俺、異世界でS級危険人物に認定されました
ギルド立ち上げたいと思います! 1
町から出て約二日。食料には何も困らず、寧ろ外で暮らした方が安全なのではと言うぐらいな生活をしていたハル達は、次にどの町へ行こうか悩んでいた。
「なぁ、この近くになんか町あったっけ?」
「私は知らないわ。っていうかハル、あんたの能力やっぱり便利過ぎるわ。疑われても仕方ないわ」
「いやでもなぁ〜、そう言われても、俺は人を助けたいと思ってこの力を貰ったわけで……」
この時、ここに来る時の神の言葉が蘇る。
俺、使いかた間違えたのかな……。
「まぁうだうだ言っても広まっちまったものは仕方ない。とりあえず、お前は町に入る時は顔を偽造しとけー」
「そうするよ。でさ」
「「なに?」」
ハルは思ったままの事を口にする。この状況の事を。
「なんで俺達はこんなに盗賊に囲まれながらそんな話をしなきゃならないの?」
「「…………」」
「あのー、盗賊の方々。申し訳ないんだけど、何も持ってないから見逃してくれませんか?」
「何言ってやがる! 俺らは盗賊。人の物盗んでなんぼの世界で生きてんだよ!」
それ胸張って言える事じゃなくね?
「それになぁ、お前らさっきから美味そうなもん食い散らかしてただろ? それ俺らにもよこせや」
「かーちゃんに言われなかった? 人に物もらう時は敬語で頼めって?」
「う、うるせぇ! かーちゃんは関係ないだろ! お、お前らやっちまえぇ!!」
ー五分後。
「「ずびばべんでじだ。もうじまじぇん」」
「はぁ。いいか? これはお情だ。俺の良心的な心があるから、お前らにやるんだぞ? これ使って、かーちゃんに恩返ししろよ?」
「ばかりばびだ。びっじょうばずれまべん」
「よろし。じゃあ解散!」
その号令と共に、盗賊共は帰っていった。これに懲りたら、もう盗賊はやめて欲しいもんだ。
「お前、お人好し過ぎね?」
「いやいや、他の人あたられるより、俺らで終わらせた方が周りの人のためだろ?」
「ま、それがお前か。じゃ、さっさと歩きながら次行く所決めよーぜ!」
「だな〜」
「なら、私行きたいところあるんだけど」
「「どこ?」」
「場所はハッキリわからないんだけど、最も転生者が多いと言われている町、メルスタンって所に行きたいんだけど」
「それ本当か? 転生者が多くいるって」
「確かな情報筋からの情報よ。そこは安心してもいい」
「なら、まずマップを作らなきゃな?」
「そーなりますよね。じゃ、この世界の全域マップを創作っと!」
掌の上に、正方形の縦横一メートルぐらいの紙が出現し、その紙にじわじわと地図が浮かび上がってくる。
これ、何でも作れちゃうのって怖いよな……。
「よしできたっ!」
「「ほぉ〜」」
「俺達が居たのがここだから……メルスタン、メルスタンっと……あった! ……ここから二キロか。そう遠くないし、今からなら三十分くらいで着くだろ!」
「だな! よし、じゃあ出発!」
それから三人は歩き始め、メルスタンへと向かう。
メルスタン。その国は、先程言われた通り転生者が多くいる。その場所では、必要な物が全て手に入り、場所としても完璧、そしてなんと言っても、人口六百万人もの数が入る程の広さの町なので、人気があるのだ。
歩き始めて十分、セイヤは頭の後ろに手を組みながらミナに質問する。
「ミナは、なんでその町に行こうと思ったの?」
「だってさ、三人だけだとつまらないし、せめて転生者だけでも理解して貰いたいじゃん?」
「あー、ハルの事か。それは確かにそうだな。仲間が多い方がいいよな」
「俺のために……お前ら……愛してるよ」
ミナは何故か顔を赤くし、セイヤはハルの背中をバシバシと叩き、「そうかそうか!」と言いながら一人笑っている。
さらに歩き続け、メルスタンが見えてくる。だが、何やら冒険者が外に多く出ている気がする。モンスターを倒してレベルを上げているようだ。
「おいハル、顔を偽造しとけ。見られないうちにな」
「そうだな。ついでにお前らは俺の事ハルって呼ぶなよ?」
「じゃあナツって呼ぶわ。わかりやすくていいだろ?」
「まさか、春の次が夏だからとは言わないよな?」
「ままま、まさかな〜?」
「「お前はアホだセイヤ」」
「ふ、二人揃って言うな!」
そんなことを言いつつも、現地に到着し、中へと入る。その際、見張りの兵に身分証明書を見せ無ければならなくなり、咄嗟に偽の物を作る。
そういや、本物の形見たことないな……。
そして、取り出した物は……。
偶然、本当に偶然だが、作ったものと全く同一の形をしていた。どうやら、この能力は"本物"を作れてしまうらしい。
なんとも恐ろしい能力なんだ。
検問を突破し、メルスタンの中へと入る。
そこは、以前いた町とは全くの別世界のようだった。
「なぁ、この近くになんか町あったっけ?」
「私は知らないわ。っていうかハル、あんたの能力やっぱり便利過ぎるわ。疑われても仕方ないわ」
「いやでもなぁ〜、そう言われても、俺は人を助けたいと思ってこの力を貰ったわけで……」
この時、ここに来る時の神の言葉が蘇る。
俺、使いかた間違えたのかな……。
「まぁうだうだ言っても広まっちまったものは仕方ない。とりあえず、お前は町に入る時は顔を偽造しとけー」
「そうするよ。でさ」
「「なに?」」
ハルは思ったままの事を口にする。この状況の事を。
「なんで俺達はこんなに盗賊に囲まれながらそんな話をしなきゃならないの?」
「「…………」」
「あのー、盗賊の方々。申し訳ないんだけど、何も持ってないから見逃してくれませんか?」
「何言ってやがる! 俺らは盗賊。人の物盗んでなんぼの世界で生きてんだよ!」
それ胸張って言える事じゃなくね?
