噂の殺戮者に出会ったので死刑執行しますby死神
98 最善の選択
太陽が地平線へと沈み、星々が我先にと輝きだす。そんな夜空の下。
世界調停機関の面々が明日に備え、会議を締めくくろうとしていたその時。ドタドタと階下が慌ただしくなったかと思えば、一人の若者が息を切らして会議室のドアを蹴り飛ばすかのように入ってくるや否や、掠れた喉を酷使して声を張り上げる。
「報告しますっ!!尖兵団第三部隊が今し方、織田軍へと進行を開始しました!!」
「なに……」
静まり返っていた会議室が別の意味でさらに沈む。静寂と沈黙、戦慄が耳に痛い。各々がそれぞれに息を呑み、言葉を忘れ、ただ佇む。
そして徐に皆は、私に目を向ける。《最善》たる私に。
「…………」
だがそれでも私は何も言えなかった。こうなる事もわかっていたというのに。いや、わかっていたからこそ、言いたくないというのは甘いのかもしれないが…
「ハッもうその腑抜けに用はねぇな!」
「待て《最低》!」
《最低》が私を蔑むが、今の私にはそれを反する資格がなかった。《最強》が止めたことで出て行くことはなかったが、ここにいてもなにも変わらないのは事実だ。
「…今からでも遅くはない。《最善》…何かないのか?」
《最強》は私に問い掛ける。貴様の覚悟はそんなものなのか、と。言葉は違えど彼の心が私に語りかけていた。
しかし…
「もう遅い……遅過ぎたんだ…何もかも……」
ポツリポツリと呟く。見ると彼らはそれを静かに聴いていた。私なんかの声をただ静かに。でもその静寂はどこか優しく、自然と言葉が紡がれていった。
「私はまた選ぶことをしなかった……したく…なかった……」
「…選ぶ……お前の神秘だったか?」
「ああ、私の神秘『究極の二択』がまた勝手に発動したんだ…」
「そう…だったのか…」
私がこの身に宿す神秘『究極の二択』は、半自律型の運命剪定能力だ。
仕組みは単純、これから起こることの内、二つを選択肢化し私に選ばせるというものだ。そしてその瞬間、未来が確定する。どちらかを選び、どちらかを切り捨てる。まさに剪定にして選定。
猶予はその出来事が起こるであろう1時間前。もし選ぶことができなかった場合、選択肢として現れたことが両方とも起きる。
さらに選択肢には法則性があるようで、どちらか一方は私自身の最善の選択となり、もう一方は周囲の最善の選択になる。
そして今回、私の目の前に現れた二択は…
「選択肢は、『《最高》を敵大将と戦わせ、その結果死なせる』か、
『《最低》を敵大将と戦わせ、その結果死なせる』かだ…
私にはどちらも選べなかった……すまない……」
「それはまたハードな………だが言ってくれて良かった…いつも言ってるだろ?一人で抱え込むなって……お前が一番仲間の事考えてるって皆知ってるんだからよ」
《最強》が私の肩に手を乗せ、ポンポンと暖かく、気にするな、と言外に伝えてくれる。だが今は、その優しさに甘えるわけにはいかない。
「ハハっ馬鹿には変わりないなぁ、選択を見送ったら俺たち二人が死ぬんだろ? グズグズだんまり決め込んでんじゃねぇよ…ったく…」
「おい《最低》…お前なぁ…」
《最低》の言うとおりこの選択をしなければ、確実に二人は死ぬだろう。証拠は過去に何度も選べずに破滅しかけた私が知っている。
「《最低》が言ったとおりだ……私は選ぶことから逃げた…そして君たちをさらなる危険が伴う戦場に…連れて行くかもしれなかった……本当にすまない…」
何度も何度も今度は、次こそは選んでみせると誓っても、毎度、同じ事を繰り返して涙し、こんな能力無ければいいのにと何度、願ったことか…
未来を選ぶという行為は一個人には果てしなく重く苦しいものだった。分不相応、烏滸がましい、傲慢、なんと言われようとも返す言葉がない。
実際、壱月君ならそう言うだろう。
「で、どうするんだ?もうすぐその猶予ってのが来るんだろ?さっさと選んじまえよ」
「私には…その資格はない……君達が決めてくれ……」
《最低》は軽い感じで迫ってくるが、そんなに簡単に選べるわけもないので、私は皆の意見を尊重しようとするが…
「そんなのどっち選んでもあんま変わらねぇよ…
要するに数時間後、俺か《最高》がいないってだけなんだからさ」
「《最低》、君は自分が死ぬことが怖くないのか?」
「今更なに言ってんだか…」
肩を竦め呆れられた。
「いいか、俺達は世界を守ろうと戦ってんだろ?
