最弱の異世界転移者《スキルの種と龍の宿主》
第八話 攻略準備
俺たちは来た道を戻り再び落ちてきた空間に戻る。
落ちてきた穴を見上げるが光は見えない、たぶん途中で何度か曲がりここに繋がるのだと思う。
ここに落ちてきて体感一週間ぐらい経ったが、上からなにか落ちてくるということは今までなかった。この空間には、最初のワーウルフ以外は魔物の入ってくる様子はない。魔物を近づけないために何かしらの魔法があるのか、魔物が嫌う何かがあるのか未だにわかっていない。
この正五角形の空間の五つの角に生えている木のことも正確にはなんなのかも分からない。
「いちおう、戻ってきたけどこれからどうする?」
「登る?」
「この巨大な穴をか!?」
莅戸芽はこくりと頷く。
「莅戸芽は身体能力が高いから登ることができるかもしれないが、俺は片腕が無いし魔法で飛ぶにしても、そこまで緻密な制御はできないぞ」
「じゃあ、ダメ」
「……確か落ちる前、何個か同じような穴があったよな。その穴に繋がっている空間もここと同じように繋がっている可能性があるから、その可能性にかけて下の階層に行くか?」
俺は落ちる前の風景を思い出し、一か八かの提案を出す。
「何があるか分からないから危ない」
「わかっている、だがいつまでもここにいても何も進まない」
俺も本当は下の階層には行きたくはないが、何もしていないと視界に入る、日に日に腹に空いた穴から腐っていく橋田に申し訳なくなる。
俺は橋田に視線を向けながら言う。
「…それに俺たちはまだ生きてるんだから」
「……わかった、下の階層で探そう」
話し合いはそこで終わり、新しく狩ったワーウルフの毛皮で新しい布団を作り、深い睡眠に入る。
目が覚める。光魔法で明かりをとり、落ちてきたところにあった水で顔を洗う。その後に朝飯にワーウルフの肉を焼きながら、莅戸芽を起こす。
穴に落ちてきてからの生活習慣に身体に慣れるまでそう時間はかからなかった。
「とりあえず、いつも通り特訓をしながらこれからの予定をたてよう」
「わかった、じゃあいつものから」
いつも通り、乱取りを始める。
莅戸芽は魔法を少し絡めた格闘スタイル、空手をやっていたが今では型は崩れ自己流になってきている。
俺は魔法重視の強化魔法、攻撃魔法などを応用させて戦う機動型の魔法士のようなスタイルだ。
近接と遠距離で二人でバランスの整った戦闘スタイルだ。
「はっ、下の階層には、ふっ、何を持ってく?」
炎を纏わせた拳と脚の連打で攻めながら莅戸芽が聞く。
「木の粉と、くっ、ワーウルフの肉を、はぁっ、少しずつお互いに持とう」
質問に答えながら莅戸芽の攻撃を捌き、水魔法で水を生成して炎を消しながら反撃する。
「わかった、それじゃあこれで終わり」
莅戸芽は今まで以上の火力で炎の出力を上げる。
「ああ、これで終わりだ」
水魔法の派生、氷の生成で『氷剣』を作りその周りを水で覆う。
お互いの攻撃がぶつかり合い、炎が消され水が蒸発する。『氷剣』には辿り着く前に莅戸芽の炎が完全に消える。一本取れると思い、『氷剣』を振り抜く。
(もらった!)
