邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜
第百十話 開く蕾と始まる遊戯
6章 玩具は盤上で踊る
「誰だ! え?」
叫んだ男は疑問を漏らす。
今まで自分はしっかりと地面に立っていたはずだ。
何故だ?何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故
自分の体が、見えるんだ?
自分の体を認識した瞬間、カラダであったものが地に倒れ伏す。
首から流れ出る赤黒い血液が、真っ白な床を染める光景をみて、彼はようやく状況を認識した。
(俺は、もう、死ぬ)
消えゆく彼の意識には、目の前に佇む黒衣が焼き付いていた。
『緊急警報!緊急警報!職員は全員退避してくだはい。これより、機密抹消シークエンスを開始します』
そんな警報が鳴り響く中、薔薇の紀章が入った黒衣を着る者達は、焦ることなく、ゆっくりと歩を進め、どこかへ歩んでいく。
「総員、任務を確認する。
目的は機密の奪取、繰り返す。目的は機密の奪取だ。どうせ消えるのだから何をしても構わん、絶対に成功させろ」
「了解」
瞬く間もなく彼らは散開し、施設の探索を始める。
「逃げろ逃げろォ!?」
「うわああああああ!」
あるものは逃げ惑うものの白衣を紅に染め、
「ウギャァァァァァァァ!!!ぐぼっ」
「うるさいのよ!さっさと吐きなさい!そして私は…ウフフ…」
あるものは光の消えた目で拷問を繰り返す、
「邪魔だ、どけ」
「ウガッ」
またあるものは淡々と純白の廊下を歩き続ける。
『隊長!発見しました!』
「何処だ?すぐに向かおう」
『取り敢えず俺のとこに空間跳躍してきてください!』
「分かった」
隊長と呼ばれた男の視界が切り替わる。
「おお…これが…」
男の目の前には一つの培養槽があり、その中にはナニカがあった。
「申し訳ありません!奪われました…」
如何にも賢者然とした老人は、目の前の王座に座りチェス盤の駒を弄る道化に懺悔する。
老人の立つ床や壁、果てには道化の座る王座すらもが黒に塗り潰されたこの部屋が、道化の王城であった。
「ああ、いいよ別に、全部見てたから」
チェス盤の上の黒い城に白の騎士をぶつけて倒しながら、王座に座する道化はそう言い放つ。
「では、
「あ、でもやっぱ君は『種』行きね」
『種』
それは知る者に対しては絶望を意味する悪魔の言葉
故に、一気に顔が明るくなったかと思われた老人は、自身の言葉を遮って放たれた言葉に動きを止める。
「い、今なんと?」
僅かな希望を追い求めて言葉を絞り出した老人に対し道化は、
「だから、君は『種』行きだって言ったんだよ」
無情にも希望ごと切り捨てた
「……で…か」
「ん?」
「なぜなのですか?」
青ざめた顔で老人は道化へと問う。
その顔は、罪を懺悔し許しを乞う罪人のようで
「んー、いらないから?それじゃ、さようなら、名も知らない賢者よ」
老人の体は消えてなくなり、あとには道化が残る。
黒曜石で出来た黒の僧侶を盤上に置き、道化は大仰な仕草で立ち上がり、手を上げる。
「さあ、遊戯を始めよう。せいぜい僕を楽しませてくれよ?」
そう言って道化は、コツン、と純白の星真珠で出来た女王を盤上に載せる。
今や盤上では、白と黒の駒が踊るように動いていた。
はい、なんかいろいろあるね、な回です。
空間跳躍は人のところに飛べます
簡単に言えば転移の劣化
誤字脱字や作品への意見等ございましたらコメントしていただければ幸いです
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「誰だ! え?」
叫んだ男は疑問を漏らす。
今まで自分はしっかりと地面に立っていたはずだ。
何故だ?何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故
自分の体が、見えるんだ?
自分の体を認識した瞬間、カラダであったものが地に倒れ伏す。
首から流れ出る赤黒い血液が、真っ白な床を染める光景をみて、彼はようやく状況を認識した。
(俺は、もう、死ぬ)
消えゆく彼の意識には、目の前に佇む黒衣が焼き付いていた。
『緊急警報!緊急警報!職員は全員退避してくだはい。これより、機密抹消シークエンスを開始します』
そんな警報が鳴り響く中、薔薇の紀章が入った黒衣を着る者達は、焦ることなく、ゆっくりと歩を進め、どこかへ歩んでいく。
「総員、任務を確認する。
目的は機密の奪取、繰り返す。目的は機密の奪取だ。どうせ消えるのだから何をしても構わん、絶対に成功させろ」
「了解」
瞬く間もなく彼らは散開し、施設の探索を始める。
「逃げろ逃げろォ!?」
「うわああああああ!」
あるものは逃げ惑うものの白衣を紅に染め、
「ウギャァァァァァァァ!!!ぐぼっ」
「うるさいのよ!さっさと吐きなさい!そして私は…ウフフ…」
あるものは光の消えた目で拷問を繰り返す、
「邪魔だ、どけ」
「ウガッ」
またあるものは淡々と純白の廊下を歩き続ける。
『隊長!発見しました!』
「何処だ?すぐに向かおう」
『取り敢えず俺のとこに空間跳躍してきてください!』
「分かった」
隊長と呼ばれた男の視界が切り替わる。
「おお…これが…」
男の目の前には一つの培養槽があり、その中にはナニカがあった。
「申し訳ありません!奪われました…」
如何にも賢者然とした老人は、目の前の王座に座りチェス盤の駒を弄る道化に懺悔する。
老人の立つ床や壁、果てには道化の座る王座すらもが黒に塗り潰されたこの部屋が、道化の王城であった。
「ああ、いいよ別に、全部見てたから」
チェス盤の上の黒い城に白の騎士をぶつけて倒しながら、王座に座する道化はそう言い放つ。
「では、
「あ、でもやっぱ君は『種』行きね」
『種』
それは知る者に対しては絶望を意味する悪魔の言葉
故に、一気に顔が明るくなったかと思われた老人は、自身の言葉を遮って放たれた言葉に動きを止める。
「い、今なんと?」
僅かな希望を追い求めて言葉を絞り出した老人に対し道化は、
「だから、君は『種』行きだって言ったんだよ」
無情にも希望ごと切り捨てた
「……で…か」
「ん?」
「なぜなのですか?」
青ざめた顔で老人は道化へと問う。
その顔は、罪を懺悔し許しを乞う罪人のようで
「んー、いらないから?それじゃ、さようなら、名も知らない賢者よ」
老人の体は消えてなくなり、あとには道化が残る。
黒曜石で出来た黒の僧侶を盤上に置き、道化は大仰な仕草で立ち上がり、手を上げる。
「さあ、遊戯を始めよう。せいぜい僕を楽しませてくれよ?」
そう言って道化は、コツン、と純白の星真珠で出来た女王を盤上に載せる。
今や盤上では、白と黒の駒が踊るように動いていた。
はい、なんかいろいろあるね、な回です。
空間跳躍は人のところに飛べます
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