邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第二百五十四話 無慈悲:Ruthless

7章 あゝ神よ


_______そして、自分の死を』

黒く塗り潰されながらもクー・フーリンはルキフグスの影の腕の中で藻掻くがそれも意味をなさず、ゆっくりとその体を黒く染めていく。
遮二無二暴れても雲を掴むかのようにするりと腕や脚はルキフグスの黒い身体を通り抜け、狂気に堕ちたことで乱れた精神で魔術を行使できるはずもなく、全ての抵抗は意味をなさなかった。
シグレは何とかしてルキフグスからクーフーリンを救わんとルキフグスを切り裂き、殴打し、刺突し、数多の魔術やスキルを打ち込む。
だが、それは無慈悲にも、なんの効果も表さなかった。
水面に石を投げ込むがごとく、感触だけを残して攻撃は無効化される。

「その人をッ……!離せ!」

燼滅刃。

神を滅ぼす神たる神滅ノ神の権能を余すところなく注ぎ込んだ至上の御業、神をも殺す一切鏖殺の絶技。

『んー?なにかした?』

過去、幾多の神を打ち砕いたその一撃は、するりとルキフグスをすり抜け、直下の地面を塵も残さず消し飛ばした。

『もう何をしようと無意味だよ。彼は心の底から全てを拒絶した』

『僕はその願いを、拒絶と言う願いをを叶えただけさ、あれは彼らの求めた救済ねがいの結果、ああなったのは彼らのせいだろう?』
「あれが、願いの結果ですって……?笑わせるな。あれはただの地獄でしかない。あんなものが救済であっていいはずがない」
『そうだね。でも、元々僕の力は悪の権化、邪悪の化身たる邪悪の樹クリフォトの悪魔、ルキフグス。であれば、悪を成さねばならないだろう?』
『この力は呪われている。
命あるものの拒絶の感情を増幅し、常に最悪の結果を以てそれに応える悪魔の取引、現実を拒絶すれば夢から醒めることは無く、死を拒絶すれば永劫の正気の中で幾億もの責め苦を味わうこととなる。君もこれを見ただろう?これが拒絶したモノの末路、死にたくても死ねず、自由のない生きた骸』

それと同時にクーフーリンの体が黒に染まりきり、数秒間痙攣したと思うといきなり動かなくなり、最後に腕を上げたかと思うと黒い粒子が立ち上った。


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