Lv.1なのにLv.MAXよりステ値が高いのはなんでですか? 〜転移特典のスキルがどれも神引き過ぎた件〜
《幕間》集束する世界
小鳥遊 優。前周回から今周回の間に無くなった世界にいたはずの人間が今、この場所にいる。
ロキの計画の中での異分子のひとつである龍神と名乗った高次元生命が管理した辺境の星。
魔神と鬼神が3周目の宇宙を作り上げる時に邪魔な星として破壊され、あの星に転移した際に神装という概念を手に入れた彼も、あの星とはなんの関わりもなく普通の人間として生まれ、なんの関わりもなく成人を迎えたのを確認していた。
ロキは頭痛を抑え、頭の中で激しく叫び声をあげる声を必死に抑えながら、町中を走る狼と蛇をバルトラの陣に向かわせる。
他の星の神の干渉は絶対に許してはならない。不用意な干渉によって魔神や鬼神の気を妨げるようなことがあれば、まずこの計画が頓挫してしまう。
完全につながりをシャットアウトできなかった自分の責任だが、まさか無関係になった人間と消えたはずの神が干渉してくるなど誰も思いもしないではないか。
雑にネガティブな思考を続けると次第に声は消えていく。
希望的観測を常々行っているほどオレは暇じゃないんだよと、存在するのかすらわからない声の主に返答をして、ロキは箱の中身である異端を探し続けることにした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
煌々と輝く焔の中、死んだはずの神性達がそこに姿を現す。
それどころか神性には値しないと、歴史に名をとどめる程度でとどまり、志半ばで消えていった英雄豪傑偉人達が一堂に会し、狼と蛇を駆逐していく。
「全く、本来の私たちにとって変わったみたいでちょっとバツが悪いけれど、目の前で命が蹂躙されていくのはやっぱりいただけないわね」
女神へスティア、の概念を抽出した思念体がそう口に出す。
とある異世界に転移した人間が、自分は確かに地球に生きた人間なのだと、自分の知りうる知識は決して幻想などではないのだと、自信のできる限り知り得る地球の神や偉人の情報をとある洞窟の壁に書き記し、その男が死ぬと同時にそれは地球と糸よりも細い線で結ばれた。
男が死んだ時のたった一つの願いによって、星を司っていた多くの神々という概念の一部分、死した偉人の魂は世界を渡り洞窟の壁内に押し留められ、再び世に必要とされるときを今か今かと待ちわびた。
それが1000年以上の時を超えて、その願いを叶える者達が現れ能力を解放し始める。
そしてその多くを解放、使役して星の崩壊を防いだのが小鳥遊 優という男だった。
魔王という権能により尽きることの無いエネルギーを手に入れながら、それを結果善行にのみ使い捨てた男。
その男がその無限のエネルギーにより、かの偉人や神々の起こした奇跡を再び具現化させる。
「獣共の駆逐など私に任せておけば直ぐに片付く!」
意気揚々と前線に飛び出すはブリテンの偉人、騎士王アーサー・ペンドラゴン。
王はその聖剣を見知らぬ民衆のために振り、悪なる獣たちを討ち滅ぼす。
「済まないが銀なる剣士、我が氷雪を人共に当たらぬよう計らってくれ」
「あぁ、承知した」
アーサーが猛威を振るうすぐ近くでは、最早地上からでは胸元すら拝見することも叶わない巨大な体を持つ原始の巨人が、自身とかかわりの深い世界より氷雪の世界を再現していた。
そんな無差別に振るわれたその氷雪の弾丸の間を、銀という剣士が放った火の一閃がスルスルと通り、獣に当たるものは放置、人に害を成す弾丸を熱で蒸発させる。
「相変わらず一宮君の技はエグいねぇ」
一閃を放った剣士の横に、トレンチコートを纏った見た目20代前半の青年が現れる。
「お前自分がやってる事をよく見てから言った方がいいんじゃないか?」
剣士は苦笑いしながらそう答え、最後にこう付け加えた。
「なぁ? 黒剣の魔王」
「ハハ! また懐かしい呼び名だね」
2人はその黒剣の魔王という単語で少しだけ懐かしんだかと思うと、しかし昔話はまたこれが終わったあとだと言って青年が再びその場から姿を消した。
「全く、忙しい王様だよアイツは」
再び1人になった剣士、一宮 銀は再び原始の巨人ユミルを再現した存在のサポートを続けた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ハッハハハー! 壊しても壊しても無くならんとはこれは嬉しいものだなぁ!」
「公爵、少し落ち着いてください」
イリアが一時的に座を開けた今、魔神と鬼神を復活させようという残りの3魔王の活発化した動きが目立つようになった。
廃墟と化した街に無限に湧き続ける、黒く顔のない人型の化け物。
「全く、どんだけオリジナリティが無いんだよこの世界は」
「全くその通りでござんすねぇ玉兎さん!」 
「うるせぇよホワイトゴーント、お前もこいつらの退治終わったら駆逐対象だコラ!」
「えぇ、そんな酷いですよぅ」
