Lv.1なのにLv.MAXよりステ値が高いのはなんでですか? 〜転移特典のスキルがどれも神引き過ぎた件〜
妄想=強さってかっこ悪くないですか?
「いや、どういうことだよ、眷属になるだ!?」
焦りすぎて、今まで自分の口から1度も聞いたことのないような声が漏れ出す。
「言葉通りの意味です。ここのみんながあなたの眷属になるだけで、他に皆さんは単純に能力値がアップしますし、貴方には考えたことを現実に起こせるスキルがあるんでしょう? それを僕達全員に使わせて、あなた一人を無敵の状態にしてしまえば彼との戦いで勝利する道筋に繋がると思うのですけど」
「……わるかぁねぇが、こいつの眷属ってなぁちょっと気が引けるぜ?」
ヤン兄がふとそう漏らす。だろうな、俺も嫌だよお前が眷属なんて。
他のみんなも、流石にいろいろと思うところがあるようで、決して良い顔色はしていなかった。
「しかし、そうこう言っているうちに彼がこちらに気づいてしまったようですよ?」
ミツアキがそう言ったので、俺は急いで敵感知でエスメラルダの位置を確かめる。
たしかに、こちらに向かって近づいてきているようだ。
「他になにかないのか? それこそ、あいつのここが弱点、とか」
「僕の知りうる限りでは一切そんなものはないですね。ただ自由のために戦う。強いものが弱いものを倒すのは当然の権利。人を殺すのは自身の娯楽、などなど、平気で吐き出すようなやつですから」
いまいち良く分からなかったが、要するに娯楽として自信が狩る側としては、そんなヤツらにやられるような弱点は最初から無くしてきたと言うことだろう。
ええい、なんてめんどくさい奴が出てきたんだ、パワーでゴリ押し勝法が使えないのかよ……
「て、敵襲です! 勇者様!」
「うわ、もう来たの!?」
ものすごい勢いで中に駆け込んできた兵士を見て、武装を解除して体を休めていたエルンが驚いた声を上げる。
「あー、こうなったら一か八かね……」
「ん? どうしたのかな、シルティスさん?」
ずっと思案顔だったシルティスが、ついにその考えを実行するに至ったようだった。
「『オーバーライト』
今この瞬間、みんなはご主人の眷属になりました」
「は、な、何してるんだよ!?」
急いでステータス欄を確認すると、シルティスが言った通り、隷属欄にここにいる全員の名前が記されている。
「ほう、そんなことにも使えるんですね、なんて便利な能力なんだ……こんな能力があれば、地球の神に頼らずとも英戦を終わらせられたんじゃ……」
「ブツブツうるさいわ、光明! 私まで巻き込まれとるではないか!」
「まぁ、この場にいる全員が指定されましたからねぇ」
『うーん、まぁ、死ぬよりはマシじゃろ、刀っ子よ』
『私は元からそうなる気はしてたからなぁ……まぁ、色々と仕方ないと思って方をつけるしかないよ』
「まぁ、ステータスが多少上がったから得だと思ってやらァ」
「僕的には雌馬と雄馬の餌に困らなければいいかな」
「私は元から立ち位置そんなに変わらないし……元から暴帝様の眷属だったから」
「みんなしてこうも微妙な反応だと、1番傷つくのは俺なんだぞ!? みんなの何気ない『まぁ、仕方ないか……』が、俺の心を傷つけてるんだぞ!?」
本当に傷つくから、人の悪口は本人がいないところで言いましょう! 微妙な反応もね!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「色々端折って説明しとったようじゃが、メイガンのことは良いのか?」
「まぁ、穴のことが重要だっただけで、メイガンは穴の事象から生まれたちょっと頭のよかった魔族ってだけだし……」
「お前自身がそう言うのならいいのじゃが……眷属になるとか言っておいて、自身の身の上を完全に明かすつもりは無いのじゃな」
「いや? 八割方話したじゃないか」
各々が、作戦通りに自身のイメージを組み上げていく中、ネオンワールドの2人はどこか悲しげに、密かに会話をしていた。
「すべてを話したところで何かが変わる訳でもないだろう? それこそ、家族のことだって分からないことがあるんだ。それと同じさ」
どこか自嘲気味にそう呟く光明の姿を、雪花はただ黙って見つめることしか出来なかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「さあみんないい? ご主人の最強度について、各個のオーバーライトで補強するのよ!」
「なんか昔の戦隊モノの精神論みたいなこと言ってるねぇ」
「そんな精神論はいてるような野郎共なんてェいたか?」
各々が万全とは言わずとも、ほぼほぼ準備が整った中、勢いよく部屋の扉が倒れ、雪の粉を大きく巻き上げた。
