女の子を助けたら いつの間にかハーレムが出来上がっていたんだが

ko-suke

112話 恋は戦争、第二ボタン




月日というものは、流れるのは早いもの。

前まで2月の中旬ちゅうじゅんだと思ったら、もう3月だ。

今日は3月1日。



卒業式だ。




うちの高校は中学校よろしく、卒業式にも全員出席ぜんいんしゅっせき

とってもだるかった。

大好きな先輩だの、お世話になった先輩だのがいる人は、泣きながら見ていたが、俺は別にいない。

・・・迷惑めいわくをかけられた先輩ならいるけどな。

まぁ、そんなこんなで卒業式終了。

そのあとは、全員で横に並び、正門に歩いていく先輩方を見送った。

花束だの、手紙だの、色んなものを持っている人達を横目に、俺はパチパチと拍手はくしゅをするのだった。

・・・すると。

「あっ!」

1人の先輩が、こちらに気づく。

俺はその先輩と目を合わせないようにしたのだが、あえなく失敗。

こちらに小走りで来た。

・・・はぁ、仕方ない。

大和「お久しぶりです・・・元せい・・・いや、咲月先輩。」

咲月「うん、久しぶり。覚えててくれたのか。」

大和「まぁ、いろいろと思い出深い先輩でしたから。」

咲月「そっか。・・・あ、そうだ大和っち」

大和「なんですか?」

咲月「えっ、と・・・その、あとで話せないかな?」

大和「ここじゃダメなんですか?」

咲月「もっとゆっくりと話したいのさ。・・・ダメかい?」

大和「いや、ダメじゃないですけど・・・。」

咲月「よかった。じゃ、あとで体育館横に来てくれ!」タタッ

大和「は、はい・・・。」

ほんと、さわがしい人だなぁ・・・と思った。






ちなみに、ジェリーは理子と聖菜とともに、はしの方で遊んでいた。

あいつら・・・。




お見送りの後。

俺は早めに体育館横に行き、先輩を待った。

3分くらい後、先輩がタッタッタッと軽快けいかいな音を立てながらやってきた。

咲月「やぁ。待たせてすまない。」

大和「いえ、大丈夫ですよ。それで、なんでしょうか?」

咲月「えっと、ね・・・その、大和っち。お願いがあるんだ・・・。」

大和「お願い?」

咲月「あぁ。・・・大和っち。いや、大和くん。」

そう言うと、咲月先輩はガバッと90°体をまげ、こう言った。








咲月「大和くんの第二ボタンを頂けないでしょぉかあぁぁぁ!!」

大和「無理です。」




咲月「即答そくとう!?無理!?」

大和「はい。無理です。」

咲月「いや、えっと・・・なんで?」

大和「いやいや・・・おかしいでしょう?普通そういうのは、卒業する男子に、後輩の女子が言うやつですよ。」

咲月「そんなのは関係ない!私は・・・大和っちの第二ボタンが欲しいの!」

大和「いや、第二ボタンもなにも・・・うちの学校、学ランじゃなくてブレザーでしょうが。」

咲月「どちくしょおぉぉぉ!」

はは、ほんと騒がしい人・・・。

大和「第二ボタンは無理ですけど・・・これ。」

俺はポケットの中にある、ひとつのストラップを取り出した。

大和「昨日買ったんです。よかったらどうぞ。」スッ

咲月「ほ、ほんとにいいのかい?」

大和「えぇ。」

咲月「・・・っあ、ありがどう・・・大事にずるねぇ~!」ウァァァン

大和「はは・・・大丈夫ですか?」ナデナデ

まさか泣いて喜ぶとは・・・まぁ、嬉しそうで何より。













あのストラップ、ガチャガチャのハズレだしな。処分に困ってたんだ。もらってくれて、しかも嬉しそうなんてな・・・よかったよかった!



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コメント

  • ミラル ムカデ

    おい大和そこ座れ!!

    1
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