なら犠牲の一人や二人、当たり前だろうに」
あっけらかんと、平然に、自然体で彼は言った。
「それにどこぞの誰かさんは、世界を守るために人類を滅ぼそうとしてる位だしな………だよなぁ死神?」
「ああ……しかし、それはそれだ。あんたらが犠牲になる必要はないだろ」
「黙れ、お前の意見は聴いてない」
《最低》が壱月君に話をふり、確認をとる。とっさに意見を挟む壱月君だが、《最低》に制され話は戻る。
「さらに言えば、俺の生き意地の悪さをなめんなよ。
どこまでも卑屈に、陰湿に、最低に、足掻き続けて生き残ってやる。
誰かの選択なんぞでそう簡単にくたばるかよ」
そう吐き捨てるように彼は言って、最後に…
「だからさっさと俺を選べ、そんで戦いに行くぞ」
自らを選ぶように言い残し、彼は去ろうとするが、その寸前、ドアの前に割って入る者がいた。壱月君だ。
「待てよ!」
「なんだガキ?俺達は忙しいんだ…邪魔をするな…」
「おかしいだろ…なんでそんな平然としていられるんだ!?
死ぬんだぞ? 犠牲が当たり前?ふざけんじゃねぇよ!」
「ふざけているのはお前だ、ガキ! まさかここまで馬鹿だったとは…」
「俺は馬鹿で構わねぇが、あんたが死ぬ道理はないだろ?
なにカッコつけようとしてるんだよ!」
「はぁ話が通じんな……おい、そこの嬢ちゃん。こいつを連れ出せ…
《最善》もさっさと選べよ…」
わんわん喚いている壱月君を無視して、壁際にいる巴音さんに追い出すよう指示を出す。
「待てよ《最善》!まだ選んじゃダメだ!まだ他の道があるはずだ…
まだ……まだどこかに……そうだ!第三の選択肢!二人とも生き残れる新たな可能性があるはずだ!」
「いい加減にしろっ!!…クソガキっ!!」
「グハっ……ウッ……」
「壱月さんっ!!」
子どものように希望的憶測を宣う壱月君に《最低》がしびれを切らし、鳩尾に拳を入れ、さらには蹴り飛ばす。
蹴られた壱月君は壁にぐったりともたれ掛かりながらも、手を伸ばし《最低》を止めようとして虚空を掴む。
「なぁお前、いつも正義やら死神やらほざいてるくせに、人を殺したことないだろ?」
「………」
《最低》の問いに対して目を逸らし沈黙で答える壱月君。その様子を見れば誰もがわかる。彼は…
「図星か……やっぱガキはガキだな…」
「違う…俺は…」
「なにが違うんだ?……覚悟をしらねぇ…戦争をしらねぇ…
…手を汚したこともねぇ…ただ感情のままに動いて発言して…
…自分の思い通りに事が進まなきゃ駄々を捏ねる…
…これの何処が大人なんだ?
