悪役令嬢がでれでれに溺愛されるまでの話
7 攻略者
無事ミサに恨みを買うことなく平穏に終われた。
ミサは仕事に戻り、コレットといっしょに部屋に戻るため長い廊下を歩く。
記憶が戻ってから改めて家を見ると広い。似たようなドアで似たような部屋が大量にある。まぁ、今はほとんど使われていないが。
 お母様が去年、お亡くなりになられてから家は荒んでいる。笑顔の使用人も減ってしまったし、お父様は仕事だらけだし、お兄様は部屋から出てこないし。
 
お母様が病で伏せてしまってからはあまり会いに行ってはダメだと言われていた。だから、その頃の私は寂しくてイライラして使用人にあたっていた。それでお母様が亡くなったら余計に悲しくて寂しくて使用人にあたる。
そんな幼い頃があって好きな人ができる、でもヒロインにとられてヒロインにキレて暗殺しようとするが自分が返り討ちにあって、最後は死んでしまう。
(踏んだり蹴ったりだな…)
まぁ、絶対に死にたくないのでフラグを折っていこう。
このゲームでの攻略者は5人。第1王子、第2王子、魔導師、騎士、軍師。で、この軍師は私のお兄様のこと。お兄様はもともとは秀才なので、戦略を考えれる。だが、引きこもりのため体力がなく、戦えないため軍師。で、ひきこもりを脱却させて外の光を教えるのがヒロイン。
お兄様と関係を持つのは仕方ないけどほかの攻略者には会いたくない。できるだけフラグを折る。
そんなことを考えていた。
歩いていたらひとつだけ白い金糸が入ったドアがある。
(なんの部屋…?)
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