「よくもまぁ、あんな子供じみた方法で僕を騙してくれたもんだ……僕ね、獲物に逃げられることは嫌いなんだけど、獲物に小馬鹿にされることはもっと嫌いなんだよね!」
ガチャガチャと音を立てて、コートを着た男の両肩から3丁ずつスナイパーライフルが現れた。
昔、比留間の野郎のミリヲタ知識をひたすら浴びるように聞かされていた時に、画像付きで提示された覚えがある。
『こ、この銃は俺が知ってる中で、い、1番優れた狙撃銃なんだな! アメリカが主に使ってるらしいけどイギリス製で、個人的にはセミオートで拡張パーツが多いところがそそるんだな!』
などと、よく放課後に話をされたものだ。とくにこの銃『AS50』は中でも彼のお気に入りで、かなりの頻度で目にする機会が多かったために、自然と形を覚えていた節がある。
「まるでAS50だな……」
『ただでさえ破壊力が高いのに、高精度だからもうこれを作った技術者の能力はただただ尊敬に値するんだな!』
ふと、そんな比留間の言葉を思い出した。
高火力で高精度、更にはそれを同時に6丁操り、当の本人は手を使っていないのでいざ近接戦闘になっても格闘するだけの余裕はあるだろう。
そして、いくら人の父親を持つとて武器の子供はやはり武器なのか、銃は体の一部なようだ。
「今度こそ死んでもらうよ」
6丁の拳銃から放たれた弾丸が、真っ直ぐにミツアキに向かって飛んでいく。
「舞桜切」
そう言って雪花が片手を大きく降ると、銃弾は綺麗にまっぷたつに割れ、金属音を響かせて床で跳ねる。
「さて、おぬしら、妄想の準備はよろしいか?」
俺達がそれぞれに戦いの姿勢をとると、それを返事と受け取ったと言わんばかりに、雪花のエスメラルダに対する怒涛の猛攻が始まった。
焦りすぎて、今まで自分の口から1度も聞いたことのないような声が漏れ出す。
「言葉通りの意味です。ここのみんながあなたの眷属になるだけで、他に皆さんは単純に能力値がアップしますし、貴方には考えたことを現実に起こせるスキルがあるんでしょう? それを僕達全員に使わせて、あなた一人を無敵の状態にしてしまえば彼との戦いで勝利する道筋に繋がると思うのですけど」
「……わるかぁねぇが、こいつの眷属ってなぁちょっと気が引けるぜ?」
ヤン兄がふとそう漏らす。だろうな、俺も嫌だよお前が眷属なんて。
他のみんなも、流石にいろいろと思うところがあるようで、決して良い顔色はしていなかった。
「しかし、そうこう言っているうちに彼がこちらに気づいてしまったようですよ?」
ミツアキがそう言ったので、俺は急いで敵感知でエスメラルダの位置を確かめる。
たしかに、こちらに向かって近づいてきているようだ。
「他になにかないのか? それこそ、あいつのここが弱点、とか」
「僕の知りうる限りでは一切そんなものはないですね。ただ自由のために戦う。強いものが弱いものを倒すのは当然の権利。人を殺すのは自身の娯楽、などなど、平気で吐き出すようなやつですから」
いまいち良く分からなかったが、要するに娯楽として自信が狩る側としては、そんなヤツらにやられるような弱点は最初から無くしてきたと言うことだろう。
ええい、なんてめんどくさい奴が出てきたんだ、パワーでゴリ押し勝法が使えないのかよ……
「て、敵襲です! 勇者様!」
「うわ、もう来たの!?」
ものすごい勢いで中に駆け込んできた兵士を見て、武装を解除して体を休めていたエルンが驚いた声を上げる。
「あー、こうなったら一か八かね……」
「ん? どうしたのかな、シルティスさん?」
ずっと思案顔だったシルティスが、ついにその考えを実行するに至ったようだった。
「『オーバーライト』
今この瞬間、みんなはご主人の眷属になりました」
「は、な、何してるんだよ!?」
急いでステータス欄を確認すると、シルティスが言った通り、隷属欄にここにいる全員の名前が記されている。
「ほう、そんなことにも使えるんですね、なんて便利な能力なんだ……こんな能力があれば、地球の神に頼らずとも英戦を終わらせられたんじゃ……」
「ブツブツうるさいわ、光明! 私まで巻き込まれとるではないか!」
「まぁ、この場にいる全員が指定されましたからねぇ」
『うーん、まぁ、死ぬよりはマシじゃろ、刀っ子よ』
『私は元からそうなる気はしてたからなぁ……まぁ、色々と仕方ないと思って方をつけるしかないよ』
「まぁ、ステータスが多少上がったから得だと思ってやらァ」
「僕的には雌馬と雄馬の餌に困らなければいいかな」
「私は元から立ち位置そんなに変わらないし……元から暴帝様の眷属だったから」
「みんなしてこうも微妙な反応だと、1番傷つくのは俺なんだぞ!? みんなの何気ない『まぁ、仕方ないか……』が、俺の心を傷つけてるんだぞ!?」
本当に傷つくから、人の悪口は本人がいないところで言いましょう! 微妙な反応もね!
