邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第二百四十五話 休息:Rest

7章 あゝ神よ


「ふーーー……」

数時間後、未だ透明化したままでクー・フーリンは近くの黒く染まった切り株に座り込み、ため息をつく。

「神経削るぜこりゃあ……奴らにバレないようにすんのがこんだけ大変とはな、難易度高過ぎねぇか?」

「途中からクリードかコインヘンから逃げてきたと思しき黒獣がいましたし、かなり移動したとは思いますが、かなりの疲労がありますね。肝心の影の城は見つかりませんし」
「だよなぁ……こんなに見つからないのはおかしいと思うんだが……」

座り込んだまま干し肉をかじり、頭をポリポリと掻きながらクーフーリンが返答する。

「案外影で感知されないようになってるとかありません?」
「そんなのあったら便利すぎるだろ影、俺が知ってる範囲だけならそんな能力はねぇよ。出来たとしても千里眼やらの視覚系能力を騙すことくらいだ」

怠そうにそう言って否定するクーフーリンに、シグレは「ですよね」と苦笑いで返す。

「ま、なんにしてもそろそろ見つからないとやばいのは事実だ。このまま透明化を続けるとしてもクリードやコインヘン、上位の魔獣をコピーした黒獣なら透明化してても派手に動きゃバレる。時間がかかりゃ間違いなく俺らは捕まる。ジリ貧どころの話じゃねぇ」
「なにかここらでアクションを起こしたいですよね」
「それも一気に場所がわかるような特大のやつがな」
「まあそう都合よくそんなことは起きないんですよねぇ……」
「やっぱこの森焼き払うか」
「膨大な数の黒獣に襲われた物量で殺されますよ。現に周囲1km程でも2000匹近く居ますし。そのほとんどが竜種やそれに準ずる魔獣のコピーと思われます。多分中には龍種のコピーもいますね。しかし、これだか周囲に黒獣がいるのに生命反応は私とあなたのみとは……恐ろしいですね」
「生物の死体を影で操る。か。まあ、クリードやコインヘンなんかは記憶から再現したんだろうが、それにしてもその操り人形はもうちゃんとした身体もなく影しかないと来た。師匠もなんとも恐ろしいモンを作り出したもんだ。もう、正気なんてないかもしれんな」
「あるいは、誰かに乗っ取られているのか」
「ありえないとは言えないな、少なくとも、黒く染まりかけていた師匠は俺など一撃で殺せただろう」


7章百話突破!

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