夢日記

日々谷紺

16年間過ごした家

子を放置してる冷めきった家庭の子供になって16年間過ごして高校生になったある日にとうとう怒り爆発して「こんな状態のまま何のために共同生活してるんですかね」って大声で泣きながら切れる夢。

1時間で16年分の夢をみた。

小さい頃は家にほとんど親がおらず、外で遊んでいると近所の人が代わる代わる構ってくれた。みんな変人だった。

特にジュディという、短く刈り上げてソフトモヒカンのような髪型にした、細身で心が女性の男の人が印象的だった。彼は、とても私を可愛がってくれた。

彼が子供大好きでよく構ってくれたのは、自分には産めないためだったと思うと、ニコニコした笑顔はもっと複雑な感情を携えていたのかもしれない。

彼は今でも嬉しそうに挨拶してくれる。きっと、家族よりも親しい。

私の家は、床はフローリング、と言うよりは歩くとぎいぎい音が鳴る古い小学校の床の板張りといった方がしっくりくるボロくささ、家具がほとんどなくて真ん中に食卓が一つあるのみだ。それなのにそこに家族4人が集まることは滅多にない。

ニワトリを飼っていた。子供の頃、よく追いかけた。
通っている小学校のすぐ隣の家の前に犬小屋があって、そこの主の柴犬に話しかけてから帰宅していた。
小学生の頃のほうが、何も知らない分無邪気で楽しくいられたためか、小学生の頃の記憶ばかり残っている。

憎かった家族も、心優しいジュディも、目を覚ますとどこにも居ない。2度と会えない。

泣きながら唇の皮を剥いた感覚がリアルだった。目覚めたら夢の中ほど唇はカサカサしていなかった。

冷たい家族も家族なりに事情があった。例え私が理解できないクズな理由でも、家族にとってはそうするしかできない理由だった。

それも、もう、ほとんど覚えていない。


20170319

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