邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第百十五話 再生

6章 玩具は盤上で踊る


(さて…とりあえずは地面を元に戻なければ…このままみんな起こしても瘴気でみんな倒れるでしょうしね)

「面倒ですねぇ…」

フェンリルの強い怒りや憎しみ、殺意などが凝縮された黒いオーラが周囲に蔓延しているのを見て、シグレは1人愚痴をこぼす。
この黒いオーラはその周辺にいるだけで精神を汚染し、さまざまな状態異常デバフに加え継続ダメージと即死を高い頻度で受けてしまう。シグレですら結界なしの素の状態では十分持たないだろう。無論、他の人間なら即座に死に至る。
死の大地に変わってしまったのは半径約500mほど、森の端に近いこの場所では荒野にまで達しているだろう。
ここまで範囲が広いとさすがに時間を巻き戻して元どおり、というわけにもいかないため、シグレは黙考する。

「魔法多重化 範囲拡大 救済の聖域」

白い光で構成された魔法陣が幾重にも重なり合い、全ての不浄を浄化させる聖域が誕生するが、それでもオーラは弱まった程度であり、それすらもすぐに元に戻る。

(これは本気でやらないと無理ですね)

「魔法多重化 魔法範囲拡大 
魔法範囲超拡大 魔法効果増強
魔法効果超増強 蓄積魔力全開放
魔法効率化 魔法超効率化
天浄の聖域サンクチュアリ・サンクチュアリ

シグレのその言葉と時を同じくして、周囲に大鐘楼グランドベルの音が鳴り響く、ドス黒いオーラで埋め尽くされた死の大地に白い光の雨が降り、黒いオーラが四散していく。
数分後には黒いオーラは消え去り、太陽の光が死の大地を照らしていた。

(使ったMPは…七万ですか…これだけ使って浄化できたのがオーラだけって…)

生半可な呪いや瘴気なら浄化どころか消滅させてその場所が聖域となってもいいくらいの魔法なのだが、さすがは神獣である。
今更ながらに神獣の恐ろしさを感じ取ったシグレは、大量のMPポーションをのみつつすぐさま次の行動に入る。

「魔法多重化 魔法範囲拡大
魔法効果増強 魔法効率化
偽・地母神の祝福ブレス・オブ・ガイア

MPがたりないため範囲や効果を抑えて発動した魔法だが、それでも効果範囲内の数十mほどは再び木々が生いしげり、緑に包まれていた。

(チッ…さすがにMPがたりませんね。蓄積魔力も使い切ってしまいましたし。
回復するまで待機ですね)

神獣の残した爪痕は、やはり深いものだった。


はい、そんなこんなで浄化作業。

色々解説

・魔法多重化
 その名の通りひとつの魔法を大量に発動する。その分消費MPは増える

・魔法範囲拡大(魔法範囲超拡大)
 魔法の適用範囲が広くなる
 (火球ファイアーボールとかだとでかくなる)

・魔法効果増強(魔法効果超増強)
 魔法の威力が高くなる
 (火球ファイアーボールなら温度が高くなり、回復魔法は回復量が、みたいな感じ)

・魔法効率化(魔法超効率化)
 消費MP減少、魔法発動速度強化
 
・蓄積魔力
 「魔力蓄積」のスキル効果
 自分のMPがMAXの場合に、本来回復するはずの魔力を蓄えておける。
 (1分で100回復するならMPMAXの状態の時に1分につき100蓄積される)

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