邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜
第二百二十九話 疑惑
7章 あゝ神よ
「今回の事件、黒幕は誰です?」
当然のごとく投げかけられたその問いにクーフーリンは苦い顔をし、ゆっくりとその口を開いた。
「あー……それなんだが…分かってないんだわ?」
『マジかよ』
「何故疑問形なんです?」
シグレがそう問いかけると、バツが悪そうに頬をポリポリと掻きながらクーフーリンは口を開いた。
「いや、状況証拠的には師匠が黒幕で間違いないんだが……どうにも引っかかる」
「どういうことです?」
その問いに対しクーフーリンは二人を隔てる机に身を乗り出し、指を三つたてる。
「一つ、少なくとも俺の知る限り師匠はあんな化物を生み出す能力を持っちゃいねぇ」
立てられた指の中のひとつが曲げられる。
「一つ、最後に見た時、師匠も黒く染まりかけていた。多分あの獣は簡単な命令しか理解できないくらいの知能しか持ってねぇ。自分までそうするメリットがない」
「一つ、光神どころか創造神から直々に「逃げろ」と来たもんだ。それ以降何度も交信を試みたが全部ダメ、何時もはうぜぇくらいに口出ししてくんのに妙に静かだ。こんな時に黙っていられるヤツらじゃないのにな」
「成程……たしかにその状況を知っていれば領地、影の国の近くだからといって一概にスカサハの所業とは言えませんね」
「だろ?それがさっきの曖昧な答えの理由だ。たぶん、裏で全てを操っているやつが居るはずだ」
「分かりました。では、現時点で黒幕を想定するのは逆に付け入る隙を作ってしまうことになりますね」
「ああ、そうだ。俺の見た事、体験したことが確かならば既に師匠は囚われの身、オマケに恐らくルーとダグザは瀕死か捕えられてるときた。少なくとも、相手は神を殺せるってことだ。
まあケルトの神共は最近信仰がどうとかで弱体化してたらしいがそれでも神は神、相手を侮る理由にはなりえん」
「ですね」
闇に充ちた空間に、ぼこぼこと何かが弾ける音が響く。
ここは悠久の牢獄、影より這い出でる者共の集まる場所。
闇の中には黒い獣が溢れんばかりに集まり、そこに佇んでいた。
闇の中でも何故かはっきりと見えるその影からは泡が噴出している。
佇む影法師は姿を変え、形を得て咆哮と共に現世へと顕現する。
「グギャァァァァァァアァァァァ!!!」
そして意識を手に入れた獣は黒く染まった体に気づくともなく大地を震わせながら牢獄の外へと歩みを進める。
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「どういうことです?」
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「一つ、少なくとも俺の知る限り師匠はあんな化物を生み出す能力を持っちゃいねぇ」
立てられた指の中のひとつが曲げられる。
「一つ、最後に見た時、師匠も黒く染まりかけていた。多分あの獣は簡単な命令しか理解できないくらいの知能しか持ってねぇ。自分までそうするメリットがない」
「一つ、光神どころか創造神から直々に「逃げろ」と来たもんだ。それ以降何度も交信を試みたが全部ダメ、何時もはうぜぇくらいに口出ししてくんのに妙に静かだ。こんな時に黙っていられるヤツらじゃないのにな」
「成程……たしかにその状況を知っていれば領地、影の国の近くだからといって一概にスカサハの所業とは言えませんね」
「だろ?それがさっきの曖昧な答えの理由だ。たぶん、裏で全てを操っているやつが居るはずだ」
「分かりました。では、現時点で黒幕を想定するのは逆に付け入る隙を作ってしまうことになりますね」
「ああ、そうだ。俺の見た事、体験したことが確かならば既に師匠は囚われの身、オマケに恐らくルーとダグザは瀕死か捕えられてるときた。少なくとも、相手は神を殺せるってことだ。
まあケルトの神共は最近信仰がどうとかで弱体化してたらしいがそれでも神は神、相手を侮る理由にはなりえん」
「ですね」
闇に充ちた空間に、ぼこぼこと何かが弾ける音が響く。
ここは悠久の牢獄、影より這い出でる者共の集まる場所。
闇の中には黒い獣が溢れんばかりに集まり、そこに佇んでいた。
闇の中でも何故かはっきりと見えるその影からは泡が噴出している。
佇む影法師は姿を変え、形を得て咆哮と共に現世へと顕現する。
「グギャァァァァァァアァァァァ!!!」
そして意識を手に入れた獣は黒く染まった体に気づくともなく大地を震わせながら牢獄の外へと歩みを進める。
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