邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第百二十二話 侵入:鮮血の食堂

6章 玩具は盤上で踊る


「ちょっちょっとまって」

「待ちません。行きますよ」

そんなアリスの嘆願を無視してシグレとセフィロふたりは奥へと進んで行く。

その先にあったのは___











赤黒く染まる純白だったはずの壁と廊下。
積み上げられた夥しい数の死体と、それと同等に近い数の培養槽があった。散乱する手術道具や魔道具、そして、死体を貪る一匹の錬金合成獣キメラがいた。

ぐちゃぐちゃと近くにある死体を引き寄せては一心不乱に食べつづける。
青い毛を持つ羊や、黒い甲殻を持つ牛らしきナニカを噛み砕き、その反動で肉が飛び散り、内臓や血液が純白の壁や床を赤黒く染めていた。

獅子の足はすでに赤く染まり、尻尾の蛇と顔の狼の口は血にまみれている。
真っ黒な山羊の背中からは、腐臭が漂っていた。

『総員に通達。実験室の奥には入るな。最悪じゃなくても死ぬ!撤退しろ』

『わ、わかった』

「ダレダ!」

キメラの咆哮が響き渡る
その場の誰もがこの程度の咆哮ハウルでひるむわけがないのだが、全員の動きが一瞬止まった。
やがて、敵ではないと判断したのか座りこんで話し始めた。

「イキナリオドカシテスマナカッタ」

「…喋れ…る……のか?」

「シャベレテナニガワルイ」

「ああ、なるほど、人も融合してるんですね」

「ッ!」

「何言ってるの?どこにも人間の部分なんてないよ?」

アリスの疑問は最もである。素材として人間が使われたなら、どこかに人間の要素がなければならないが、このキメラにそのような特徴は見られない。

そう聞かれたシグレは、セフィロの方に向き直す。

「師匠、錬金合成獣キメラを作るときに、核はどうしますか?」

「なにって、もちろん魔石を…
そういうことか」

「その通り、多分このキメラは人を魔石の代わり・・・・・・・・として使ったんでしょう。魔力を潤沢に含む魔法使いの人間をね」

「だがなぜ人間なんじゃ?ここまでの結界やマジックオブジェクトなどを見る限り魔石すら用意できぬようには見えんのじゃが…」

「どういうこと?」

「まあ目的としては用済みになった研究員を被験体にしたか、人間を取り込ませることでこのキメラのように言語能力や知能を持たせるためだと思いますよ」

「正解ダ」

「どこからどこまで、ですか?」

「殆ド全部ダナ。ヨクソレダケデココマデタドリツイタモノダ。
私ハコノ施設ノ統括者ダッタモノダ。
マア今ハタダノキメラダガ。
サテキミタチ、ワタシト同盟ヲクマナイカ?」

(真偽判定___起動)


はい、なんかよくわからないあれだ 

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