邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第二百十九話 一分

7章 あゝ神よ


さて、シグレが守衛に冒険者ギルドのカードを見せて検問を超えて北門を通り抜けると、人とモンスター、様々な種族の入り混じる乱戦が繰り広げられていた。

「増援をくれ!」
「ポーションが足りねぇ!解毒ポーションもだ!」
「誰か! 向こうの群れの中に一人取り残された奴がいるんだ!助けてくれ!」

誰もが怒号を上げながら、或いは無言で視界を埋めるモンスターの大軍との戦闘に励んでいた。

どうやら状態異常を扱うモンスターが多いらしく、神眼に映るプレイヤーの鑑定結果にはだいたい「麻痺」か「毒」、酷いものは「武器装備不可能ブレイクアーム」など、様々な状態異常デバフにかかっていた。

「話そうにもこの状態じゃ話せませんね。全部片付けてからにしましょうか」

「はぁ!?お前何言ってんだ?」

近くで戦っていた獣人の青年がシグレの発言に疑問を投げかけるがシグレはそれを無視し、あるひとつのスキルを行使した。

死の舞踊マカブル

死神に内包された対象設定型広範囲即死スキル。
放たれた死の波動は激しく動き回るプレイヤーを無視し、モンスターのみを即死させた。
死の波動に呑まれたモンスターは苦しみにのたうち回り、一斉に死の舞踊マカブルを披露して地面に倒れ込んだ。

「は…………?」

驚愕するプレイヤーたちの声が一瞬にして静寂が支配した草原に響く。

浄化聖域ピュリフィケイション・サンクチュアリ

シグレの言葉と同時に光の結界が周囲に展開され、北門周辺にいた全てのプレイヤーを包み込んだ。
それにより彼らのHP及びMP、そして彼らを苦しめていた状態異常デバフは全て取り除かれた。

そんなこんなで指揮を執っていたプレイヤーとシグレは軽く話し合いをしたあとに彼らは別の門への増援に向かった。

勿論不満は出ていたがシグレが現れなければ全滅必至だったため表立ってその感情を表すものはおらず、実にスムーズにシグレは何千もの死体を確保することに成功したのだった。


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