邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜
第百三十四話 紅と生命
6章 玩具は盤上で踊る
「遅かったな」
セフィロの体を貫く剣からは血液が滴り、男の白銀に輝く鎧を紅に染める。
振り向くその顔には鮮血が飛び跳ね、一部に斑模様を作っていた。
その周囲ではアリスが血だまりを作り、必死にもがいている。
「来る…な…逃げ…よ…」
「五月蝿いぞ、貴様にすでに用はない、黙っていろ」
そう言うと男は声を発したセフィロに煩わしそうに向き直り、腹を刺し貫いていた剣を横に薙ぎ、腹を裂いた。
「ガハッ…」
それと同時にむせ返るような鉄の匂いが空間に充満し、地に落ちたセフィロを中心として鮮血の池が出来上がる。
裂けた腹からは内臓が露出し、胃か何かの内容物であろう物体が血の池の中にぐしゃりと潰れて転がる。
横たわる体からは生気が感じられず、その瞳に映るのは虚無のみである。
「え?」
珍しくシグレが呆けた声を口に出す。
「これで邪魔者はいない」
近づいてくる男を無視し、シグレは地面に横たわるセフィロやアリスに向かっていく。
「フン。そいつらは何をしようと治らん。大人しく私の話を____
「黙れ」
「ッ!」
疲労困憊した体に強引に鞭を打ち、セフィロを抱きかかえたシグレは、懸命に治癒魔法をかけながら静かな声で男の声を遮った。
「な、何を__
「黙れと言っている」
通常の治癒魔法では治癒できないことを理解したシグレは、次なる手を打つ。
静寂が空間を支配する中、シグレの声が黒い壁へと染み込んでいく。
「上位生命移譲」
詠唱が終わると同時に光の粒がシグレから溢れ出し、二人の体に吸収されていく。
「ここで眠っていてください」
寝息を立てて眠る二人を図書館へと転移させ、シグレは男へと向きなおる。
「さあ、第二回戦と行くぞ」
その言葉と同時にシグレの体が一層重くなり、倒れこみそうになる。
「漆…」
立つことすらやっとのシグレは当然反応できず、袈裟斬りを喰らい、無様にも床を転がる。
深々と胴体を切り裂かれたその傷口からは血液が溢れ、口からは血の泡を吹く。
「おっと!考えたねぇ」
しかし男の体も袈裟懸けに切り裂かれ、血が大量に吹き出す___
ハズだった。
そうなるはずだった体はずるりと皮だけが滑り落ち、その中から現れたのは…
道化然とした青年だった。
嘲笑う青年は、ゆっくりと口を開く。
「ねぇ…いま、どんな気持ちだい?」
すっげームカつく
もともとMPは魔法一回ぶんしか残っていなかったのでこれで無くなりました。(上位生命移譲はMPを必要としません)
あ、ちなみに使ったのは受けたダメージの一定量を反射する魔法です。
誤字脱字や作品への意見等ございましたらコメント等いただければ幸いです。
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(IDはあらすじにて)
「遅かったな」
セフィロの体を貫く剣からは血液が滴り、男の白銀に輝く鎧を紅に染める。
振り向くその顔には鮮血が飛び跳ね、一部に斑模様を作っていた。
その周囲ではアリスが血だまりを作り、必死にもがいている。
「来る…な…逃げ…よ…」
「五月蝿いぞ、貴様にすでに用はない、黙っていろ」
そう言うと男は声を発したセフィロに煩わしそうに向き直り、腹を刺し貫いていた剣を横に薙ぎ、腹を裂いた。
「ガハッ…」
それと同時にむせ返るような鉄の匂いが空間に充満し、地に落ちたセフィロを中心として鮮血の池が出来上がる。
裂けた腹からは内臓が露出し、胃か何かの内容物であろう物体が血の池の中にぐしゃりと潰れて転がる。
横たわる体からは生気が感じられず、その瞳に映るのは虚無のみである。
「え?」
珍しくシグレが呆けた声を口に出す。
「これで邪魔者はいない」
近づいてくる男を無視し、シグレは地面に横たわるセフィロやアリスに向かっていく。
「フン。そいつらは何をしようと治らん。大人しく私の話を____
「黙れ」
「ッ!」
疲労困憊した体に強引に鞭を打ち、セフィロを抱きかかえたシグレは、懸命に治癒魔法をかけながら静かな声で男の声を遮った。
「な、何を__
「黙れと言っている」
通常の治癒魔法では治癒できないことを理解したシグレは、次なる手を打つ。
静寂が空間を支配する中、シグレの声が黒い壁へと染み込んでいく。
「上位生命移譲」
詠唱が終わると同時に光の粒がシグレから溢れ出し、二人の体に吸収されていく。
「ここで眠っていてください」
寝息を立てて眠る二人を図書館へと転移させ、シグレは男へと向きなおる。
「さあ、第二回戦と行くぞ」
その言葉と同時にシグレの体が一層重くなり、倒れこみそうになる。
「漆…」
立つことすらやっとのシグレは当然反応できず、袈裟斬りを喰らい、無様にも床を転がる。
深々と胴体を切り裂かれたその傷口からは血液が溢れ、口からは血の泡を吹く。
「おっと!考えたねぇ」
しかし男の体も袈裟懸けに切り裂かれ、血が大量に吹き出す___
ハズだった。
そうなるはずだった体はずるりと皮だけが滑り落ち、その中から現れたのは…
道化然とした青年だった。
嘲笑う青年は、ゆっくりと口を開く。
「ねぇ…いま、どんな気持ちだい?」
すっげームカつく
もともとMPは魔法一回ぶんしか残っていなかったのでこれで無くなりました。(上位生命移譲はMPを必要としません)
あ、ちなみに使ったのは受けたダメージの一定量を反射する魔法です。
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