者ではなく愚者として伝えられるようになっている。
「なんだ、ハルたちもいたのかよ。もしかしたら会ってたかもな。俺はエルフ達と組んでいたんだけど、その時一緒にフェンリルに魔法を打ち込んだのがアスフィなんだ。」
それを聞いて、さっきからプルプル震えていた金髪青年エルフの背筋がピーンと伸びた。そして腰を90度曲げて腹から声を出す。背筋が伸びているため、綺麗な直角だ。
「師匠のお知り合いでしたか!これは失礼しました!」
さっきまでとは打って変わって丁寧な口調。
後ろでは師匠と言われたであろうアスフィが腕を組んでニヤつきながら歩いてきている。
師匠の足音が大きくなるのが分かるのか、直角は徐々に角度をキツくしていく。師匠の威圧、恐るべし。
「頭あげろ金髪。別に怒っちゃいねえよ。」
イールが金髪をワシャワシャすると、金髪は頭を振って面を上げた。まだ背筋は伸びており、肩も上がっている。緊張してるのがよく分かる。
「自分、ヴィアナっていいます!齢83とまだまだガキですが、よろしくお願いします!」
少々唾が飛んできたが、真面目なので目を瞑ろう。
エルフには寿命がなく、若い容姿のまま生き続ける。故に83歳はまだまだガキなのだ。
ちなみに人間の平均寿命は70歳。普通の人間から見たらヴィアナも立派な大人なのに、なんだかかわいそう。
「師匠。今回はゲートのミスではないんですね?」
肩を下ろし、振り向いて師匠に確認する弟子。
「そうじゃな。そちらは皆『不老』。つまり、エルフの血を継ぐものたちなのじゃからな。」
もう一万年以上も前になるだろうか。ある夫婦が存在した。夫はエルフ、妻は人間。当時、というか現在も他の種族との婚姻は反対派が多いため、彼らは多くの罵声を浴びせられた。非国民、裏切り者、魂を売ったバカ、そんな安っぽくも辛辣な言葉に彼らは耐え、そして子供を産んだ。
人間とエルフのハーフ、エルフのような尖った耳は無いが、人間の寿命という運命から解放された一人の子供だ。
彼らが今何をしているのかは分からない。だが、彼ら三人の勇気は1000年に五人という形で、今もなお存在している。それが異特性『不老』なのだ。
イールたちは先祖返りのようなもので、他の子孫たちよりもエルフの血が強い。そして、ヴィアナいわくゲートにはエルフに反応してここに繋がる仕組みが施されているらしい。今回はイールたちもエルフ認定されたようだ。
「待ってくださいヴィアナ。『今回は』と言うことは、前に何かあったんですか?」
自分達を狙ったヴィアナに対しては、初対面でもガッツリ呼び捨てのハルだ。かなり珍しい。
ヴィアナはその問に少し驚きつつも答える。
「はい。昨日ここで倒れてる人間を発見しました。気を失っていたため攻撃はせず、今は師匠の家で預かってます。」
恐らく駆け出し冒険者だろう。何の話し合いもなく、突然攻撃を仕掛けてきたヴィアナが何もしていないというのは、五人にとって意外だったが安堵を与えた。
「よかったです。すぐにアスフィさんの家に行きましょう。」
「そうだな、それが妥当だ。アスフィ、何もしてないだろうな?」
イールの確認に少し怒ったように頬を膨らませて、組んだ腕を少し持ち上げる。腕に乗っていた豊乳も持ち上げられ、より大きさが際立つ。
ハルが俯いている気がするが、まあ置いておこう。
「ワシだって常識くらいわきまえておる。寝たきりで無抵抗の女の子がどれだけそそるとしても、襲うなどせんわ。」
アスフィにはちょっと百合っ気があるんだ。
ていうか冒険者女の子だったんだ。
五人ともそう思った。
「では、ワシの家に案内しよう。皆疑問はあるじゃろうが、まあ行きながら答えるとしようじゃないか。」
七人はアスフィの家に向けて階段を下りた。
話進まなくてすみません…
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