邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

閑話 とある探求者の記憶

「さて、あれは果たして良いのだろうか?」

過ぎ去った過去にして現在進行形で起こっている現実にしてこれから必ず起こる未来の自分の行動に対し、その生物は疑問の声をあげた。

その生物は16000年、人間の歴史や人間の事実でいうならばビックバンにより宇宙が創生されてまもない頃への旅路から帰還しまたこれから出かけまた旅行中という状態で、とある恒星に建造された図書館へとやってきていた。
金属質の霧が立ち込め、一面が砂漠化した死の世界にポツンと存在する宇宙の大図書館、円錐形の生物に迎えられ、捻じ曲がった空間を進んで図書館の中へと入っていく。
厚みのある黒いブロックで作られた造形によって与えられる陰鬱な雰囲気とは裏腹に図書館内の気温や湿度は本の状態を最適に保つのにふさわしいものとなっている。
恒星においてここまでの温度、湿度調節はどうやっているのだろうか。ああ、知識欲が掻き立てられる。今やっている一大研究が終わったら、今度はこの図書館に入り浸ることになるだろうな。
そんな思考が頭をよぎる中、贅沢に一つの恒星の半分を使用した超巨大な図書館の目的の場所へと近づいていく。
そして、真新しいが古ぼけた文机の並ぶ一角にたどり着くと、数千億、数千京、幾星霜もの時を経て、様々な知識が書き込まれたノートを取り出し、パラパラとめくり、目的の場所を見つけ出した。
真っ黒で冷たく、固い感触を触れるこの身に伝えてくる文机に向かいながら黙々と手を動かす現在を過去がゆっくりと見つめる中、カリカリカリカリカリカリと偏執狂パラノイアのように一定の間隔で一定の回数を踊るように響いていた歪な球状のようで棒状担っている物体ペンの動きが停止した。
現在と過去の自分が何もない状態から再び一言一句違わずにそれを書き始め、心のうちで歓喜と競争に悶え苦しみながら執筆は進む。
早速未来の自らが執筆し、そして過去の自分が推敲した新たなる知識を図書館へと寄稿する。
そして、自らの隣に存在し存在していたものへ独り言のように呟いたそれは、光を飲み込んでしまいそうなほどに真っ黒な岩石を歪の捻じ曲げて作られた書架から鞣し革で装丁された本を取り出した。




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