…これの何処を見てガキじゃないと言い切れるんだ?」
「俺は……ただ誰にも死んで欲しくないだけで…」
「それをガキだって言ってんだよっ!!」
久し振りに見る《最低》の激昂。どこまでも厳しく冷徹でド正論。もうこの場に彼の言葉を覆す者はいない。
「世のため人のため、皆のため自分のため、大いに結構!勝手にすればいい…
だがそれに巻き込まれた方はたまったもんじゃねぇ…
てめぇのシナリオは、てめぇが勝手に演じてろ!」
おそらく今まで思っていたことを全て口に出しているのだろう。全然収まる気配がない。
「覚悟もねぇくせに正義だなんだと叫んで、俺達の大切な時間を奪い、果てには戦う意義すら無くすような甘ったるい戯言をほざいて…
鬱陶しいんだよ!…神なら神らしく傍観してろガキ…俺達に関わるな…」
「な………」
ここまで言われればさすがの壱月君でも絶句するか押し黙るしかない。それほどまでに《最低》の言葉は重く、意味のあるものだ。
壱月君は戦争を知らない、自分が手を汚すことを知らない。だからあんなきれい事がすらすら出てくるのだろうけど、私たちはもう知っている。そんな虚言が通用しないことは…とっくの昔に…
「《最低》そこまでだ……《最善》指示を出してくれ…」
「あ、ああ。《最低》の言うとおり選択肢は彼の方を選ぶ。
《最低》…これが君の最後の仕事になる。心して取り掛かってくれ…」
「無論だ…」
「他の者に関して、《最術》は術師達をつれて尖兵団の足止め、及び率いている神の確保を。
《最剣》率いる星害担当課は織田軍の殲滅を。
《最高》は《最低》に付き従って、大将の首を取れ。《最低》の遺体も確保しろ。以上だ!」
ざっと思いつく限りの策を口にし、《最強》に最終判断を任せる。
「…よし。作戦開始ッ!」
「「「「了解ッ!!」」」」
《最強》が号令をかけ、到達者達が一斉に会議室から飛び出していく。
「行こうぜ相棒!」
「まったく君は呑気だな…」
《最高》と《最低》の二人が死地へと赴くのを会議室に残った私と《最強》と死神達は、もう見ていることしか出来なかった。
最善の選択がどちらなのか、私にはわからない。だけど既に未来は、運命は確定した。この忌々しい私の神秘によって…
世界調停機関の面々が明日に備え、会議を締めくくろうとしていたその時。ドタドタと階下が慌ただしくなったかと思えば、一人の若者が息を切らして会議室のドアを蹴り飛ばすかのように入ってくるや否や、掠れた喉を酷使して声を張り上げる。
「報告しますっ!!尖兵団第三部隊が今し方、織田軍へと進行を開始しました!!」
「なに……」
静まり返っていた会議室が別の意味でさらに沈む。静寂と沈黙、戦慄が耳に痛い。各々がそれぞれに息を呑み、言葉を忘れ、ただ佇む。
そして徐に皆は、私に目を向ける。《最善》たる私に。
「…………」
だがそれでも私は何も言えなかった。こうなる事もわかっていたというのに。いや、わかっていたからこそ、言いたくないというのは甘いのかもしれないが…
「ハッもうその腑抜けに用はねぇな!」
「待て《最低》!」
《最低》が私を蔑むが、今の私にはそれを反する資格がなかった。《最強》が止めたことで出て行くことはなかったが、ここにいてもなにも変わらないのは事実だ。
「…今からでも遅くはない。《最善》…何かないのか?」
《最強》は私に問い掛ける。貴様の覚悟はそんなものなのか、と。言葉は違えど彼の心が私に語りかけていた。
しかし…
「もう遅い……遅過ぎたんだ…何もかも……」
ポツリポツリと呟く。見ると彼らはそれを静かに聴いていた。私なんかの声をただ静かに。でもその静寂はどこか優しく、自然と言葉が紡がれていった。
「私はまた選ぶことをしなかった……したく…なかった……」
