邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第百四十九話 その名は「深淵」

7章 あゝ神よ


そんなこんなで謁見の間を脱出し、扉の前で待機していたメイドを引き連れてシグレは貴賓室へと戻った。

「おかえりぃ〜」
「お主、一体何度やらかせば気が済むんじゃ…」

ソファーの背もたれに顎を載せてだらしなく腕を垂らした姿でアリスがシグレを迎え、セフィロはため息を吐き、目尻を揉みながら疲れ果てた様相で弟子の奇行に頭を悩ませていた。

いきなりやってきてすぐに自分を超えた挙句神と友人だったり神を殺したりしているのだ、今更王族の誘いを断ったところで驚きはしないが、悩まないはずがない。

幸いにして今代の王は国内のみならず外国からも賢王として名高い王だ。
それを理由にまだまだ有能な駒になり得るシグレを殺したりはしないだろうし、そもそもシグレが全力を出せばこの国など1時間とかからず滅ぼせる。
危害を加えた時点で死が確定するこの状況で無理に勧誘するほど愚かではないだろう
唯一の不安としてカルパスの存在が残るがアレはただ侯爵家が権力で取り立てさせたドラ息子に過ぎない、仕事が出来るが些か選民思想が強く、驕りの強い愚か者だ。
そんなカルパスにそれを理解する能力はないだろう。

「セフィロ?」

唐突に声をかけられたところで、思考を打ち切ってセフィロは意識を浮上させる。

「ああ、なんじゃ?」

「私は案内してくるから!書類は頼んだ!」

それだけ言うとアリスはドアの隙間から手を振りながらシグレと共に転移した。

「待たんか!仕事を押し付けおってからに…」

こうして、苦労人セフィロは自身に回復魔法と補助魔法をかけながら限界を超えて仕事に励むのだった。


「到着!ここは総合騎士訓練場だよ。私は見てるから存分にやりたまえ。というか早く見せて!ゴーレムみたい!」

いつもの魔法好きが発動したようですぐさまダメ人間へと変貌したアリスを無視して、シグレはそれを呼び出した。

現れたのは大きく、そして重厚な黒い身体、刃渡り1mにも届こうかという両刃斧ラブリュスは太陽光を反射し、美しい輝きを放っている。
足には蹄があり、膝は後ろ側に折れており、下半身は茶色い毛のようなものに包まれている。
上半身には毛はなく、黒く重厚な筋肉や腕か光を吸収していた。
そして、その頭部にあるのは一対の角、無骨な、それでいて一種の美しさや儚さを併せ持つ角が、輝いていた。

「最終型魔導兵、その異名は」










「CODE:深淵アビス


はい、黒石ゴーレムお披露目!

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(IDはあらすじにあります)

コメント

  • ノベルバユーザー34792

    ゴーレムの名前は深淵でしょうか?それともCODE:深淵でしょうか?名前か深淵の場合冠する名とCODEが意味が重なるように思うのですが

    1
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