女の子を助けたら いつの間にかハーレムが出来上がっていたんだが
71話 大変でオワタな大晦日
12月31日。大晦日。
人通りの少ない俺の街も、この日ばかりは少し賑やかだった。
そんな街を横目に、俺は冬休みの宿題をやっていた訳だが。
まぁ、今やらないと後で死ぬし?
そんなとき、ベッドの上に置いていたスマホが鳴り出した。
俺は立ち上がり、スマホを拾う。
着信は、理子からだった。
トッ
大和「もしもし。」
理子『あっ、大和!元気?』
大和「おう、一応な。」
理子『コタツムリになってない?』
大和「俺を除いた大和家は絶賛コタツムリ中だが?」
理子『へぇ、珍しい。』
大和「ほっとけ。」
理子『あ、それでさぁ、今日の夜暇?』
大和「ん~・・・多分な。」
理子『そっか。聖菜ちゃん達と、学校の近くの神社に集まろうと思うんだけど。』
大和「夏祭りやったとこか。いんじゃね?」
理子『分かった!とりあえず、22時集合ね!お金とスマホさえあればいいから!』
大和「ん、わかった。ちなみに、鈴も連れてってもいいか?」
理子『ん、別にいいけど?』
大和「ん、そか。」
俺は横を見る。
そこには、「連れてけ」とでかでかと書いた紙を持った、妹の姿があった。
理子『じゃ、そゆことで。バイビー!』
ツーツーツー
大和「さて、と・・・」
俺は鈴の方を見た。
大和「妹よ、いつからそこにいたんだ。」
小鈴「おう、一応な。の辺りから。」
大和「ほとんど最初からじゃねぇか。」
無駄にステルス性の高い妹を持ってしまったようだ。
大和&小鈴「いってきまーす。」
父&母「気をつけてな(ね)~」
俺たちは家を出て、神社へ向かった。
ちなみに、鈴がどうしても、と言うので、お揃いのパーカーだ。
理子「大和ー!」
道中で理子と会い、一緒に行った。
理子は何故かこっちを不機嫌そうな目で見て、鈴が勝ち誇った顔になっていた。
神社にて。
聖菜「あっ!おーい!」
聖菜が大きく手を振る。
俺は片手だけあげ、答えた。
雫「皆さん、おそろいで。妹さん、こんばんは。」
奈緒「久しぶりなのです。」
聖菜「少し大きくなったんじゃない?」
小鈴「こんばんは!おにぃを私から奪い取ろうとするクソ共さん!」
小鈴が、とびっきりの笑顔でそういった。
3人がキレているのがすぐ分かった。
大和「こら鈴。人生の先輩にそんなこと言っちゃダメだろ。」コツッ
小鈴「あいたっ!ごめんなさい!」
鈴がぺこりと頭を下げる。
大和「ごめんな・・・雫、奈緒、聖菜。」
3人「あっ、いや・・・こちらこそ(なのです)。」
3人が引きつった顔で答える。
どうしたんだ?
理子「や、大和・・・顔、顔!主人公がしちゃいけない顔してる!怖いからやめて!」
大和「メタいなぁ、もう・・・」
俺は笑顔で接していたつもりだったが・・・。
聖菜「大和くん!あっちに屋台あるよ!行こ!」
大和「え?ちょ、おい!引っ張るなっ!」
理子「抜けがけは!」ダダダ
奈緒「絶対に!」ダダダ
雫「許しません!」ダダダ
小鈴「おにぃを返せー!」ダダダ
はぁ、全く・・・。
大晦日だってのに、全くゆっくりできそうになかった。
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