邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

後日談 ある悪魔だったものの失墜

サバイバル終了から約二週間後のお話です。


「オラ、何休んでんだクソが!てめーが役に立つことなんか荷物運びくらいしかねぇんだからキリキリ働け!」

そういって全身鎧を着た騎士然とした男が彼を蹴り飛ばす。

蹴られた男は何も言わずに立ち上がり、リュックサックを背負い直す。

「フン!最初からそうしてりゃいいんだよ!」

「………」

「やだ…気持ち悪い」

「しっかし落ちぶれたよなぁ?かつての攻略組トップ・・・・・・様が今は俺ら新規勢の荷物持ちかよ!無様なもんだな!あはははははは!」

「ほんと!面白いよね!アハハハハハハ!」

そう、荷物持ちの青年は、かつての悪魔であった。

少し時を遡る。

シグレに殺されて死に戻りし、地団駄を踏んでいるところに2人の青年が現れた。

「だ、誰だ!」

「おいおい、俺様の顔を忘れちまあったのかぁ?」

「貴様に決まった顔などないだろう?悪魔が」

「おお、こわいこわい。やめてくれよルシファー」

「まさか…悪魔と傲慢の堕天使ルシファーか?」

(俺はツイてる!こいつらさえいれば、またやり直せるぜ!)

「そ、というわけで俺っちは契約の履行をしに、そっちの堕天使は君を見限っちやったみたいなんだよね」

「は?」

「だーかーらー。俺っちは君と交わした『絶対負けない代わりに悪魔の力を授ける』っていう契約が破られたから回収に来たんだよ」

「あ、あれは運が悪かっただけだ!負けてなんかねぇ!」

「……ファ?」
「……なに?」

「……えーと…君…それマジで言ってる?」

「ああ?どこがおかしいんだよ!」

「愚物め、ここまでくると逆に見事だな」

「えっとね。あの人は俺っちや傲慢の堕天使ルシファーと戦っても勝てるくらいの強さなのに君が勝てるわけないでしょ?」

「ちがう!俺は負けてない!お前らがもっと力をよこさないから悪いんだ!」

「力に溺れたか、少しの時間でもこんなものに私のスキルを授けてしまうとは…不覚だ」

唐突に悪魔は手で彼の頭を掴み、魔力を操作し始める。

「はいはいいいから取り立てしちゃうよ。契約の対価は『全戦闘能力の消失』ま、傲慢は消えないけどね」

ホッとしたような目をする彼に、ゆっくりとルシファーが歩み寄る。
悪魔によって口を塞がれた彼は、悲鳴をあげることもできずに罰の執行を待つしかなかった。

「こちらは『傲慢』の力だ」

「あ、でもこれはあげる」

頭の上に置かれた手に、全ての力が吸い込まれていく。
そして彼は、全てを失った。

かくして自身のステータスが初期よりも低くなってしまった彼はシグレへの復讐心でこの場に残り、惨めな扱いにも耐えていたが、日を過ごすうちに憔悴していき、今ではもうここにはいない人形のようになってしまった。


はい、シグレは多方面から恨まれてますね。

まあ悪魔はもう出て来ませんけど。

ちなみに悪魔とルシファーから奪われた結果として彼はスキルなし、称号なしステータスオール1、レベル0固定、アカウント削除不可になりました。
ちなみに悪魔からもらったのはレベルを0で固定する呪いとスキル、称号取得不可の呪いです。
ちなみにこれは元悪魔がいろいろやりすぎたので運営が制裁した結果です。

次回は取り敢えず人形回。わりと鬱展開らしいのでダメな人はブラウザバック推奨

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