人違いで異世界に召喚されたが、その後美少女ハーレム状態になった件

イエ介

第36話 目指せ!魔王国の件

「あの子………私たちと同じ、この世界に送り込まれた、神なのよ……」

 リーナの表情はとても強ばっていて、目が泳いでいた。

 現実を受け入れられない、と言うような表情だ。

 俺は、恐る恐るリーナに聞いた。

「つまり、お前みたいな強力な神が、俺たちの敵だってことか……?」

 リーナは強ばった表情で俯きながら、首を横に振った。

「あの子……名前をリリーって言うんだけど……私たち神の中でも、トップクラスの強さで…………」

 リーナは一拍おいてから、強調するように、次の言葉を言った。

「あたしとリノの二人で力を合わせても、リリーにだけは勝てないわ……」

 リーナとリノを除く、その場にいた俺たちは、驚愕の表情でリーナを見た。

「二人でも、勝てないんですか……?」

 ルイが震えた声を漏らした。

 分かってはいる。分かってはいるが信じたくない。
 ルイの気持ちはよくわかった。

 がしかし、リーナの答えは変わらない。

「ええ、勝てないわよ……」

「「「………………。」」」

 リーナの残酷な言葉を残して、沈黙が俺たちに訪れる。

 ……………………。

「…………見えたのだ……」

 ふと、リノがそんなことを呟いた。
 俺はリノに聞く。

「……何が見えたんだ?」

「……リリーが消えていったゲートの先…………リリーの居場所……」

 リノは、リリーが消えていったゲートの奥を見たらしい。
 その先にあったのは…………

「……魔王国……だったのだ」

「魔王国って何だ……?」

「あたしも詳しくは知らないけど、翔太に討伐を頼んだ、魔王がいる国よ……」

「そこに……リリーが……」

 …………そうなりゃ、やる事はひとつしかないよな。

「…………行こう」

 俺の呟きに、全員が俺を見る。

「……お兄ちゃん、行くの……?」

 シリアが怯えた口調で俺に問う。
 俺は答えた。

「行こう、魔王国に……。どの道行く予定だった国だ。……いや、お前達に無理をさせる気は無いけど……。少なくとも、俺は行くぞ」

 俺がこの世界に来た理由。それは、魔王の討伐するため。魔王を倒し、俺は元いた世界に帰る。
 そして、俺は約束した。リーナを元いた世界に帰すと。リーナの仲間を見つけ出すと。

 それならば、俺たちは魔王国を目指しながら、この世界のあらゆる街を転々とし、神を見つけ出しながら進んで行くのはどうだろうか?

 そして俺は、これらをルイ達に伝えた。
 ルイ達は、揃って頷く。

「そうですね。このまま立ち止まっていても、どうしようもないですもんね」

「そうだね。そうと決まったら、早く準備しよっ!!」

「…………ありがとう、翔太」

「あたいからも、ありがとなのだ!」

「いいさ、俺も全力を尽くすぜ、できる範囲で!」

 皆が笑顔で顔を見合わせる。

 そして、全員の決意が固まった。

「よっしゃー!!出発の準備だ!!」


「ていうか、翔太のできる範囲って、荷物持ちくらいよね?」

「出発前から俺のやる気を削ぐなっ!!」


 皆の顔から不安の色は無くなり、決意に満ちた表情へと変わった。

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