女の子を助けたら いつの間にかハーレムが出来上がっていたんだが

ko-suke

83話 1番のホラーは天気と無邪気




俺は今、屋上にいる。

冬晴ふゆばれの天気で、とても太陽たいようが気持ちいい。

からっとしているが、とても心地よい風がいた。

あぁ、なんて素晴すばらしいんだろう。

今日はなにか、いい事がおきそうだ。











・・・なんて。

大和(それとは裏腹うらはらに、最悪さいあく事態じたいおちいっているんだけどね?)

俺は目の前の先輩を見て、心の中でため息をついた。

大和「・・・で。屋上まで連れてきて、なんのようなんですか?」

俺はさっさと終わらせたいがために、ストレートに聞いた。

元生徒会長「その前に名乗っておこう。私だけ君の名前を知っているのは、不公平ふこうへいだからね。」

目の前の先輩は、清々すがすがしいほどの笑顔で自分の名前を言った。







元生徒会長「私は、道村みちむら 咲月さつき。知っての通り、元生徒会長さ。」




大和「咲月先輩、ですか。分かりました。・・・一応、俺の方も自己紹介じこしょうかいしときますね。」

俺はそういい、名前を言おうとした。



咲月「あぁ、自己紹介ならしなくていいよ。君のことなら、生徒会長時代に調べあげたから。」

そう、告げられた。




・・・はい?

大和「ちょ、調べあげたって・・・。」

咲月「文字通り、そのままの意味だよ。といっても、資料しりょうとかを見たわけじゃない。先生や同級生に聞いたくらいだ。」

大和「あぁ、そういう・・・。」

俺は少し安堵あんどした。

が、俺はここである違和感いわかんに気づく。

大和「・・・あれ?でも咲月先輩、俺の名前知らなかったじゃないですか。」

前の話を見てもらえば分かるのだが、先輩は理子の言葉に「大和と言うのか。」と答えていた。

つまり、俺の名前を知らなかったということ。

咲月「それなんだけどな・・・。」

先輩が落胆らくたんして言う。

咲月「苗字みょうじは教えてくれるのだけど、名前だけはかたくなに教えてくれなかったんだ・・・。」

大和「えぇ・・・。」

ため息まじりの声が出た。

大和「なんでそんなことが・・・?」

俺は気になって聞いてみた。

なんだろう、きらわれてるのかな?なんて思いながら。

・・・が。

先輩から返ってきたのは、予想をななめ上にいく言葉だった。



咲月「・・・なんでそうなってるのか、気づいてないの、大和っち?」




大和「・・・ぅえ?いや、分かりませんけど・・・てか、大和っち?」

俺はどこぞのたまごにつけるような言葉に、少しとまどった。

咲月「・・・なんにも知らないのか・・・。自分で気づいてないのって、恐ろしいね・・・。」

大和「はい?え、と、気づいてなきゃダメなんですか?」

咲月「普通は気づくよね、って話さ。ここまでいっても、なんも分からない?」

大和「全くもって分かりません。」

俺は率直そっちょくな感想を述べた。だけなんだけど、先輩に大きなため息をつかれた。

咲月「・・・じゃあ、なんにも知らない大和っちのために教えてあげる。君はね・・・」

先輩は、真顔まがおになった。

俺は、その顔に怖気付おじけづく。

まぁでも、すごい嫌われてて、れ物あつかいされてるとかだろう。

・・・けど。

先輩が言ったのは、俺の予想など何処かに飛ばされてしまうのではないか、というほど衝撃的しょうげきてきで、ビックリする言葉だった。














咲月「君は、3年の女子の中ではとても人気でね。ひっそりと・・・いや、結構けっこう大胆だいたんに、ファンクラブまで出来るほどなんだよ。」





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