邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

SS 妹達の二人旅 廿捌

SS一章 『妹達の二人旅』


さて、時は過ぎ去り皐月たちが毒に犯されてから約八時間後。

「ファ?」

狭い個室、石造りの部屋、眼前の黒鉄の檻、それを視認し、そして理解すると同時に、靄がかかったかのように混濁していた思考が徐々に晴れていく。

「フゴ…フゴフゴ…!」

喋ろうとすると喋れない、やはり口に感じていた違和感は正しく、布を噛む感触とともにどことなく篭った、オークのような声が暗闇に響く

(オイラはガン、衛兵隊の新米、ここに来たのは巡回中の…)

ガンは次々と記憶を呼び起こす。
どうやら記憶喪失にはなっていないようだ。
(やっぱあのでっかいのが一番強いんだろうな)

日光はなく、所々に露出している土から見るにここは地下なのだろう。
ジメジメとした空気が蝋燭の微かな灯りと相まって恐ろしさを助長している。

どうやら見張りはいないようだ。舐められているのか、単に人手が足りないのか、おそらく後者であろう。
先程からガンの耳を騒々しい何種類もの靴の音が打っているのだから。

(さて、どうやって脱出しようかね…?)

ガンは心の中で舌なめずりをしながら、脱獄の準備を始めた。


「暗器はどこだ!」
「ここ!」
「触媒は?」
魔法巻物スクロールは?」
「あーもうるさい!」

ガンが捕えられている黒衣の者達の本拠は、バタバタとした靴や、何かが崩れ落ちる音で満たされていた。
それもそのはずである。
彼らのボス、つまりガンを気絶させた男がこの膠着した状態に業を煮やし、最後の侵攻、総力戦を指示したのである。
と言っても実行は約2時間後となり、今はその準備段階だ。

「貯蔵庫から全部引っ張りだせ!」

着々と、準備は続く。

決着は、刻々と近づいていた。


はい、短くてすいません
いやほら話の(ry

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(IDはあらすじにあります)

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