「あまい」
目の前が真っ暗になる。出力を上げて明るくなった炎の後に、闇魔法でいきなり暗くして明暗の差を作り完全に視界を奪われたのだ。
額に莅戸芽の拳がコツンと当たる。
「また、私の勝ち」
「か~~っ、また負けた!」
「下に行く用意を始める」
「わかってるって」
五角から木を取ってきて削り粉にして、五種類の木の粉を混ぜる。それを袋に詰めて乾燥させる。
前の日に倒したワーウルフや猿から肉を取り干し肉にするために、自然乾燥させる。亀からも甲羅を砕き、その砕いた甲羅にワーウルフの毛で結び、自分達の重要部位を守るための軽い装備を作る。
「乾燥仕切ったら下の階層に行くか」
「うん」
かなりの時間が空いてしまいました。
申し訳ない。コメントでもリアルの友人からも情景描写に指摘があったので少しずつ入れてみました。
落ちてきた穴を見上げるが光は見えない、たぶん途中で何度か曲がりここに繋がるのだと思う。
ここに落ちてきて体感一週間ぐらい経ったが、上からなにか落ちてくるということは今までなかった。この空間には、最初のワーウルフ以外は魔物の入ってくる様子はない。魔物を近づけないために何かしらの魔法があるのか、魔物が嫌う何かがあるのか未だにわかっていない。
この正五角形の空間の五つの角に生えている木のことも正確にはなんなのかも分からない。
「いちおう、戻ってきたけどこれからどうする?」
「登る?」
「この巨大な穴をか!?」
莅戸芽はこくりと頷く。
「莅戸芽は身体能力が高いから登ることができるかもしれないが、俺は片腕が無いし魔法で飛ぶにしても、そこまで緻密な制御はできないぞ」
「じゃあ、ダメ」
「……確か落ちる前、何個か同じような穴があったよな。その穴に繋がっている空間もここと同じように繋がっている可能性があるから、その可能性にかけて下の階層に行くか?」
俺は落ちる前の風景を思い出し、一か八かの提案を出す。
「何があるか分からないから危ない」
「わかっている、だがいつまでもここにいても何も進まない」
俺も本当は下の階層には行きたくはないが、何もしていないと視界に入る、日に日に腹に空いた穴から腐っていく橋田に申し訳なくなる。
俺は橋田に視線を向けながら言う。
「…それに俺たちはまだ生きてるんだから」
「……わかった、下の階層で探そう」
話し合いはそこで終わり、新しく狩ったワーウルフの毛皮で新しい布団を作り、深い睡眠に入る。
目が覚める。光魔法で明かりをとり、落ちてきたところにあった水で顔を洗う。その後に朝飯にワーウルフの肉を焼きながら、莅戸芽を起こす。
穴に落ちてきてからの生活習慣に身体に慣れるまでそう時間はかからなかった。
「とりあえず、いつも通り特訓をしながらこれからの予定をたてよう」
「わかった、じゃあいつものから」
いつも通り、乱取りを始める。
莅戸芽は魔法を少し絡めた格闘スタイル、空手をやっていたが今では型は崩れ自己流になってきている。
俺は魔法重視の強化魔法、攻撃魔法などを応用させて戦う機動型の魔法士のようなスタイルだ。
近接と遠距離で二人でバランスの整った戦闘スタイルだ。
「はっ、下の階層には、ふっ、何を持ってく?」
炎を纏わせた拳と脚の連打で攻めながら莅戸芽が聞く。
「木の粉と、くっ、ワーウルフの肉を、はぁっ、少しずつお互いに持とう」
質問に答えながら莅戸芽の攻撃を捌き、水魔法で水を生成して炎を消しながら反撃する。
「わかった、それじゃあこれで終わり」
莅戸芽は今まで以上の火力で炎の出力を上げる。
「ああ、これで終わりだ」
水魔法の派生、氷の生成で『氷剣』を作りその周りを水で覆う。
お互いの攻撃がぶつかり合い、炎が消され水が蒸発する。『氷剣』には辿り着く前に莅戸芽の炎が完全に消える。一本取れると思い、『氷剣』を振り抜く。
(もらった!)
「あまい」
目の前が真っ暗になる。出力を上げて明るくなった炎の後に、闇魔法でいきなり暗くして明暗の差を作り完全に視界を奪われたのだ。
額に莅戸芽の拳がコツンと当たる。
「また、私の勝ち」
「か~~っ、また負けた!」
「下に行く用意を始める」
「わかってるって」
五角から木を取ってきて削り粉にして、五種類の木の粉を混ぜる。それを袋に詰めて乾燥させる。
前の日に倒したワーウルフや猿から肉を取り干し肉にするために、自然乾燥させる。亀からも甲羅を砕き、その砕いた甲羅にワーウルフの毛で結び、自分達の重要部位を守るための軽い装備を作る。
「乾燥仕切ったら下の階層に行くか」
「うん」
かなりの時間が空いてしまいました。
申し訳ない。コメントでもリアルの友人からも情景描写に指摘があったので少しずつ入れてみました。
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