邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

SS 妹達の二人旅 丗弐

SS一章 『妹達の二人旅』


「オラどけぇ!風切り!」

ハルバードの一薙ぎで周囲にいたゴーレムはすべて吹き飛び、空いた隙間をギルドマスターが駆け抜け、再びハルバードを振るう。

そんなことを繰り返して30分、一行は未だ鉱山の中で足止めされていた

「行きよりも飛ばしているのにまだ第二階層の下り階段近くでしかないとは…確実に生産速度が上昇していますね」

「大本を潰した方が早いよー!」
「その大本が見つからないんですよ。わかってください遊理ちゃん」

そう、ギルドマスターが全力で殲滅しているにも関わらず、次から次へとモンスターが押し寄せてくるのである。

それも、パペットは減ってゴーレムばかりが出現するのである。

勿論一撃で倒せることに変わりはないがパペットより体積の大きいゴーレムでは一度の武技で巻き込める数が少ないのである。

その状況で広い鉱山内を実際に埋めつくし、今も生産され続けているゴーレム達を突破するのは至難の技であった。

「ギルドマスター!下がってください!」

見かねた皐月がそう叫ぶとすぐさまギルドマスターが反応し、質問を返してきた。

「何故だ!今はいち早く地上に行かなきゃならないんだぞ!」

「その為ですよ!いいから下がってください!」

「わかった!強撃強打!」

そう言うとギルドマスターは近づいていたゴーレムを強引に打ち払い、皐月達のところで下がってきた。

「それでは…鏡の中の大英雄ミラーズ・イン・ザ・ヒーロー

皐月がそう言うと皐月の影がせり上がり、人の形を形作っていく。

やがて顔には凹凸が生まれ、漆黒に近かった皮膚には色が付く。

数秒後、そこにはシグレと瓜二つの歪な双子ドッペルゲンガーが立っていた。

「クーリさん、MPポーションを頂けますか?」

「ええ、わかりました」

弓使いがMPポーションを要求することに驚きつつもクーリがバックからMPポーションを取り出して皐月に渡す。

「殲滅せよ」

「縮小版 傀儡停止」

一気にMPを消費したことにより崩れ落ちる皐月を尻目に、歪な双子ドッペルゲンガーからは光の波が放たれ、それに触れたゴーレムは例外なく動きを停止し、崩れ落ちた。


間に合うかな?

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(IDはあらすじにあります)

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