「…選ぶ……お前の神秘だったか?」
「ああ、私の神秘『究極の二択』がまた勝手に発動したんだ…」
「そう…だったのか…」
私がこの身に宿す神秘『究極の二択』は、半自律型の運命剪定能力だ。
仕組みは単純、これから起こることの内、二つを選択肢化し私に選ばせるというものだ。そしてその瞬間、未来が確定する。どちらかを選び、どちらかを切り捨てる。まさに剪定にして選定。
猶予はその出来事が起こるであろう1時間前。もし選ぶことができなかった場合、選択肢として現れたことが両方とも起きる。
さらに選択肢には法則性があるようで、どちらか一方は私自身の最善の選択となり、もう一方は周囲の最善の選択になる。
そして今回、私の目の前に現れた二択は…
「選択肢は、『《最高》を敵大将と戦わせ、その結果死なせる』か、
『《最低》を敵大将と戦わせ、その結果死なせる』かだ…
私にはどちらも選べなかった……すまない……」
「それはまたハードな………だが言ってくれて良かった…いつも言ってるだろ?一人で抱え込むなって……お前が一番仲間の事考えてるって皆知ってるんだからよ」
《最強》が私の肩に手を乗せ、ポンポンと暖かく、気にするな、と言外に伝えてくれる。だが今は、その優しさに甘えるわけにはいかない。
「ハハっ馬鹿には変わりないなぁ、選択を見送ったら俺たち二人が死ぬんだろ? グズグズだんまり決め込んでんじゃねぇよ…ったく…」
「おい《最低》…お前なぁ…」
《最低》の言うとおりこの選択をしなければ、確実に二人は死ぬだろう。証拠は過去に何度も選べずに破滅しかけた私が知っている。
「《最低》が言ったとおりだ……私は選ぶことから逃げた…そして君たちをさらなる危険が伴う戦場に…連れて行くかもしれなかった……本当にすまない…」
何度も何度も今度は、次こそは選んでみせると誓っても、毎度、同じ事を繰り返して涙し、こんな能力無ければいいのにと何度、願ったことか…
未来を選ぶという行為は一個人には果てしなく重く苦しいものだった。分不相応、烏滸がましい、傲慢、なんと言われようとも返す言葉がない。
実際、壱月君ならそう言うだろう。
「で、どうするんだ?もうすぐその猶予ってのが来るんだろ?さっさと選んじまえよ」
「私には…その資格はない……君達が決めてくれ……」
《最低》は軽い感じで迫ってくるが、そんなに簡単に選べるわけもないので、私は皆の意見を尊重しようとするが…
「そんなのどっち選んでもあんま変わらねぇよ…
要するに数時間後、俺か《最高》がいないってだけなんだからさ」
「《最低》、君は自分が死ぬことが怖くないのか?」
「今更なに言ってんだか…」
肩を竦め呆れられた。
「いいか、俺達は世界を守ろうと戦ってんだろ?
なら犠牲の一人や二人、当たり前だろうに」
あっけらかんと、平然に、自然体で彼は言った。
「それにどこぞの誰かさんは、世界を守るために人類を滅ぼそうとしてる位だしな………だよなぁ死神?」
「ああ……しかし、それはそれだ。あんたらが犠牲になる必要はないだろ」
「黙れ、お前の意見は聴いてない」
《最低》が壱月君に話をふり、確認をとる。とっさに意見を挟む壱月君だが、《最低》に制され話は戻る。
「さらに言えば、俺の生き意地の悪さをなめんなよ。
どこまでも卑屈に、陰湿に、最低に、足掻き続けて生き残ってやる。
誰かの選択なんぞでそう簡単にくたばるかよ」
そう吐き捨てるように彼は言って、最後に…
「だからさっさと俺を選べ、そんで戦いに行くぞ」
自らを選ぶように言い残し、彼は去ろうとするが、その寸前、ドアの前に割って入る者がいた。壱月君だ。
「待てよ!」
「なんだガキ?俺達は忙しいんだ…邪魔をするな…」
「おかしいだろ…なんでそんな平然としていられるんだ!?