黒い化け物がそのまま白くなった化け物が、玉兎の脇で子供が銃を構えるのを真似るように人差し指を突き出し、エネルギー弾を黒い化け物に撃ち続ける。
「幸一くん、今はそれどころじゃないから!」
「相変わらず厳しいなぁ美莉愛ちゃんは」
白いナイトゴーントの横に立って同じようにエネルギー弾を放つのは白髪ツインテールの少女。
幾つもの世界が交錯し、3周目の宇宙はついに終焉への道を歩み始める。
終わりゆく宇宙のその歩みを止めたい者、ゆるりとしたその歩みを疾走に変化させたい者との対立が、3周目の宇宙を混沌とさせていく。
ロキの計画の中での異分子のひとつである龍神と名乗った高次元生命が管理した辺境の星。
魔神と鬼神が3周目の宇宙を作り上げる時に邪魔な星として破壊され、あの星に転移した際に神装という概念を手に入れた彼も、あの星とはなんの関わりもなく普通の人間として生まれ、なんの関わりもなく成人を迎えたのを確認していた。
ロキは頭痛を抑え、頭の中で激しく叫び声をあげる声を必死に抑えながら、町中を走る狼と蛇をバルトラの陣に向かわせる。
他の星の神の干渉は絶対に許してはならない。不用意な干渉によって魔神や鬼神の気を妨げるようなことがあれば、まずこの計画が頓挫してしまう。
完全につながりをシャットアウトできなかった自分の責任だが、まさか無関係になった人間と消えたはずの神が干渉してくるなど誰も思いもしないではないか。
雑にネガティブな思考を続けると次第に声は消えていく。
希望的観測を常々行っているほどオレは暇じゃないんだよと、存在するのかすらわからない声の主に返答をして、ロキは箱の中身である異端を探し続けることにした。
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煌々と輝く焔の中、死んだはずの神性達がそこに姿を現す。
それどころか神性には値しないと、歴史に名をとどめる程度でとどまり、志半ばで消えていった英雄豪傑偉人達が一堂に会し、狼と蛇を駆逐していく。
「全く、本来の私たちにとって変わったみたいでちょっとバツが悪いけれど、目の前で命が蹂躙されていくのはやっぱりいただけないわね」
女神へスティア、の概念を抽出した思念体がそう口に出す。
とある異世界に転移した人間が、自分は確かに地球に生きた人間なのだと、自分の知りうる知識は決して幻想などではないのだと、自信のできる限り知り得る地球の神や偉人の情報をとある洞窟の壁に書き記し、その男が死ぬと同時にそれは地球と糸よりも細い線で結ばれた。
男が死んだ時のたった一つの願いによって、星を司っていた多くの神々という概念の一部分、死した偉人の魂は世界を渡り洞窟の壁内に押し留められ、再び世に必要とされるときを今か今かと待ちわびた。
それが1000年以上の時を超えて、その願いを叶える者達が現れ能力を解放し始める。
そしてその多くを解放、使役して星の崩壊を防いだのが小鳥遊 優という男だった。
魔王という権能により尽きることの無いエネルギーを手に入れながら、それを結果善行にのみ使い捨てた男。
その男がその無限のエネルギーにより、かの偉人や神々の起こした奇跡を再び具現化させる。
「獣共の駆逐など私に任せておけば直ぐに片付く!」
意気揚々と前線に飛び出すはブリテンの偉人、騎士王アーサー・ペンドラゴン。
王はその聖剣を見知らぬ民衆のために振り、悪なる獣たちを討ち滅ぼす。
「済まないが銀なる剣士、我が氷雪を人共に当たらぬよう計らってくれ」
「あぁ、承知した」
アーサーが猛威を振るうすぐ近くでは、最早地上からでは胸元すら拝見することも叶わない巨大な体を持つ原始の巨人が、自身とかかわりの深い世界より氷雪の世界を再現していた。
そんな無差別に振るわれたその氷雪の弾丸の間を、銀という剣士が放った火の一閃がスルスルと通り、獣に当たるものは放置、人に害を成す弾丸を熱で蒸発させる。
「相変わらず一宮君の技はエグいねぇ」
一閃を放った剣士の横に、トレンチコートを纏った見た目20代前半の青年が現れる。
「お前自分がやってる事をよく見てから言った方がいいんじゃないか?」
剣士は苦笑いしながらそう答え、最後にこう付け加えた。
「なぁ? 黒剣の魔王」
「ハハ! また懐かしい呼び名だね」
2人はその黒剣の魔王という単語で少しだけ懐かしんだかと思うと、しかし昔話はまたこれが終わったあとだと言って青年が再びその場から姿を消した。
「全く、忙しい王様だよアイツは」
再び1人になった剣士、一宮 銀は再び原始の巨人ユミルを再現した存在のサポートを続けた。
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「ハッハハハー! 壊しても壊しても無くならんとはこれは嬉しいものだなぁ!」
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