女の子を助けたら いつの間にかハーレムが出来上がっていたんだが

ko-suke

75話 幸せは1にして成らず




教室はしずまりかえったまま、ズルズルと時は流れ、放課後ほうかご

俺は、理子と聖菜のあとについて行くことにした。

何もしないよりかは、いいと思ったから。

2人は無言で、歩き続けた。







2人はある部屋の前でピタッと止まった。

その部屋というのは、もちろん
遊戯室ゆうぎしつ

2人はだまってドアを開けた。

俺は閉まる前に中に入った。



・・・そこには

今までのあいつらからは微塵みじんも感じられなかった空気がただよっていた。

理子も、聖菜も、雫も、奈緒も、加奈も、中守先生も。

みんな、ただただ呆然ぼうぜんとしていた。

俺はその空気に圧倒あっとうされ、しりもちをついた。




すると、ずっと黙っていた理子が立ち上がり、口を開いた。

そして、こんなことを言った。



理子「・・・もう、限界げんかいだよ。・・・みんな、死のう?」




・・・は?

何を、言ってんだ?

俺は目を見開き、おどろいた。

ただ、驚愕きょうがくした。

理子が立ち上がった時にたまたま見えたパンツで興奮こうふんしないほどに。

俺は、きっとみんなが拒否きょひしてくれるだろうと思っていた。



・・・でも。

俺の予想は外れた。

聖菜「・・・そうだね。もう、私も我慢がまんできない。」

雫「・・・大和くんに会いたい。」

奈緒「・・・大和先輩と、ずっといっしょにいたい・・・です。」

加奈「死んで、大和のところに行きたい。」

中守「・・・死ねば、大和くんに会えるよね?」
 
理子「・・・きっと、会えます。」

聖菜「そうだよね・・・。」

やめてくれ・・・やめてくれよ!

お前らが死んでどうするんだよ!!

俺がなんで死んだかは分からんけど、死んだって俺には会えねぇよ!

俺は、ここにいる!!


・・・そう、言ってやりたかった。

でも、その言葉は届くはずもなく。

みんな立ち上がり、かばんから包丁を取り出した。

理子「じゃあ、みんな」

やめろ・・・。

聖菜「また、あの世で。」

やめろ・・・!

6人「・・・さよなら」

大和「やめろおぉぉぉっ!!」

俺は、そう言った。

・・・けど。

俺の言葉は、届かなかった。

みんな包丁を首にあてがい、そして・・・。

・・・俺の目の前が、真っ暗になった。




大和「・・・ここは。」

俺は、真っ白な空間にいた。

前にも、来たことのあるばしょ。

そう、ここは。

ヴィーナス「・・・や。」

大和「・・・ヴィーちゃん・・・。」

神様の部屋だった。

アフロディーテ「どう?私たちの夢。」

大和「夢・・・。そう、だよな。夢だよな。・・・本当に、夢でよかった・・・っ。」

ヴィーナス「なんでこんな夢を見せたと思う?」

大和「・・・え?」

皆目かいもく検討けんとうもつかなかった。

アフロディーテ「・・・君が、『俺のことはいいから、理子たちを幸せに』なんてれたこと言うからだよ。」

大和「っ!!」

ヴィーナス「・・・いい?大和くん。」

大和「・・・?」

ヴィーナス「あの子たちのしあわせには、君が必要なんだよ。」

大和「俺が・・・?」

アフロディーテ「そ。だからさ」

ディーテちゃんが俺の頭をでる。

すると、急に眠気ねむけが俺をおそった。

大和「ディーテ、ちゃん・・・。」

ディーテちゃんは、にっこりと微笑ほほえんでこう言った。








アフロディーテ「大切にして、そして幸せになりなよ?私たちの分まで、ね♪」




大和「・・・ん。」

俺は目を覚ました。

いやな夢ではあったけど、学ぶものもあった。

俺はスッと起き上がる。

・・・が。

大和「さっみいぃぃぃぃ!!」

夢同様、クソ寒かった。

ふと、俺はとなりをみた。

・・・そこには

妹、鈴の姿があった。



・・・まだ、夢の途中なのか?

俺はそう思い、鈴に手を近づけた。

・・・今度はちゃんと、れることが出来た。

すると、

小鈴「おにぃ・・・大好きぃ・・・zzz」

なんて声が聞こえた。


・・・はは、俺はなにをしてんだろうな。

妹に、あんな顔させて。兄失格だこんちくしょう。

大和「・・・俺もだ、鈴。」

俺は鈴のおでこにキスをした。





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