「それになぁ、お前らさっきから美味そうなもん食い散らかしてただろ? それ俺らにもよこせや」
「かーちゃんに言われなかった? 人に物もらう時は敬語で頼めって?」
「う、うるせぇ! かーちゃんは関係ないだろ! お、お前らやっちまえぇ!!」
ー五分後。
「「ずびばべんでじだ。もうじまじぇん」」
「はぁ。いいか? これはお情だ。俺の良心的な心があるから、お前らにやるんだぞ? これ使って、かーちゃんに恩返ししろよ?」
「ばかりばびだ。びっじょうばずれまべん」
「よろし。じゃあ解散!」
その号令と共に、盗賊共は帰っていった。これに懲りたら、もう盗賊はやめて欲しいもんだ。
「お前、お人好し過ぎね?」
「いやいや、他の人あたられるより、俺らで終わらせた方が周りの人のためだろ?」
「ま、それがお前か。じゃ、さっさと歩きながら次行く所決めよーぜ!」
「だな〜」
「なら、私行きたいところあるんだけど」
「「どこ?」」
「場所はハッキリわからないんだけど、最も転生者が多いと言われている町、メルスタンって所に行きたいんだけど」
「それ本当か? 転生者が多くいるって」
「確かな情報筋からの情報よ。そこは安心してもいい」
「なら、まずマップを作らなきゃな?」
「そーなりますよね。じゃ、この世界の全域マップを創作っと!」
掌の上に、正方形の縦横一メートルぐらいの紙が出現し、その紙にじわじわと地図が浮かび上がってくる。
これ、何でも作れちゃうのって怖いよな……。
「よしできたっ!」
「「ほぉ〜」」
「俺達が居たのがここだから……メルスタン、メルスタンっと……あった! ……ここから二キロか。そう遠くないし、今からなら三十分くらいで着くだろ!」
「だな! よし、じゃあ出発!」
それから三人は歩き始め、メルスタンへと向かう。
メルスタン。その国は、先程言われた通り転生者が多くいる。その場所では、必要な物が全て手に入り、場所としても完璧、そしてなんと言っても、人口六百万人もの数が入る程の広さの町なので、人気があるのだ。
歩き始めて十分、セイヤは頭の後ろに手を組みながらミナに質問する。
「ミナは、なんでその町に行こうと思ったの?」
「だってさ、三人だけだとつまらないし、せめて転生者だけでも理解して貰いたいじゃん?」
「あー、ハルの事か。それは確かにそうだな。仲間が多い方がいいよな」
「俺のために……お前ら……愛してるよ」
ミナは何故か顔を赤くし、セイヤはハルの背中をバシバシと叩き、「そうかそうか!」と言いながら一人笑っている。
さらに歩き続け、メルスタンが見えてくる。だが、何やら冒険者が外に多く出ている気がする。モンスターを倒してレベルを上げているようだ。
「おいハル、顔を偽造しとけ。見られないうちにな」
「そうだな。ついでにお前らは俺の事ハルって呼ぶなよ?」
「じゃあナツって呼ぶわ。わかりやすくていいだろ?」
「まさか、春の次が夏だからとは言わないよな?」
「ままま、まさかな〜?」
「「お前はアホだセイヤ」」
「ふ、二人揃って言うな!」
そんなことを言いつつも、現地に到着し、中へと入る。その際、見張りの兵に身分証明書を見せ無ければならなくなり、咄嗟に偽の物を作る。
そういや、本物の形見たことないな……。
そして、取り出した物は……。
偶然、本当に偶然だが、作ったものと全く同一の形をしていた。どうやら、この能力は"本物"を作れてしまうらしい。
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