邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第二百六十話 破滅:Ruin

7章 あゝ神よ


『貴様ァァァァァァァァ!!!!!!』

余裕も何も無く焦りと怒りを滲ませた形相でルキフグスはシグレへと突貫する。

彼我の距離は10mほど、シグレにとって反撃するには充分すぎる距離であり、もちろんシグレは突進してくるルキフグスに向かって無数のカウンターを繰り出す。

創り出された無数の魔獣、悪魔、天使達が、空洞を埋め尽くすかと思われるほどの魔力で編まれた剣群が、全てを包み込む大地の巨腕が、精神を蝕む異界の魔術が、そして、地を焼き焦がし全てを奪い取る貪欲の灼焔がルキフグスに襲いかかる。
アドラメレクのちからすら使った全力の一撃、それがルキフグスに命中する。
しかし、シグレは思考を止めず、土煙の先にいるルキフグスに容赦なく神滅の刃を叩き込む。

カキィン!

金属同士が接触したかのような硬質な音が周囲に響き渡る。

『神造兵装に適うとでも思ったかァ!?』

そして、居合の剣圧で晴れた土煙の先には、無骨な木製の棍棒を構え、無傷で佇むルキフグスが立っていた。

『なんだって!?』
『これで仕留められないのか……』

邪神達が驚愕する中、ルキフグスは勝ち誇り、驕り高ぶった笑みでシグレを見下し、ゆっくりとシグレに近づいていく。

『お前の攻撃なんて効かねぇんだよ!さっさと……死ね!』

ルキフグスはその醜悪な本性を隠そうともせずにその言葉を吐き、それと同時にシグレに神造兵装___星の力の結晶たる原初の武器、星の創り出した至高の兵装が内包された全ての破壊と創造の力を一点に集約し、目にも止まらぬ速度で振り下ろされる。
シグレは自らの肉体の時間を加速して回避しようとするも神造兵装の能力なのか回避どころか微動だにすることもできなかった。
ならばと加速された時の中でシグレは結界を張ることで防御しようとするが意味をなさず、硝子のように儚く散る。
創り出された幾千も肉の壁はその破滅の侵攻をとどめることなどできず。
幾万もの魔法障壁が軽々と突破される。
空間をずらしてもそれを貫通し、破滅は刻一刻とシグレに迫る。
そして、最後の守りたる攻撃を無効化する神の盾も貫かれ、刀をへし折られたシグレの脳天に破滅が叩き込まれた。


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