異世界転移は分解で作成チート

神無木雷兎

第124話 便利すぎる。

第124話 便利すぎる。


〜闘技場〜

 一一普段はうるさい闘技場だが、この日はゼロが何かをしたようで誰も人がいなかった。
 そのためアレスが少々怪しんだが、ギルドのものが手配したのだと勝手に勘違いし、ゼロがやったと思われずに済んだ。



 あの後ギルド退出後、アレスはすぐに普段の冷静さを取り戻した。

 そして現在、アレスの意識はゼロの分析や看破(鑑定の上位)へと移っていた。

 アレスがゼロを看破、分析をしてみて思ったことは、確かに強いということだった。

 だがそれもSSランク止まりであって、決してSSSやEXになれるほどの力はないと感じた。


 ……余談だが、アレスの看破はLv7であり、自身に見破れないものは無いと思い込んでいる。その為、ゼロのステータスが偽造したものだとは気づいていない。


 アレスはゼロのランクや実績が偽りだと思い、『やはり自分の考えは間違っていなかった。』『ギルドマスターは騙されている。』と思った。

 ……だが、それでもなんとも言えないような恐怖感と違和感が体を支配していた。


「よし。それじゃあアレスくん。始める前に簡単にルール説明をするよ。
 その1、どちらかが気絶するか降参と言ったら終了。
 その2、武器、スキル、魔法の使用可。
 その3、相手を殺してはいけない。
わかった?」

「はい。」

「ではスタート!」

 と、ゼロが開始の合図をしたすぐあと、アレスはゼロに向かい走ってきた。

「はァっ!」

 アレスはゼロに絶え間なく斬りかかるが、ゼロも剣で難なく対抗する。

 斬る、防ぐ、斬る、防ぐ。時折弾く、流す。

 まさに一進一退の攻防戦。2人の足元では砂埃がまい、衝撃ででこぼこになっていった。
 だが、両者ともに疲れは見えない。

 長く続くと思った攻防戦だったが、すぐに飽きたゼロが終止符を打とうとした。

「うん。なかなかやるみたいだね。これならもう一段階上げてもいいかな?」

「・・・どういうことですか?」

「こういうこと。…」

「ッ!?」

 ゼロは一段階ギアを外し、さっきとは比べ物にならない連撃を放った。

 だが、そのゼロの連撃を全て防ぎ、弾き、流すアレス。

 ゼロは連撃を防いでいるアレスを見てやや感心した。

「へー。こんな連撃に耐えられるんだー!凄いねー。ならもう1段階いってみる?」

「な一一」

 ゼロは問答無用というようにもう一段階ギアを外した。

「っく一一」

 アレスがやや苦しそうに声を上げ防いでいく。だが、全てを防ぐことは出来ず、数発当たってしまう。

 それでもほぼほぼ防いでるアレスをみて、もう一段階あげようとしたところで一一

「こ、降参ッ!!」

 一一アレスが降参した。

◇◆◇◆◇

「いやー。……一気にSSSランクいくくらいだから凄く強いのかと思ってたけど、まさかこんなにとは……。想像以上だったよ。」

「はははー。ありがとう。あ、でどうかな?合格?」

「うん、もちろん。・・・と言っても僕が決めることじゃないしね。・・・今更だけど。」

 本当にな。まぁ、暇つぶしにはなったし構わんけどな。あと他のSSSランクの冒険者繋がりもできたことだしな。悪くは無い。


 一一その後、アレスと冒険談をしたり、愚痴を言い合ったりして数時間がすぎた。

「っと、もうこんな時間か!いやー、君といると楽しくって時間を忘れちゃうねー。
 あ、でも僕、ちょっと行きたいところあるから、そろそろ行くね。また会ったら一緒に話そう!今度は酒を混じえながらね!」

 アレスはそういうと走って外に出て行った。

「ん。じゃあな!またいつか!」

 あ、ちなみに、話し方だが、会話中についつい素で話してしまってその後、そのまま素で話せって言われたからそうした。
 まぁ、こっちのが楽だからな。


 一一そして、俺もアレスの後に続いて外に出ると太陽が真上を登っていた。どうやらお昼時のようだな。

「うしっ。適当に屋台で飯食って依頼やりに行くか。」

◇◆◇◆◇◆

 ふぃー。美味かったー。いやー、やっぱり外で食うと一味違った感じがしていいよなぁ。
 今度屋敷のみんなで外に食べに行くのもいいかもな。・・・ま、それは今度決めればいいか。

 よし、んじゃ気を取り直して、早速依頼にあった封印の洞窟に行こうかねぇ。

 ・・・あれ?今更だけど、封印の洞窟ってどこや?・・・ま、別に場所わかんなくてもいいや。

 え?なんでかって?そりゃーもちろん一一

「『封印の洞窟に転移』」


〜封印の洞窟F1〜

 一一権能コレ使えば簡単に転移できるし。
 ・・・俺の中で1番チートなのって絶対「絶対権能コレ」だよな。

 ……さ、俺の異常性の再確認はこれくらいでいいとして。さっさと行こうか。

 一一ゼロはそう言うと意気揚々と洞窟内奥部へと進んで行った。

 そして、記念すべき第1魔物が登場。出てきた魔物は「マーダースネーク」。
 通常の蛇に較べ体が大きく、毒性はないが、骨をも噛み砕く強力な顎を持っている。

「まぁこれくらいなら余裕だな。」

「シュアッ!?一一アァァァァ……。」

 一一ゼロはマーダースネークの首部分を斬って殺した。

「・・・? そういや、普通の蛇とかって首切っても少しの間動くんじゃなかったっけ?全く動いてないけど。・・・まぁ異世界だし、地球とは体の構造が違うのかもな。」


 一一ゼロは「まぁ気にする程でもないか」と思い、そのまま進んだ。



・雑談
 どうでもいいですが、これを書いてるのってこれが投稿される1時間くらい前です。どうもテトです。

・天使
 妹カワユス。マジ天使。ミルクあげる時とか抱っこする時とかもうヤヴァイ。

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