死ぬんだぞ? 犠牲が当たり前?ふざけんじゃねぇよ!」
「ふざけているのはお前だ、ガキ! まさかここまで馬鹿だったとは…」
「俺は馬鹿で構わねぇが、あんたが死ぬ道理はないだろ?
なにカッコつけようとしてるんだよ!」
「はぁ話が通じんな……おい、そこの嬢ちゃん。こいつを連れ出せ…
《最善》もさっさと選べよ…」
わんわん喚いている壱月君を無視して、壁際にいる巴音さんに追い出すよう指示を出す。
「待てよ《最善》!まだ選んじゃダメだ!まだ他の道があるはずだ…
まだ……まだどこかに……そうだ!第三の選択肢!二人とも生き残れる新たな可能性があるはずだ!」
「いい加減にしろっ!!…クソガキっ!!」
「グハっ……ウッ……」
「壱月さんっ!!」
子どものように希望的憶測を宣う壱月君に《最低》がしびれを切らし、鳩尾に拳を入れ、さらには蹴り飛ばす。
蹴られた壱月君は壁にぐったりともたれ掛かりながらも、手を伸ばし《最低》を止めようとして虚空を掴む。
「なぁお前、いつも正義やら死神やらほざいてるくせに、人を殺したことないだろ?」
「………」
《最低》の問いに対して目を逸らし沈黙で答える壱月君。その様子を見れば誰もがわかる。彼は…
「図星か……やっぱガキはガキだな…」
「違う…俺は…」
「なにが違うんだ?……覚悟をしらねぇ…戦争をしらねぇ…
…手を汚したこともねぇ…ただ感情のままに動いて発言して…
…自分の思い通りに事が進まなきゃ駄々を捏ねる…
…これの何処が大人なんだ?
…これの何処を見てガキじゃないと言い切れるんだ?」
「俺は……ただ誰にも死んで欲しくないだけで…」
「それをガキだって言ってんだよっ!!」
久し振りに見る《最低》の激昂。どこまでも厳しく冷徹でド正論。もうこの場に彼の言葉を覆す者はいない。
「世のため人のため、皆のため自分のため、大いに結構!勝手にすればいい…
だがそれに巻き込まれた方はたまったもんじゃねぇ…
てめぇのシナリオは、てめぇが勝手に演じてろ!」
おそらく今まで思っていたことを全て口に出しているのだろう。全然収まる気配がない。
「覚悟もねぇくせに正義だなんだと叫んで、俺達の大切な時間を奪い、果てには戦う意義すら無くすような甘ったるい戯言をほざいて…
鬱陶しいんだよ!…神なら神らしく傍観してろガキ…俺達に関わるな…」
「な………」
ここまで言われればさすがの壱月君でも絶句するか押し黙るしかない。それほどまでに《最低》の言葉は重く、意味のあるものだ。
壱月君は戦争を知らない、自分が手を汚すことを知らない。だからあんなきれい事がすらすら出てくるのだろうけど、私たちはもう知っている。そんな虚言が通用しないことは…とっくの昔に…
「《最低》そこまでだ……《最善》指示を出してくれ…」
「あ、ああ。《最低》の言うとおり選択肢は彼の方を選ぶ。
《最低》…これが君の最後の仕事になる。心して取り掛かってくれ…」
「無論だ…」
「他の者に関して、《最術》は術師達をつれて尖兵団の足止め、及び率いている神の確保を。
《最剣》率いる星害担当課は織田軍の殲滅を。
《最高》は《最低》に付き従って、大将の首を取れ。《最低》の遺体も確保しろ。以上だ!」
ざっと思いつく限りの策を口にし、《最強》に最終判断を任せる。
「…よし。作戦開始ッ!」
「「「「了解ッ!!」」」」
《最強》が号令をかけ、到達者達が一斉に会議室から飛び出していく。
「行こうぜ相棒!」
「まったく君は呑気だな…」
《最高》と《最低》の二人が死地へと赴くのを会議室に残った私と《最強》と死神達は、もう見ていることしか出来なかった。
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