邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜
第三百三十一話 街中にて
8章 復活儀式
『しかし、随分とエレナに素材を売ったね』
「アイテムボックスの中身をなるべく減らしておきたかったんですよ。いちいちスクロールするのも面倒ですし、ソート機能を使うにしても似たようなアイテムで見にくくなりますし、なので、これからもエレナさんの店には大量の素材を売ることになるでしょうね」
『しかしまああの娘もなかなかに優秀だな、その時の攻略組の適正装備を多少超える程度の性能のものなら売るのはたやすいだろうが、これまで全てにおいて渡したものにはなかなかにオーバースペックな素材も含まれていたのに、簡単に売り切ってしまうのだから』
「やり手の商人、ですね」
『素晴らしい手腕だな。あの商人は』
『ちなみに売った中で一番価値が高かったのは何なんだい?』
「確か……海のところにいた大きな鮫の歯ですね」
『ああ、あの水魔法乱射して来たやつか。レア度4だっけ?』
「ええ、そうですよ。掲示板を見た感じ今は序盤のボスのソロ討伐報酬をはじめとしたレア度2〜3くらいの装備が最前線で戦う攻略組の方々の装備のようですから、売るのは簡単でしょう」
神様に褒められる商人を思い浮かべながら、シグレは街の雑踏をゆっくりと進んでいく。
そもそもノーコストで転移できるのだから転移でいけばいいのだが、一時の気まぐれでシグレはこうして頭上より降り注ぐ陽光を浴びながら始まりの街の大通りをゆっくりと歩いていた。
「アマテラス様やタケミカヅチ様はどうしてますかねぇ……」
『酒飲んでそう』
『そうだな』
『その通りじゃ!』
「いきなりですね経津主神様……」
『待ちなさい経津主神!』
『うわっ!?何をするイシュタル!やめんか!タケミカヅチ!お主何さらっとわしの八塩折之神酒飲んどるんじゃ!待てええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?』
『あ、また今度酒頼むわ』
「あ、はい」
図書館を目指して街中を歩きながらそんな脳内雑談を続けていたシグレは、そこで会話を止めると目の前の雑踏から現れ、不意にぶつかって来た少年の腕を取り、ひねり上げた。
「いでっ!いてぇな!何すんだクソ野郎!」
「何って、人のものを盗もうとした不届きものを捕えただけですが?」
「このクソ野郎が!」
それだけ言うと少年は逃げ出し、街の雑踏の中へ消えていった。
その後、街の中で少年がいきなり絶叫を上げるのだが、それはまた別のお話である。
誤字脱字や作品への意見等ございましたらコメントしていただければ幸いです
(誤字脱字がありましたら、何話かを明記した上で修正点をコメントしていただければ幸いです)
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『しかし、随分とエレナに素材を売ったね』
「アイテムボックスの中身をなるべく減らしておきたかったんですよ。いちいちスクロールするのも面倒ですし、ソート機能を使うにしても似たようなアイテムで見にくくなりますし、なので、これからもエレナさんの店には大量の素材を売ることになるでしょうね」
『しかしまああの娘もなかなかに優秀だな、その時の攻略組の適正装備を多少超える程度の性能のものなら売るのはたやすいだろうが、これまで全てにおいて渡したものにはなかなかにオーバースペックな素材も含まれていたのに、簡単に売り切ってしまうのだから』
「やり手の商人、ですね」
『素晴らしい手腕だな。あの商人は』
『ちなみに売った中で一番価値が高かったのは何なんだい?』
「確か……海のところにいた大きな鮫の歯ですね」
『ああ、あの水魔法乱射して来たやつか。レア度4だっけ?』
「ええ、そうですよ。掲示板を見た感じ今は序盤のボスのソロ討伐報酬をはじめとしたレア度2〜3くらいの装備が最前線で戦う攻略組の方々の装備のようですから、売るのは簡単でしょう」
神様に褒められる商人を思い浮かべながら、シグレは街の雑踏をゆっくりと進んでいく。
そもそもノーコストで転移できるのだから転移でいけばいいのだが、一時の気まぐれでシグレはこうして頭上より降り注ぐ陽光を浴びながら始まりの街の大通りをゆっくりと歩いていた。
「アマテラス様やタケミカヅチ様はどうしてますかねぇ……」
『酒飲んでそう』
『そうだな』
『その通りじゃ!』
「いきなりですね経津主神様……」
『待ちなさい経津主神!』
『うわっ!?何をするイシュタル!やめんか!タケミカヅチ!お主何さらっとわしの八塩折之神酒飲んどるんじゃ!待てええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?』
『あ、また今度酒頼むわ』
「あ、はい」
図書館を目指して街中を歩きながらそんな脳内雑談を続けていたシグレは、そこで会話を止めると目の前の雑踏から現れ、不意にぶつかって来た少年の腕を取り、ひねり上げた。
「いでっ!いてぇな!何すんだクソ野郎!」
「何って、人のものを盗もうとした不届きものを捕えただけですが?」
「このクソ野郎が!」
それだけ言うと少年は逃げ出し、街の雑踏の中へ消えていった。
その後、街の中で少年がいきなり絶叫を上げるのだが、それはまた別のお話である。
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