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「色々端折って説明しとったようじゃが、メイガンのことは良いのか?」
「まぁ、穴のことが重要だっただけで、メイガンは穴の事象から生まれたちょっと頭のよかった魔族ってだけだし……」
「お前自身がそう言うのならいいのじゃが……眷属になるとか言っておいて、自身の身の上を完全に明かすつもりは無いのじゃな」
「いや? 八割方話したじゃないか」
各々が、作戦通りに自身のイメージを組み上げていく中、ネオンワールドの2人はどこか悲しげに、密かに会話をしていた。
「すべてを話したところで何かが変わる訳でもないだろう? それこそ、家族のことだって分からないことがあるんだ。それと同じさ」
どこか自嘲気味にそう呟く光明の姿を、雪花はただ黙って見つめることしか出来なかった。
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「さあみんないい? ご主人の最強度について、各個のオーバーライトで補強するのよ!」
「なんか昔の戦隊モノの精神論みたいなこと言ってるねぇ」
「そんな精神論はいてるような野郎共なんてェいたか?」
各々が万全とは言わずとも、ほぼほぼ準備が整った中、勢いよく部屋の扉が倒れ、雪の粉を大きく巻き上げた。
「よくもまぁ、あんな子供じみた方法で僕を騙してくれたもんだ……僕ね、獲物に逃げられることは嫌いなんだけど、獲物に小馬鹿にされることはもっと嫌いなんだよね!」
ガチャガチャと音を立てて、コートを着た男の両肩から3丁ずつスナイパーライフルが現れた。
昔、比留間の野郎のミリヲタ知識をひたすら浴びるように聞かされていた時に、画像付きで提示された覚えがある。
『こ、この銃は俺が知ってる中で、い、1番優れた狙撃銃なんだな! アメリカが主に使ってるらしいけどイギリス製で、個人的にはセミオートで拡張パーツが多いところがそそるんだな!』
などと、よく放課後に話をされたものだ。とくにこの銃『AS50』は中でも彼のお気に入りで、かなりの頻度で目にする機会が多かったために、自然と形を覚えていた節がある。
「まるでAS50だな……」
『ただでさえ破壊力が高いのに、高精度だからもうこれを作った技術者の能力はただただ尊敬に値するんだな!』
ふと、そんな比留間の言葉を思い出した。
高火力で高精度、更にはそれを同時に6丁操り、当の本人は手を使っていないのでいざ近接戦闘になっても格闘するだけの余裕はあるだろう。
そして、いくら人の父親を持つとて武器の子供はやはり武器なのか、銃は体の一部なようだ。
「今度こそ死んでもらうよ」
6丁の拳銃から放たれた弾丸が、真っ直ぐにミツアキに向かって飛んでいく。
「舞桜切」
そう言って雪花が片手を大きく降ると、銃弾は綺麗にまっぷたつに割れ、金属音を響かせて床で跳ねる。
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俺達がそれぞれに戦いの姿勢をとると、それを返事と受け取ったと言わんばかりに、雪花のエスメラルダに対する怒涛の猛攻が始まった。
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